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<title>ONESTORY</title>
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<description>ONESTORY</description>
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  <title>ONESTORY</title>
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<title>芸術家すら敵わない、未完の作品。</title>
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<pubDate>Fri, 13 Feb 2026 12:00:00 +0900</pubDate>
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<![CDATA[
<p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4480_20260212225949_698ddcd5a5c4c.thumb" alt=""></p>
<p>人が初めて使った道具は石だと言われています。獲物を捕らえるためにはどうしたらいいか。火を起こすためにはどうしたらいいか。その時、人は地にある石に道具としての用途を見出しました。つまり、人類は命を宿した時から石とともに生きてきたと言っても過言ではなく、長い歳月の中、都度、石に役割を与えてきたのです。

「Re Gallery SCEARN」が第2回目に開催する展示は、香川県高松市を拠点に活動する「A...</p>
<p><a href="https://www.onestory-media.jp/post/?id=4480" target="_blank"><b>続きを読む</b></a></p>
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<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4480_20260212225949_698ddcd5a5c4c" alt=""></p><figcaption>石本来の自然な表情を極力残し、機能に必要な最小限の加工のみを施した「ROCK END」。その造形は、まるで山肌のよう。</figcaption></figure>
<h4><span>Re Gallery SCEARN</span>逆転の発想から纏わせた価値。</h4><p>人が初めて使った道具は石だと言われています。獲物を捕らえるためにはどうしたらいいか。火を起こすためにはどうしたらいいか。その時、人は地にある石に道具としての用途を見出しました。つまり、人類は命を宿した時から石とともに生きてきたと言っても過言ではなく、長い歳月の中、都度、石に役割を与えてきたのです。<br />
<br />
「Re Gallery SCEARN」が第2回目に開催する展示は、香川県高松市を拠点に活動する「AJI PROJECT」。<br />
<br />
&nbsp;「AJI PROJECTの特徴は、石という素材の特性に素直に向き合いながら、用途や表現の可能性を広げている点にあります」。そう語るのは、クリエイティブディレクターのイトウケンジ氏です。<br />
<br />
ここに並ぶ石は、言わば、現代において役割を与えられた作品たち。表情豊かなそれらは、プロジェクト名の通り、庵治石。庵治石とは、香川県北東部に位置する高松市牟礼町、庵治地方のみで産出される石材であり、様々な時代を経て、地下深くのマグマがゆっくりと冷え固まって形成された火成岩の一種。鉱物は結晶が小さく、粒子の大きさで細目、中細目、中目、そして、鉄分を多く含んだものをサビ石と分類されています。その美しさから、多くの著名な建築物にも使用され、別名、「花崗岩のダイヤモンド」と呼ぶ人も少なくありません。<br />
<br />
「石を素材にデザインする魅力は、何千万年という長い時間の積み重ねが生み出した、石そのものがもつ自然な表情にあります。一方で、その魅力をどこまで手を加えずに残すのか、あるいはどのような加工を施すことで、また別の魅力を引き出すことができるのか、その&ldquo;加減&rdquo;を見極めることは簡単ではありません。石の持つ存在感を損なわずに人の手を介在させる方法を探ること、その試行錯誤の中にこそ、石を素材にデザインする難しさと同時に、大きな楽しさがあると感じています」。<br />
<br />
イトウ氏がデザインをする上で必ず意識していることは、石を単なる表面的なマテリアルとして扱わないこと。その石が持つ性質や特性と真っ直ぐに対峙し、無理のないかたちで役割を与えられているかどうか。この視点は、ディレクションとデザインのいずれにおいても、常に思考の原点となっています。<br />
<br />
そんな「AJI PROJECT」の始まりは、庵治石産地の将来に対する危機感を抱いたことがきっかけでした。<br />
<br />
「墓石需要の減少や職人の高齢化、後継者不足といった課題に直面する中、&ldquo;これまでとは異なるかたちで石の価値を示していく必要がある&rdquo;という想いから、2012年に商工会の支援事業のもと、有志の事業者13社が集まり、製品開発をスタートさせました。従来の用途にとらわれず、暮らしの中で使われるプロダクトを通して庵治石の新たな可能性を探ることが、AJI PROJECTの原点です」。声の主は、「AJI PROJECT」を運営する「蒼島」代表、二宮 力氏です。<br />
<br />
「蒼島」は、2021年に「AJI PROJECT」を引き継ぐかたちとして設立。以降、ブランドを再構築し、現在は、イトウ氏をはじめ、クリエイティブアドバイザーにはダビッド・グレットリ氏も迎え、国内外のデザイナーと協働しながら、国内外に庵治石の魅力を発信し続けています。<br />
<br />
墓石や石碑のように屋外で何十年も使われるものを作る場合、わずかな傷であっても耐候性に影響するため、無傷に近い部分だけを選んで制作する必要があります。庵治石は、もともと傷の多い地層にあるため、そのような条件を満たすものは、採石される全体のわずか数パーセント。その希少性が、石の性質と合わせて高級石材と言わしめる一方、残りの90％以上の石材は価値が高くないものとみなされ、最終的には砕かれて砂利や埋め立て材として使われてきました。「AJI PROJECT」は、その発想を逆転させ、価値の外に置かれた石を価値化させたのです。<br />
<br />
「庵治石という素材そのものだけでなく、産地に受け継がれてきた石工の高い技術や知恵も含めて、次の世代へとつないでいくことも我々の使命だと思っています。このプロジェクトを起点に、国内外を問わず多様で質の高い協業を重ねることで、技術の向上はもちろん、若い職人の意識を高め、新たな担い手を育てていく環境を整えていきたい。ゆるやかに衰退しつつある産地を、もう一度持続的なかたちで活性化させ、次の時代へとつながる確かな土台を築いていくことを大きな目標として掲げています」と二宮氏。<br />
<br />
そんな香川の石を語る上で避けて通れないことがあります。世界的著名な人物、イサム・ノグチ氏です。ノグチ氏もまた、庵治石の虜になったひとりであり、&ldquo;石は地球の骨だ&rdquo;という言葉を残しています。そのほか、流 政之氏やジョージ・ナカシマ氏の家具で知られる桜製作所、そして、猪熊弦一郎氏など、多くの芸術家や作家が香川を拠点に活動していたのは、偶然か必然か。二宮氏はこう分析します。<br />
<br />
「世界的なアーティストたちが香川に制作拠点を置いた理由は、戦後復興期に知事となった&ldquo;デザイン知事&rdquo;と呼ばれた金子正則氏が、本物の芸術や建築などで香川県民の心を豊かにしたいと、自らが陣頭指揮をして働きかけた過去があるからだと思います。当時、香川の職人の高い技術力を、世界に通用するものにするために、アーティストたちと結びつけ、新しいもの作りを始めました。瀬戸内の穏やかで美しい風景だけでなく、名前は出なくとも妥協のない仕事をする職人の技も、知られざる香川の魅力のひとつではないかと思っています」。<br />
<br />
そして、イトウ氏もまた、「ノグチ氏や流氏は、単純に石を愛したわけではないと思います。当時、熱心に香川の紹介をしてくれた金子知事や猪熊氏を信頼し、彼らに紹介された若い職人（和泉正敏）らの真摯な仕事にほれ込んで、この地を制作の場に決めたと聞いています」と加えます。<br />
<br />
今回、「Re Gallery SCEARN」では、数ある「AJI PROJECT」の作品より、「ROCK END」を中心に展示販売。一口に庵治石と言っても、その表情はさまざまであり、代表的な細目やサビ石の中にも、色味や形状が異なり、どれ一つとして同じものはありません。<br />
<br />
「ROCK ENDの特徴は、石本来の自然な表情をできるだけ残しながら、機能に必要な最小限の加工のみを施して製品化している点にあります。AJI PROJECTを立ち上げた最初の年に生まれたプロダクトであり、良い形や表情をもつ石を山で探すところから製作が始まることから、石そのものに対する職人の深い敬意が強く感じられる作品です。一見すると大胆な加工に見えますが、実際には細部に至るまで職人の手による丁寧な仕事が施されています。共に作り上げた職人はすでに他界されていますが、その想いは現在、息子さんによって受け継がれ、制作が続けられています」とイトウ氏。<br />
<br />
ROCKとは、岩や石を意味しますが、それ以外にもさまざまを含み、心の支えと比喩表現されることもあります。硬い塊にどこか優しさを感じるのは、そんなせいなのかもしれません。<br />
<br />
「すべてが一点物であるROCK ENDが数多く並ぶこの機会は極めて稀有です。ぜひ会場で実物をご覧いただき、それぞれに異なる庵治石の表情に触れていただければと思います」と二宮氏。<br />
<br />
人が生むものは、完璧を求めますが、自然が生むものは、作意なく、言わば未完。「ROCK END」は、芸術家すら敵わない作品と言っても過言ではありません。そして、それらが連なる様は、まるで山脈のよう。そんな作品との邂逅は、遥か彼方より生き抜いた庵治石の記憶との邂逅と同義だと考えます。<br />
<br />
山頂ならぬ、石頂からは、何が見えるのか。ぜひ、その絶景をお楽しみいただきたい。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4480_20260212225949_698ddcd5ca4e8" alt=""></p><figcaption>今回の展示では、「ROCK END」にフォーカス。サイズの異なる3種をkomameとsabiの2種で展開。※写真の石の種類は、komame</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4480_20260212225949_698ddcd5823f3" alt=""></p><figcaption>「石の硬さや重さ、加工方法を制約として捉えるのではなく、発想の起点として扱い、石に最もふさわしい役割を探っています」とイトウ氏。石という素材自体が持つ個性にデザイナーのアイデアが掛け合わさることで、他にはないユニークなプロダクトやコレクションを創出する。※写真の石の種類は、sabi</figcaption></figure>
<p>Photographs：KENJI KAGAWA<br />
Text：YUICHI KURAMOCHI</p>
<p>「Re Gallery SCEARN」<br />
TEL：03-6433-5201<br />
住所：東京都北青山3-13-7 2F<br />
営業時間：11:00〜19:00<br />
定休日：月曜(祝日の場合は営業)<br />
※1Fは、「SCEARN」ウェアを展開<br />
公式HP：<a href="https://scearn.com/">https://scearn.com/</a><br />
&nbsp;</p>
<p>［ギャラリーのご案内］<br />
展示内容：石頂 AJI PROJECT<br />
期間：2026年2月11日(水・祝)〜<br />
<br />
［在廊のお知らせ］<br />
AJI PROJECTを牽引するお二人が在廊されます。<br />
石と向き合うひとときを、ぜひご一緒に。<br />
<br />
在廊日時｜3月7日(土) 13:00〜16:00<br />
<br />
AJI PROJECT　代表　二宮 力氏<br />
AJI PROJECT　クリエイティブディレクター　イトウ ケンジ氏<br />
&nbsp;</p>

]]>
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</item>
<item>
<title>土と向き合い、土と生きる。宮崎県で有機農業に挑戦する生産者たち。［Miyazaki Organic Dining／宮崎県・東京都］</title>
<link>https://www.onestory-media.jp/post/?id=4472</link>
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<pubDate>Wed, 11 Feb 2026 01:06:00 +0900</pubDate>
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<![CDATA[
<p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4472_20260211010710_698b57ae485b0.thumb" alt=""></p>
<p>宮崎県では、まだ世の中に&ldquo;オーガニック&rdquo;という言葉され浸透していなかった40年以上前から官民一体となった有機農業への取り組みが続けられています。2024年からは県による「有機農業拡大加速化事業」もはじまり、宮崎県＝有機野菜のイメージはいっそう盤石になりつつあります。

弥生時代から農業が営まれてきたという宮崎県。
黒土、赤土、砂、粘りのある土──同じ県内でも場所によって土の...</p>
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<![CDATA[
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4472_20260213152337_698ec3691379d" alt=""></p><figcaption></figcaption></figure>
<h4><span></span>土と太陽に恵まれた宮崎で40年前から挑む有機農業。</h4><p>宮崎県では、まだ世の中に&ldquo;オーガニック&rdquo;という言葉され浸透していなかった40年以上前から官民一体となった有機農業への取り組みが続けられています。2024年からは県による「有機農業拡大加速化事業」もはじまり、宮崎県＝有機野菜のイメージはいっそう盤石になりつつあります。<br />
<br />
弥生時代から農業が営まれてきたという宮崎県。<br />
黒土、赤土、砂、粘りのある土──同じ県内でも場所によって土の表情はまるで違い、強い太陽のエネルギーが作物の輪郭を浮かび上がらせる土地。<br />
<br />
それは宮崎県が昔から、農業に適した土地であるということの証。<br />
けれど「適している」ことと「簡単である」ことは、決して同じではありません。<br />
たとえば有機JASの取得は、ときに自分の努力だけではどうにもならない壁にぶつかります。無農薬に取り組んでいても、周辺環境の影響を受ける。土地が冠水すれば、土壌調査はやり直し。積み重ねてきた時間が、一夜で巻き戻されることさえもあります。<br />
<br />
それでも、宮崎県には土と向き合い続ける人がいます。今回の産地ツアーで出会ったのは、「土を耕す」だけではなく、「土地の未来を耕している」ような生産者たち。その真っ直ぐな思いは、やがて東京からやってきたシェフたちの心にも火を灯しました。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4472_20260213152439_698ec3a7154ec" alt=""></p><figcaption>「現地の空気感や生産者の思い、食材の裏に潜む物語を知ること」と産地を訪れる意義を語った3人のシェフたち。</figcaption></figure>
<h4><span></span>有機農業という理想を追い求める生産者と、料理人との出会い。</h4><p>産地視察に参加したのは、代官山『sel sal sale』の濱口昌大シェフ、東京『酛TOKYO』の佐久間佑吾料理長、青山『STELLAR WORKS Restaurant &amp; Bar』の三浦源シェフの3名。<br />
第一線で活躍する料理人たちは宮崎県の有機野菜と出合い、何を感じ、何を持ち帰るのでしょうか？<br />
<br />
1日目。<br />
最初の目的地は宮崎空港から車で2時間ほどかかる高千穂の農業法人『おたに家』。この秘境のような場所、標高1000ｍほどの畑で在来種を守りながら蕎麦と大豆を育てています。耕作放棄地が増えていく現実を前に、「農業を守り、地域の未来を守るため」と思いを語ってくれたのは、工藤学さん。同社には直営の蕎麦店もあり、ただ生産し卸すのではなく、付加価値をつけて伝えていく意義を見出しているといいます。<br />
「作物は商品ではなく、伝えるべき物語」そんな言葉には、山間の土地で農業を続ける人の静かな決意が潜んでいました。<br />
<br />
続いて訪ねた『甲斐製茶園』は、無農薬の茶を育て、釜炒り茶として販売する農家。言葉にすると簡単ですが、出迎えてくれた甲斐さんの言葉には、無農薬茶がいかに難しいかが滲んでいました。<br />
背の低い茶の木の下に屈んで潜り込んで手作業で除草する日々。それでも続けるのは全国茶品評会での農林水産大臣賞受賞をはじめ、苦労が「おいしさ」として結実しているから。いまでは緑茶生産の1％にも満たないほど希少な釜炒り茶という製法も、自慢の茶葉の味と香りを引き出します。<br />
<br />
「有機栽培茶は海外に販売するときに大きな強みになります」と甲斐さん。草一本を抜く手の痛みは、いつか海の向こうの誰かの一杯に繋がっていくのかもしれません。<br />
<br />
1日目の最後の訪問先は、農薬、化学肥料を使わない野菜を通して「100歳まで元気に長生き」を目標とする生産者チーム『日向百生会』です。彼らの野菜づくりの肝は、ぼかし肥料。おから、もみ殻、くず米などの穀物に微生物を混ぜ、発酵させて作った植物性のぼかし肥料は、いわば畑のサプリ。<br />
「自然の力を活かした土地で育った野菜は、本来のおいしさが詰まっています」と代表の黒木洋人さんが語る自慢の野菜に、シェフたちも驚きが隠せない様子でした。<br />
&nbsp;</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4472_20260213152459_698ec3bb15392" alt=""></p><figcaption>『おたに家』は各地の名店にも卸される玄蕎麦のほか、乾麺や雑穀、高千穂茶などの加工品も取り扱っている。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4472_20260213152526_698ec3d682e93" alt=""></p><figcaption>賄いで蕎麦を茹でることも多いという代官山『sel sal sale』の濱口シェフ。『おたに家』の乾麺のコシの強さに驚きが隠せなかった。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4472_20260213152544_698ec3e8ed17c" alt=""></p><figcaption>『おたに家』で企画、営業を担当する工藤学さんと、直営の蕎麦屋で調理を担当するお母様。高千穂の清涼な空気の中、地域の目指す未来を語った。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4472_20260213152607_698ec3ff60a28" alt=""></p><figcaption>お茶の有機栽培を続ける『甲斐製茶園』の茶畑。高千穂の峰に囲まれた冷涼な空気が、素晴らしいお茶を育む。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4472_20260213152621_698ec40d1b16b" alt=""></p><figcaption>『甲斐製茶園』で釜炒り茶の工程を学ぶ。手間ひまを惜しまぬ昔ながらの製法が、まろやかで懐かしいお茶の風味を生む。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4472_20260213152632_698ec4181094c" alt=""></p><figcaption>お茶への造詣も深い佐久間料理長は、釜炒り茶を「ほっとする、優しい味」と評した。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4472_20260213152642_698ec422beff8" alt=""></p><figcaption>4代続く『甲斐製茶園』は家族がチームとなって有機栽培茶に突き進む。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4472_20260213153020_698ec4fca9011" alt=""></p><figcaption>『日向百生会』黒木さんの案内で畑を歩くシェフたち。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4472_20260213153032_698ec50809170" alt=""></p><figcaption>畑に入り、生産者と語り、野菜の味や香りを真剣に確かめる三浦シェフ。その真摯な姿に生産者の話にも熱がこもる。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4472_20260213153042_698ec512675ec" alt=""></p><figcaption>『日向百生会』の黒木さん。週に600kgをつくる「ぼかし」など、その作業は重労働だが、にこやかに思いを語ってくれた。</figcaption></figure>
<h4><span></span>畑でかじる野菜、生産者の言葉。ひとつひとつが料理のインスピレーションに。</h4><p>翌日、最初に向かったのは、東京の料理人にもファンの多い『宮崎アグリアート』。その秘密は、「品質」と「有機」が一本の線で結ばれていることにあります。たとえば米なら、種まきから精米まで一貫して生産。玄米の段階でCCDカメラを使い、一粒一粒をチェックし、虫食いや異物があればエアーで弾く。さらに精米の際にも、もう一度チェックをかける。徹底した品質への執念がまずあり、そこに「さらなる価値」として有機栽培が乗るのです。<br />
<br />
松本慎一郎さんは「オーガニックだから色や形は二の次、では駄目」と語ります。土をつくり、作物をつくり、品質にまで責任を持つ。その姿勢が、多くのシェフの共感を呼ぶのでしょう。<br />
<br />
ランチに立ち寄った田野町の『さちカフェ』も、有機農業に挑戦する生産者の直営店。カフェのキッチンに立ち、『みさき農園』の名で畑にも立つ長崎海咲さん。「土から口まで」をテーマに、畑での土づくりからカフェでゲストの口に入るまでを見届けます。<br />
<br />
『みさき農園』の土づくりは、種を撒き、育った植物を刈って土に混ぜ込む「緑肥」を軸。植物が分解され、土に馴染むまで半年はかかるという地道な作業ですが、「土のなかも多様性が大切。人間社会と同じです」と爽やかに笑います。<br />
<br />
『松井農園』の松井道生さんは、有機農業の先進地・綾町を長年牽引する伝説的人物。10ヘクタールのうち半分が水田、半分が畑。うち3.5ヘクタールが有機JASだといいます。訪問時の冬場はレタスが中心。<br />
<br />
「寒い時期に野菜が甘いのは当然。そのなかでもうちの野菜はおいしい。大根は梨のような味、人参は柿のような味がするよ」と笑います。<br />
<br />
松井さんは畑を見渡しながら「長年やっているから良い土は見ればわかる。ここは40年前と同じ土。変わらない土があることが恵まれている」と話しました。変え続ける努力の先に、変わらないものを残す。その矛盾のような真実が、胸に響きます。<br />
<br />
『ゆういちの野菜』で自家製にんじんジュースや生姜茶とともに出迎えてくれた園田雄一さんと奥様。有機JASを取得し、ニンニク、ショウガ、ゴボウ、甘藷を栽培しています。<br />
<br />
美しく整えられた畑やお二人の姿からは想像しにくいのですが、園田さんもやはり、苦労を重ねながら有機の道を歩いてきた人物。かつては丹精込めて育てた大根が一晩で全滅してしまったこともあるといいます。<br />
<br />
「有機に失敗はつきもの。失敗をして、仮説をたてて、検証をする。そうした科学的根拠を大事にしながら、次世代につなげていきたい」そんな思いを胸に、今日も畑に立ちます。<br />
<br />
最後に訪れた『もりさんファーム』では、森山康彦さんが日向夏と向き合ってきた道のりを語ってくれました。父の代から日向夏に転向し、かつては形のきれいさが重視された。その時代を越え、いまは&ldquo;おいしさ&rdquo;を第一義に考える。土づくりから改めて向き合っている。失敗が続いて、農業をやめようと思ったこともある。淡々と語られる物語は、ひとりの生産者の人生そのもの。<br />
<br />
酵母、酵素、微生物。さまざまな本や勉強会で学びながら、日々一歩ずつ前に進む。日向夏の爽やかな香りとふくよかな甘さは、偶然の産物ではなく、諦めなかった日々の結果なのだと感じられる話でした。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4472_20260213153124_698ec53c86570" alt=""></p><figcaption>『宮崎アグリアート』での一場面。料理人同士の意見交換にも、料理のインスピレーションが潜んでいる。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4472_20260213153144_698ec550d8fdc" alt=""></p><figcaption>ケール、カリフローレ、キュウリ。料理人の声を取り入れながら常に前進を続ける『宮崎アグリアート』の野菜。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4472_20260213153157_698ec55d722f7" alt=""></p><figcaption>熱い思いと論理的な知識を持ち合わせる『宮崎アグリアート』松本慎一郎さん。料理人からの要望や意見も柔軟に取り入れる。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4472_20260213153208_698ec5688ae41" alt=""></p><figcaption>『みさき農園』の長崎さん。産地ツアーに参加したバイヤー『坂ノ途中』の合田佳永さんと土づくりについて語り合った。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4472_20260213153220_698ec5748440c" alt=""></p><figcaption>『みさき農園』が手掛ける『さちカフェ』のランチは、朝どれの野菜がたっぷり。和洋中さまざまな料理に仕立てることで、野菜のポテンシャルを引き出す。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4472_20260213153241_698ec589b7c96" alt=""></p><figcaption>『みさき農園』の長崎さんと、『さちカフェ』での料理を担当するお母様。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4472_20260213153257_698ec5993a240" alt=""></p><figcaption>『松井農園』にて。畑を前に伺う有機農業は、その情熱も苦労もリアルにシェフの心に届く。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4472_20260213153309_698ec5a5ab0be" alt=""></p><figcaption>糖度が高く「柿のような味」といわれるニンジン。張り出した微細な根が、野菜本来の力強さを感じさせる。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4472_20260213153327_698ec5b72cce4" alt=""></p><figcaption>松井さんは有機農業に関わって40余年。土や野菜のことなら、何を尋ねても即座に的を射た回答が届く。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4472_20260213153341_698ec5c5288f9" alt=""></p><figcaption>露地栽培を中心に、5ヘクタールで有機JAS認証を取得する『ゆういちの野菜』の園田さん。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4472_20260213153355_698ec5d3d1979" alt=""></p><figcaption>園田さんは、ニンジンや甘藷など自慢の野菜を用意してシェフたちを出迎えてくれた。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4472_20260213153410_698ec5e26cba3" alt=""></p><figcaption>論理的・科学的思考のなかに「次の世代へ」という熱い思いを持つ園田さんご夫妻。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4472_20260213153428_698ec5f40fcca" alt=""></p><figcaption>のびのびと、力強く育つ『もりさんファーム』の日向夏。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4472_20260213153443_698ec60316279" alt=""></p><figcaption>甘さはもちろん、香りも一級品。試食したシェフたちも、さまざまな料理の可能性を感じたという。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4472_20260213153455_698ec60f720c4" alt=""></p><figcaption>石灰と酢酸の比率やアミノ酸量など話は科学的だが「半分は理論、半分は精神論」と話す『もりさんファーム』の森山康彦さん。</figcaption></figure>
<h4><span></span>宮崎の畑の物語を、東京に届けるために。</h4><p>物言わぬ土は、答えをすぐに返してくれません。抜いた草の数も、混ぜ続けた年月も、報われるまでに長い時間がかかるもの。<br />
それでも彼らは、土の沈黙と向き合い、土の変化を待ち、時には失敗に折れそうになりながら、また仮説を立てて手を動かします。その姿勢は、派手さとは無縁で、けれど確かに、土地の未来を守るための仕事。<br />
今回のツアーに参加した料理人たちが、生産者の畑で見たのは、ただの「食材」ではなく、積み重なった時間のかたちだったのかもしれません。<br />
これから実施される「Miyazaki Organic Fair」では、そんな生産者の姿勢に共感したシェフたちが、その思いを皿の上の料理に翻訳し、言葉では伝えきれない部分まで含めて伝えていきます。<br />
土の時間が、食べる人の時間へ渡っていく。その橋のたもとに、私たちは立っているのかもしれません。</p>
<p><br />
Photographs：JIRO OTANI<br />
Text：NATSUKI SHIGIHARA</p>

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<title>生産者と料理人の共鳴。宮崎県の食材が、東京の名店で料理に生まれ変わるまで。［Miyazaki Organic Dining／宮崎県・東京都］</title>
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<pubDate>Fri, 06 Feb 2026 18:41:00 +0900</pubDate>
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<![CDATA[
<p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4471_20260209152705_69897e3919a32.thumb" alt=""></p>
<p>いまから2000年以上も昔。
弥生時代から稲作が盛んだったという宮崎県。
それはつまり、この地の土と水と太陽が、農業に適していた証でしょう。

そんな宮崎県はいま、有機農業の先進地として知られています。
土と向き合い、農薬や化学肥料に頼らず、植物本来の力を引き出す。そんな農業が、まだ「オーガニック」という言葉さえ広まっていなかった40年以上も前から、宮崎県では実践されているのです。

「有機に取り...</p>
<p><a href="https://www.onestory-media.jp/post/?id=4471" target="_blank"><b>続きを読む</b></a></p>
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<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4471_20260213151754_698ec212b54a9" alt=""></p><figcaption></figcaption></figure>
<h4><span>Miyazaki Organic Dining</span>料理人が熱い視線を注ぐ、有機農業の先進地・宮崎県</h4><p>いまから2000年以上も昔。<br />
弥生時代から稲作が盛んだったという宮崎県。<br />
それはつまり、この地の土と水と太陽が、農業に適していた証でしょう。<br />
<br />
そんな宮崎県はいま、有機農業の先進地として知られています。<br />
土と向き合い、農薬や化学肥料に頼らず、植物本来の力を引き出す。そんな農業が、まだ「オーガニック」という言葉さえ広まっていなかった40年以上も前から、宮崎県では実践されているのです。<br />
<br />
「有機に取り組んで、失敗したことがない生産者はいないと思います。失敗を糧に次に挑む。その繰り返しが有機農業です」<br />
<br />
ある生産者はそう話しました。<br />
その真摯な姿勢は、おいしさを追求する料理人たちと響き合います。<br />
プロとして日々多くの食材と向き合う料理人がいま、宮崎県の有機野菜に熱い視線を送っているのです。<br />
<br />
そんな生産者と料理人の共鳴の形として、東京で厨房に立つ6名の料理人が、宮崎県の産地を訪れ野菜を視察し、そしてその経験を元に料理を考案する「Miyazaki Organic Dining」が開催される運びとなりました。<br />
はたして料理人たちは宮崎県の生産者に何を感じ、どんな野菜を使って、どんな料理を仕立てるのでしょうか？</p>

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<title>佐賀の「食材」と「器」を「料理人」の感性で磨き上げる取り組み、10年の節目。食の未来へ、地方から光を当てる。
[SAGAガストロノミー会議／佐賀県佐賀市]</title>
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<pubDate>Thu, 05 Feb 2026 12:33:00 +0900</pubDate>
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<p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4470_20260205123431_69840fc75d979.thumb" alt=""></p>
<p>2025年10月18日・19日、佐賀市の中心部、佐賀城公園は熱気に包まれていました。10周年を迎えた音楽ステージとアートのフェスティバル「佐賀さいこうフェス」を、老若男女が思い思いに楽しんでいます。
その一角、佐賀県立博物館・美術館のエリアには、食に携わるプロフェッショナルたちが全国から集結していました。フェスとはまた違った、静かにたぎるボルテージに包まれています。様々な視点・角度で「食」の未来に...</p>
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<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4470_20260205123431_69840fc75d979" alt=""></p><figcaption></figcaption></figure>
<h4><span></span>「食」の未来について、食べて、知って、考える祭典</h4><p>2025年10月18日・19日、佐賀市の中心部、佐賀城公園は熱気に包まれていました。10周年を迎えた音楽ステージとアートのフェスティバル「佐賀さいこうフェス」を、老若男女が思い思いに楽しんでいます。<br />
その一角、佐賀県立博物館・美術館のエリアには、食に携わるプロフェッショナルたちが全国から集結していました。フェスとはまた違った、静かにたぎるボルテージに包まれています。様々な視点・角度で「食」の未来について、食べて、知って、考える祭典「SAGAガストロノミー会議」です。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4470_20260205123404_69840fac44510" alt=""></p><figcaption>「SAGAガストロノミー会議」は佐賀県立博物館・美術館などの会場で開催された。</figcaption></figure>
<h4><span></span></h4><p>「SAGAガストロノミー会議」は佐賀県が長い間あたため、満を持して開催したイベントです。ベースとなっているのは、&ldquo;食材&times;器&times;料理人&rdquo;をテーマに10年前から活動を続けてきたプロジェクトです。2015年の有田焼創業400年事業でスタートした「食」と「器」の取り組みは年々進化を遂げ、2021年に「サガマリアージュ」へと発展。「食材」と「器」を「料理人」の感性で磨き上げながら、料理という一皿の上に佐賀の可能を表現・発信していくことで、新たな価値を創造するプロジェクトとして進行中です。<br />
佐賀県はいずれも個性的な地域色を持つ福岡県と長崎県に挟まれ、やや地味な県だと見過ごされがちでした。しかし、ローカルを見つめる全国の目利きたちは、早くからその高いポテンシャルに気づいていました。佐賀は玄界灘と有明海という２つの海を要する特異な地。呼子のイカ、竹崎カニ、有明のムツゴロウや海苔をはじめ、多様な水産物が水揚げされる魚介の宝庫です。<br />
一方、大地に目を向けると、そこは農畜産物のパラダイス。有数の米どころであり、地場の米を使った日本酒の銘醸も揃っています。収穫量全国2位を誇るタマネギ、重粘土質の土壌で栽培されるレンコン、自然薯&hellip;&hellip;伝統野菜も枚挙にいとまがありません。みかんにイチゴ、梨といったフルーツ、佐賀牛やありたどりなどの畜産物も全国的に人気です。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4470_20260205123354_69840fa2d640f" alt=""></p><figcaption>佐賀特産の野菜や果物、加工品が集められた「MARCHE」も設置され、賑わった。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4470_20260205123600_69841020bc1a4" alt=""></p><figcaption>「FOOD PARK」では東京の「Night Market」「Nirvana New York」、福井の「昆布屋孫兵衛」、福岡の「pain stock」などが出店。連日売り切れの人気を見せた。</figcaption></figure>
<h4><span></span></h4><p>そして何と言っても、佐賀の個性を決定づけているのが「器」です。400年以上続く有田焼、唐津焼、伊万里焼を筆頭に、高品質な陶磁器の産地がこれだけ集積している地は、世界的にも類例を見ません。<br />
食材と器という豊かな資源の価値を、食を人々に届けるラストワンマイルを担う料理人がいかに引き出し、創造性を高められるか？　 &ldquo;食材&times;器&times;料理人&rdquo;の掛け算に取り組んできたのが「サガマリアージュ」なのです。<br />
onestoryは同プロジェクトを絶えず追いかけてきました。<br />
料理人、生産者、窯元、蔵元らの交流や全体的なレベルアップを目指す研究会「サガマリアージュラボ」。<br />
県外のシェフやパティシエを招聘し、生産者を訪ねてビジネスマッチングを図る「サガマリアージュツアー」。<br />
美術館に飾るような器で佐賀の美食を楽しむプレミアムレストランイベント「USEUM SAGA」。<br />
ローカルに興味のある料理人が佐賀に一定期間滞在しながらクリエーションを高める環境を提供する「シェフレジデンスSAGA」。<br />
ひたむきに取り組むシェフや生産者ら多くのプレイヤー、そして生み出された料理を口にして笑顔を浮かべるゲストたちの姿を、取材を通して見つめてきました。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4470_20260205123537_69841009b5e58" alt=""></p><figcaption>山口祥義知事のスピーチにより「TALK SESSION」がスタート。食と器に焦点を当てた取り組みは今後も続けていきたいと話す。</figcaption></figure>
<h4><span></span></h4><p>今回の「SAGAガストロノミー会議」は、多角的な取り組みを続けてきた10年の節目として、プロジェクトに関わってきた方々が一堂に会し、「食」のネクストステージを共に探る場として開催されました。<br />
「SAGAガストロノミー会議」は、多彩なテーマでの「TALK SESSION」、気鋭のシェフやパティシエによる特別メニューが味わえる「FOOD PARK」、佐賀が誇る食材が集まる「MARCHE」の３本柱で構成されています。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4470_20260205123545_69841011676f0" alt=""></p><figcaption>佐賀の食文化を美食地質学の観点で解説する巽好幸氏。</figcaption></figure>
<h4><span></span></h4><p>目玉は「TALK SESSION」。その口火を切ったのは、「マグマ学」を専門とする地球科学者・巽好幸氏による「【地質学】美食地質学が紐解く、佐賀の食」です。同氏は、マグマやプレートなど地球のダイナミックな動きと地域の食文化との関係を解き明かす美食地質学の創始者。地形や地質が農業や産物、調味料、調理法へもたらした影響について科学的根拠を示し、なぜその食材がおいしいのか？　なぜその食材が地域で好まれているのか？　といった素朴な疑問に答えていきます。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4470_20260205123552_69841018cb7cf" alt=""></p><figcaption>おいしさの根拠も科学的に解き明かしていく。</figcaption></figure>
<h4><span></span></h4><p>話はなんと800万年前から始まり、オーディエンスは冒頭から度肝を抜かれました。そして現在に至るまで九州の大地は変動し続け、九州は地理的に南北に分断されようとしている事実が告げられました。その大地の大きな動きに端を発し、広範囲に流れていった溶岩流によって佐賀の複雑な地形がつくられました。<br />
呼子のイカがなぜおいしいのか、嬉野でなぜ上質なお茶が穫れるのか、なぜ磁器生産が高度に発達したのか、佐賀にまつわるさまざまな謎が巽氏によってマジックの種明かしのように解明されていきました。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4470_20260205123616_69841030f0b01" alt=""></p><figcaption>左から「m<span style="background-color:white">&ucirc;rir</span>」の渡辺光実シェフ、「馳走 西健一」の西健一シェフ、「ひまわり食堂２」の田中穂積シェフ。</figcaption></figure>
<h4><span></span></h4><p>「【ローカルガストロノミー】食の未来を拓く、ローカルの力」もまた注目を集めました。登壇したのは、「ローカルガストロノミー」を実践する、今最も脂の乗ったシェフたち。富山県富山市のイタリアンレストラン「ひまわり食堂２」の田中穂積シェフ。静岡県焼津市のフレンチレストラン「馳走 西健一」の西健一シェフ。そして、新潟県糸魚川市のフレンチレストラン「m<span style="background-color:white">&ucirc;rir</span>」の渡辺光実シェフです。<br />
3人のシェフは、それぞれの店が立地する地域の自然環境や特徴的な食材について解説しました。「ひまわり食堂２」がある富山市は、3000m級の立山連峰から水深1000mへ急激に落ち込む富山湾が近距離にある特殊な地形。ブリや白エビをはじめとする富山湾の魚介、清冽な雪解け水が育む山の幸を、田中シェフは個性的なイタリアンに仕立てています。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4470_20260205123608_69841028c0b92" alt=""></p><figcaption>ローカルで店を構えた経緯や地域の魅力について解説された。</figcaption></figure>
<h4><span></span></h4><p>「馳走 西健一」は３つの漁港を擁する焼津の魚に西シェフが惚れ込み、広島から移住<br />
・開業させたレストラン。焼津は多様で上質な魚が豊富に揚がる地ですが、中でも名鮮魚店として知られる「サスエ前田魚店」の魚を扱えるチャンスが巡ったことで、西シェフは移住を即決したと話します。<br />
糸魚川の「m<span style="background-color:white">&ucirc;rir</span>」は最寄駅から車で30分ほどの農業振興地域にあります。四方を広大な田んぼに囲まれた一軒家レストランです。まわりの田んぼはレストランを運営する農園のもの。渡辺シェフは農園の一員として米作りに勤しむ農家でもあります。提供されるのはお米をテーマにしたフルコース。メインディッシュは、土鍋で炊いた白米と焼きおにぎりというから徹底しています。<br />
3人のシェフは店を開くに至った経緯、ローカルで店を構える実情、今後の目標などについて語り合いました。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4470_20260205123627_6984103b9d330" alt=""></p><figcaption>左からすし作家の岡田大介氏、「金沢鮮魚」の金澤亮氏、「袈裟丸水産」の袈裟丸彰蔵氏、フードジャーナリストの佐々木ひろこ氏。</figcaption></figure>
<h4><span></span></h4><p>「【海の資源】九州の海から考える。海と食のサステナブルな関係」には、4人の個性的なスピーカーが登壇しました。まず一人目が、東京・文京区ですし店「酢飯屋」を経営しながら、福岡を拠点にすし作家、海藻料理研究家として活動する岡田大介氏。そして、全国屈指の漁場と言われる長崎県五島列島で創業70年の鮮魚店「金沢鮮魚」を営む金澤亮氏。地元佐賀からは、唐津の漁師「袈裟丸水産」代表の袈裟丸彰蔵氏が参加しました。ファシリテーターを務めたのは、豊かな海と食文化を未来につなぐために東京・京都のトップシェフ約40名で構成される団体「Chefs for the Blue」代表で、フードジャーナリストの佐々木ひろこ氏です。<br />
岡田氏は、すしは海の生き物について興味を持ってもらい、サステナブルな海洋資源利用の課題を知ってもらう格好のツールとして捉えます。子どもたちを対象にしたワークショプや講演活動をはじめ、すしと魚、調理法などをわかりやすく解説した絵本制作など多彩な活動を続けています。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4470_20260205123412_69840fb49d7d3" alt=""></p><figcaption>岡田氏は全国各地でのすし文化のリサーチ、ワークショップなどでの実体験を披露する。</figcaption></figure>
<h4><span></span></h4><p>金澤氏は鮮魚店の立場で海の保全活動に力を入れています。彼が危惧するのは、魚の住処である海藻がなくなってしまう磯焼け。その原因となるウニやアイゴなどの食害魚は、市場で値がつかないため漁師は好んで獲りません。金澤氏はそのような食害魚や行き場のない未利用魚を買取り、魚醤の原材料にすることで有効利用しています。出来上がる魚醤は臭みもなく、芳醇な旨みが特徴。海の環境改善、漁師の収入増、消費者への高品質な食品の提供という好循環を生み出しています。<br />
やはり磯焼け問題に取り組んでいるのが袈裟丸氏です。海士として海に潜ってアワビやアカウニを獲る漁師である彼は、20年以上前から海に海藻を増やすために藻場の再生に取り組んできました。ガンガゼやムラサキウニなどの食害生物を見つけては駆除し、藻場の造成に時間を費やす地道な作業です。漁の時間を減らして、駆除作業を続けること10年でようやく藻場の復活の兆しが見え、増加に転じたと言います。現在は、全国でも極めて珍しい藻場再生の成功例として、そのノウハウが各地の海で継承されようとしています。<br />
３氏はそれぞれの取り組みをさらに深め、広げるとともに、情報発信の重要性について意見が一致しました。いいことも悪いことも正しく発信し、より多くの賛同者を得ること。プロジェクト成功のカギはそこにあると確認し合いました。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4470_20260205123418_69840fbab1543" alt=""></p><figcaption>左から「ESqUISSE」の山本結以氏、「Patissi&egrave;re MAYO」の池田真代氏、「Otowa restarant」の音羽香菜氏。</figcaption></figure>
<h4><span></span>自然環境、働き方、食文化、工芸&hellip;&hellip;多角的に食を見つめる</h4><p>「【ダイバーシティ】料理の世界を現場から変える、わたしたちの挑戦」では、いずれも高い評価を受けるレストランから、３名の女性が登壇しました。東京・六本木の完全予約制のカウンターデザート店「Patissi&egrave;re MAYO」のオーナーパティシエール・池田真代氏。東京・銀座の２ツ星フランス料理店「ESqUISSE」の総料理長・山本結以氏。栃木県宇都宮市のフラン料理店「Otowa restarant」でサービスを担当する音羽香菜氏の３名です。<br />
池田氏は菓子工場や結婚式場、レストランで研鑽を積み、予約3年待ちにもなったレストランの立ち上げに参画。2021年に現在の店を開業しました。2025年には初出産を経験。臨月まで店に立ち、産後1ヶ月で職場復帰し、この日も料理人であるご主人に育児を任せて出張での仕事に専念していました。<br />
山本氏はフランスや東京のレストランで修行後、2021年から国内屈指のグランメゾンである「ESqUISSE」に勤務。35歳以下の料理人コンペティションにてグランプリと女性最上位の特別賞をダブル受賞。2024年に同店の総料理長に就任しました。<br />
音羽氏は海外のレストラン勤務を経て、父であり日本を代表するフランス料理人・音羽和紀の店「Otowa restarant」の一員に。3人の子育てをしながら、2人の兄やそのパートナーたちとレストランを切り盛りしています。また、関連会社の代表、世界の一流宿泊施設とレストランの加盟団体「ルレ エ シャトー」の国際執行委員も務めています。<br />
それぞれに異なるバックグランドを持つ3人は、自身の仕事観やキャリアパスを披露し、飲食業界の第一線における女性活躍のヒントを探るセッションになりました。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4470_20260205123509_69840fed96f2b" alt=""></p><figcaption>器と料理をテーマした最終セッションでは、７名が登壇し白熱した議論が展開された。</figcaption></figure>
<h4><span></span></h4><p>最後を飾るトークセッションでは、佐賀ならではのテーマ「【器と料理】器と料理の創造性に溢れた共創のかたち」が掲げられました。スピーカーは、器の作り手として、唐津焼の窯元「隆太窯」の中里健太氏と、伊万里焼の窯元「畑萬陶苑」の畑石修嗣氏。料理人として、福岡のフレンチレストラン「Goh」「Goh Gan」のシェフ・福山剛氏と、長崎のイタリアンレストラン「villa del nido」のシェフ・吉田貴文氏。情報発信者の立場から九州にフォーカスしたでメディア「クオリティーズ」編集長の日野昌暢氏、日本全国の美食を取り上げる「食楽web」プロデューサーの大西健俊氏が参加。「サガマリアージュ」を立ち上げた佐賀県政策部の安冨喬博氏がファシリテーターを務めました。<br />
窯元の畑石氏と中里氏は、個人の作家活動として、料理人からの特注品の依頼を積極的に受けていると話します。発注内容の具体性は料理人によって千差万別。畑石氏がフランス料理店「HAJIME」の米田肇シェフから受けたデザート皿の依頼は、サイズやフォルム、色の指定まで厳密で、その忠実な再現に苦労したと言います。一方、福山氏からの依頼はかなり抽象的かつ自由度の高いものでした。<br />
「安冨さんと一緒に畑萬陶苑を訪ねた10年ほど前は、ようやくお皿に使えるお金ができてきた時期。あまり知識もなく、売れ残っているお皿を安く譲っていただけたらラッキーくらいの感覚でいました（笑）。ところが、作陶の現場を拝見し、お話をうかがったら、これはぜひ注文したいと考えが変わりまして。要望はシンプルで、サイズ感と&ldquo;モダンクラシック&rdquo;というテーマだけお伝えしました。通常の鍋島様式のルールをあえて逸脱した想像を超えた作品に仕上げていただき、大満足でした」（福山氏）<br />
「料理人の方からの依頼は我々の仕事の幅、そしてクリエーションの幅を広げてくれます。磨いた技術とアイデアはその後の武器になりますし、有名シェフからの依頼であり具体的な使用シーンが見える仕事は、現場スタッフの士気も上げてくれます。これからもどんどん挑戦していきたいです」（畑石氏）<br />
「福山さんが関わるレストランイベントでは、コースすべての器を一から作らせていただきました。こういったオファーは得てして納期が短いことが多く作業負荷も高いのですが、畑石さんがおっしゃる通りやりがいが非常に大きいので、積極的に関わらせていただいています」（中里氏）</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4470_20260205123441_69840fd1720c5" alt=""></p><figcaption>右から「畑萬陶苑」の畑石修嗣氏、「隆太窯」の中里健太氏、「villa del nido」の吉田貴文氏、「Goh」の福山剛氏。</figcaption></figure>
<h4><span></span></h4><p>いわゆるファインダイニングでは、渾身の料理をオリジナルの器に盛り付けて一皿を表現したいシェフが多い中、吉田氏の器に対するアプローチは一風変わっています。<br />
「以前は窯を訪ねる時には欲しい皿をイメージして行ったものですが、作家さんの話を聞いて感銘を受けたものや、おすすめされるものを購入するようになっていきました。食材に対するアプローチと同じなんですが、食材ありき、器ありきで、それをどう使うか？　という受け身のスタンスが自分には向いていると気づいたからです。自分の理想の器に盛ることは高次元の表現です。しかし私の場合は、お皿をどう使えば食材を活かせるか、より良い料理にできるかと追求する方が、新たなクリエーションを盛り込むことができ、より良い一皿にできます。なかでも畑石さんと中里さんはクリエーションを刺激してくれる大好きな作家さんです」（吉田氏）<br />
「先日、6人のシェフが同じ器を使って料理をするイベントを行いました。盛り付けは本当に各社各様で興味深かったです。&ldquo;おいしさ&rdquo;の要素に味が占める割合は20％程度じゃないかと思っています。ほか80%は空間の雰囲気や器、香りなど。特に器は非常に重要なファクターですね」（福山氏）</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4470_20260205123517_69840ff5001a8" alt=""></p><figcaption>左から「クオリティーズ」の日野昌暢氏、佐賀県政策部の安冨喬博氏、「食楽web」の大西健俊氏。</figcaption></figure>
<h4><span></span></h4><p>話題は、「県外から見た佐賀の魅力とは？」　に移りました。<br />
「地域の魅力とは、日本中に、世界中に、その土地その土地ならではものがあり、深く知ればどこもすばらしいポテンシャルを持っているものだと思っています。そんな中でも佐賀は、隣の県に住む者からすると、食材のレベルが総じて一段階高いように感じています。加えて、ハイレベルな器があります。食材と器がどちらもあるのは、料理人にとって非常に魅力的に感じます」（吉田氏）<br />
「福岡からすぐに来ることができて、すばらしい生産者が多いので、勉強のために、またプライベートの楽しみとして頻繁に足を運んでいます。訪れるようになって気づいたのは、佐賀県内でも地域地域で特色が異なること。多様性があることが魅力ですね」（福山氏）<br />
「私は福岡出身で現在は東京で暮らしていますが、福岡出張となると誰もが喜ぶんです。おいしいものがあるからと。なぜ福岡のごはんがおいしいかというと、九州各地のいい食材が集まってきていて、大都市であることから料理の洗練度も高いから。ただ私は、福岡で喜んでいる人に言うんです。九州にはその先があるんだぞ、と。九州各地に目を向け、より産地に近いところで、またその土地の料理人による調理で味わうと、もっとすごい体験ができると。食材のクオリティ、そして器。佐賀のポテンシャルは実はすさまじく、今注目するディスティネーションレストランのコンセプトをまさに体現する県だと思っています」（日野氏）</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4470_20260205123530_698410020b1d1" alt=""></p><figcaption>器作家と料理人が交流する価値について話す畑石氏。</figcaption></figure>
<h4><span></span></h4><p>onestoryと佐賀との関わりは10年前、唐津で開催された『DINING OUT ARITA』に遡ります。そして佐賀県としても『DINING OUT ARITA』を皮切りに、「アジアのベストレストラン50」、「USEUM SAGA」、そして「サガマリアージュ」のプロジェクト立ち上げと、&ldquo;食材&times;器&times;料理人&rdquo;をテーマに<span style="background-color:white">地域の魅力を見つめ直す10年の歳月が始まったのではないでしょうか？　振り返ると小さな一歩だったものが、今これほど深くさまざまな分野のプロが佐賀の食の魅力を議論する。10年の歳月とは、地域もを動かしていく、そんな時間だったのかもしれません。</span><br />
<span style="background-color:white">名護屋城跡を会場に、パリで活躍する渥美創太シェフを招聘し、２日間だけのプレミアムな野外レストランが開かれました。器はこの日のために佐賀県各地の窯元が作り上げたオリジナル品。畑石、中里両氏もそれぞれ皿を提供しました。当時を安冨氏が振り返ります。</span><br />
<span style="background-color:white">「この日の料理のためにだけに各作家に器を作ってもらうのは、非常にチャレンジングな試みでした。結果、大変な好評を得て、これを契機に日本各地の料理人の方に佐賀の器に注目していただけるようになりました。そのような料理人と窯元、生産者をつなげる活動を地道に続けてきたことで、膨大なネットワークが構築され、かけがえのない財産となっています」（安冨氏）</span><br />
<span style="background-color:white">「私たち作家にとっても器を使う最前線にいる料理人の方と接点ができ、また多くの他業種から刺激を受ける貴重な機会をいただいています。今後もそのような交流を深めて、よりよい作品を生み出していきたいです」（畑石氏）</span><br />
「完成された一皿。料理は食べてしまえば消えますが、お皿はそこに残り、その後、何年、何十年と使われます。儚さと存在し続ける確かなものが一体となること。それが料理と器の共創なんじゃないかと感じています」（福山氏）<br />
佐賀の地で&ldquo;食材&times;器&times;料理人&rdquo;をテーマにしたチャレンジを続け、世界に発信し続けて10年。そこには類まれな食材があり、魅惑の器があると、興味を持ち実際に足を運ぶ料理人は着実に増えています。ローカルに潜む価値を掘り起こし、自分なりの表現に昇華させることの重要性に気づき始めた表れといえるかもしれません。<br />
各界の実力者、チャレンジャーが集った会場では、熱い議論が展開され、「SAGAガストロノミー会議」の充実した２日間は終了となりました。そこに参加した人の中には、「食」の未来が描かれたことでしょう、明るく幸福なものとして、力強く。</p>

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<title>天を彩る誓い。三和酒類の決意。</title>
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<pubDate>Wed, 10 Dec 2025 20:00:00 +0900</pubDate>
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<p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4468_20251121132058_691fe8aa016af.thumb" alt=""></p>
<p>「いいちこ」、はたまた「iichiko」と聞き、お酒を嗜んでいる人であれば、知らない人はいないでしょう。それほどまでに社会に認知されていることは、偉業と呼ぶにふさわしい。

加えて、昭和54年(1979年)の誕生以来、実にユニークな広告も話題に欠かせない。ブランドと直結しないビジュアルとコピーは、まるで世間へのテーゼのよう。当時、時代を先ゆく、いや、先ゆき過ぎたそれは、今見ても心に響くものがありま...</p>
<p><a href="https://www.onestory-media.jp/post/?id=4468" target="_blank"><b>続きを読む</b></a></p>
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<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4468_20251121132058_691fe8aa016af" alt=""></p><figcaption>「宇佐神宮」の「上宮」にて行われた、「iichiko彩天」カクテル御奉納の儀。御鎮座1300年を迎える節目に、「三和酒類」もまた、節目を迎える。</figcaption></figure>
<h4><span>三和酒類</span>「宇佐神宮」御鎮座1300年に迎えた、「三和酒類」の節目。</h4><p>「いいちこ」、はたまた「iichiko」と聞き、お酒を嗜んでいる人であれば、知らない人はいないでしょう。それほどまでに社会に認知されていることは、偉業と呼ぶにふさわしい。<br />
<br />
加えて、昭和54年(1979年)の誕生以来、実にユニークな広告も話題に欠かせない。ブランドと直結しないビジュアルとコピーは、まるで世間へのテーゼのよう。当時、時代を先ゆく、いや、先ゆき過ぎたそれは、今見ても心に響くものがあります。<br />
<br />
そんな画期を創出した主は、「三和酒類」。そして令和7年(2025年)、新たな戦いに挑む。日本伝統の麹のうまみを最大限に表現した本格麦焼酎「iichiko彩天」を誕生させ、世界を目指します。<br />
<br />
その祈願のために訪れたのは、御鎮座1300年を迎える「宇佐神宮」。共に節目を迎える両者は、過去にない御奉納へと結実してゆきます。<br />
<br />
今回、その御奉納を祝し、「三和酒類」の面々と限られた人のみ参列。後者は証人となるべく、企業理念や哲学を学ぶだけでなく、精神を清めるため、事前プログラムを経て当日に臨みます。<br />
<br />
「いいちこ日田蒸留所」、「辛島 虚空乃蔵」を巡り、酒造りや利き酒、地産地消の料理とのマリアージュなどを体験し、酒造りだけでなく、風土や食文化の知見も深めます。<br />
<br />
今回、注視した行程は、「宇佐神宮」に向かう前、「両子寺」からの時間。御奉納祭に向け、五感を研ぎ澄まします。<br />
&nbsp;</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4468_20251121132107_691fe8b3689b2" alt=""></p><figcaption>今回のプログラムは、2日。まず1日目、最初に向かった先は、「いいちこ日田蒸留所」。ここで酒造りのこだわりや製造工程などを学ぶ。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4468_20251121132108_691fe8b41b02b" alt=""></p><figcaption>上記、酒造りを学んだ後、「いいちこ」の全麹常圧蒸留原酒、全麹減圧蒸留原酒、長期熟成貯蔵酒の利き酒やブレンドを体験。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4468_20251121132108_691fe8b4b243f" alt=""></p><figcaption>「辛島 虚空乃蔵」は、識る、感じる、愉しむといった3つの体験を通して酒造りの文化や発酵の魅力を満喫できる施設。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4468_20251121132109_691fe8b55e440" alt=""></p><figcaption>レクチャーを受けながら、「和香牡丹 輪秦ff 第1楽章」、「和香牡丹 輪秦f 第3楽章」、「和香牡丹 輪秦f 第4楽章」と味噌麹焼き3品、柚子胡椒をマリアージュ。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4468_20251121132128_691fe8c8b42a0" alt=""></p><figcaption>「辛島 虚空乃蔵」の敷地内には、日本酒とクラフトビールの醸造場も併設。多種多様なお酒だけでなく、厳選された地元の名品も揃う。</figcaption></figure>
<h4><span>三和酒類</span>身息心（しんそくしん）を整え、仏の世界から神の世界へ。</h4><p>「両子寺」での体験の主は、座禅。では、座禅の目指すものは何か。それは、意識を集中させることです。<br />
<br />
現代社会においては、マルチタスクのような身のこなしが美徳とされてしまいますが、果たしてそれが正しいのか。座禅はその真逆。ひとつのことに集中し、今ここに决する。その手法が呼吸です。<br />
<br />
<span style="background-color:white">かのスティーブ・ジョブス氏もまた、禅の思想に触れ、その哲学を自身の生活と仕事に取り入れ、ビジョンと革新的なアイデアを追求し続けたひとり。</span><br />
<br />
散漫となる意識を呼吸に集中し、身息心(しんそくしん)を整える。ゆっくりと口から息を吐き、ゆっくりと鼻から息を吸う。しかし、その反復は、簡単ではない。字のごとく、自の心が研ぎ澄まされてゆく。<br />
<br />
実は、「両子寺」は「宇佐神宮」との関係が深く、寺の名はそれに由来しています。「宇佐八幡」には、5人の子がおり、その中の2番目と3番目は、大葉枝、小葉枝という男女の双子の神様。その双子は、「宇佐八幡」からこの地に下りたと伝えられ、山は「両子山」と呼ばれるようになり、その山にある寺ゆえ、「両子寺」に。<br />
<br />
江戸時代には、「六郷満山」を統括する寺となり、「宇佐神宮」の庇護を受けながら、国東半島では「両子寺」を中心に神仏習合の信仰と寺院文化が発展。「六郷満山仏教文化」として根付いていったのです。<br />
<br />
心身を整え、歴史を学び、一同は、仏の世界から神の世界へ。「宇佐神宮」に向かいます。<br />
&nbsp;</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4468_20251121132129_691fe8c94c222" alt=""></p><figcaption>2日目に向かった先は、「両子寺」。「無明橋」を渡ってすぐ、国東半島最大の石造仁王像が出迎える。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4468_20251121132129_691fe8c9dd599" alt=""></p><figcaption>1300年前から続く山岳修行を今に伝える法嗣の寺田豪淳師より、歴史や文化などの教えを請い、境内にて座禅を行う。手の仕草は、頭を天へ突き上げるような姿勢を保つと指導。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4468_20251121132130_691fe8ca5ff61" alt=""></p><figcaption>参列者に振る舞われた食事は、大分県宇佐市出身の「生活工房とうがらし」代表であり、「かみや塾」主宰の神谷よしえさんのおにぎり。「ごはんはエール」をモットーに、にぎりびととしても活動。</figcaption></figure>
<h4><span>三和酒類</span>鈴の音のごとく、清く鳴り響くシェイカー音。カクテル御奉納の儀。</h4><p>全国には4万社以上あると言われている「八幡社」。その総本宮でもある「宇佐神宮」の始まりは、奈良時代まで遡ります。現在の場所に社殿を建立し、八幡大神を祀った神亀2年(725年)から数え、令和7年(2025年)、御鎮座1300年を迎えます。そんな「宇佐神宮」は、「三和酒類」にとって特別な存在でもあります。なぜなら、昭和53年(1978年)、創業20周年を迎える節目に本格麦焼酎「いいちこ」の命名披露を行った地だったのです。<br />
<br />
「上宮」へ。清く凛と静寂な空気の中、「iichiko彩天」の祈願奉納祭が始まります。太鼓の音が鳴り響き、起立。「宇佐神宮」の古儀、二拝四拍手一拝。着座の時間においても、程よい緊張感が身体中を巡る。刹那、先ほど体験した座禅のような感覚が蘇る。ゆっくりと口から息を吐き、ゆっくりと鼻から息を吸う。体内から心音が響き、血液の循環すら感じる。身息心を整え、その時を待つ。<br />
<br />
今回、特異な点は、カクテル御奉納という儀であること。シェイカーを振るのは、一般社団法人日本バーテンダー協会 会長であり、「BAR HIGH FIVE」の上野秀嗣氏。その音は、まるで鈴の音のごとく、場を清め、邪気を払うようです。<br />
<br />
宮司の小野崇之氏もまた、「バーテンダーの方がシェイカーを振る音が、これほどまでに神々しいものか」という言葉を残しています。<br />
<br />
そして、「本年は初物尽くし、100年に一度のことばかりでした。カクテルを御奉納いただくことは、宇佐神宮始まって以来。iichiko彩天が世界に向けて発信され、皆様方に親しまれるお酒になりますよう、衷心より祈念を致しております」と続け、滞りなく御神事を終えました。<br />
&nbsp;</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4468_20251121132130_691fe8cacda90" alt=""></p><figcaption>「三和酒類」を始め、限られた関係者やメディアのみ、祈願奉納祭の参列が許された「iichiko彩天」カクテル御奉納の儀。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4468_20251121132131_691fe8cb4af7d" alt=""></p><figcaption>「宇佐神宮」の神々しい世界に「iichiko彩天」が同居した瞬間、参列者は大きな感動を覚えたに違いない。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4468_20251121132131_691fe8cbbc7b7" alt=""></p><figcaption>今回、御奉納されたカクテルは3種。左より、一般社団法人日本バーテンダー協会 九州本部 本部長であり、「Twins BAR」の山下和弘氏、一般社団法人日本バーテンダー協会 会長であり、「BAR HIGH FIVE」の上野秀嗣氏、一般社団法人日本バーテンダー協会 関西本部 本部長であり、「Bar, K」の松葉道彦氏。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4468_20251121132132_691fe8cc32195" alt=""></p><figcaption>上記3名を代表し、シェイカーを振るのは、上野氏。静まり返る凛とした空気の中、シェイカーの音が清く鳴り響く。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4468_20251121132132_691fe8cca3ff8" alt=""></p><figcaption>御奉納されたカクテル3種。iichiko彩天、コアントロー、フレッシュレモンジュースを合わせた「白麹麗人（ホワイト麹レディ）」」、iichiko彩天、宇佐神宮ワイン、グレナデンシロップを合わせた「神麹」、iichiko彩天、ブルーキュラソー、フレッシュレモンジュース、ブラックサンブーカを合わせた「天空の麹」。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4468_20251121132133_691fe8cd1a267" alt=""></p><figcaption>「宇佐神宮」御鎮座1300年の想いと共に、今回行われたカクテル御奉納の儀がいかに特別なものだったかを語る、宮司の小野崇之氏。「カクテルを御奉納することは、宇佐神宮始まって以来のこと。歴史に残る機会となりました」と話す。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4468_20251121132133_691fe8cd88309" alt=""></p><figcaption>御奉納の儀の後には、総務大臣表彰など、数々の賞を受賞する「DRUM TAO」の演目を「能楽殿」にて鑑賞。和太鼓を中心とした日本文化漂うパフォーマンスは、世界でも高く評価され、その活動スタイルには、iichiko彩天とも親和性を感じる。背景に描かれた佐藤高越画伯の「松樹の図」も圧巻。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4468_20251121132133_691fe8cdf2e81" alt=""></p><figcaption>最後は、御奉納された「白麹麗人（ホワイト麹レディ）」、「神麹」、「天空の麹」を参列者一同で杯を交わし、それに合わせた料理も用意。宇佐イノシシ、宇佐味一ねぎ、大分米仕上牛、国東のワタリガニなど、地元食材を使用した品々が会場を彩る。手がけたのは、大分県竹田市出身の「トモ・クローバー」の大久保智尚氏。</figcaption></figure>
<h4><span>三和酒類</span>運命の連鎖。カクテル御奉納の意義。</h4><p>今回、ひとつの疑問が生まれました。なぜ、「iichiko彩天」の御奉納だけではなく、カクテルの御奉納だったのか。これには、世界をキーワードにした「iichiko彩天」ならでは理由が潜んでいました。<br />
<br />
実は、「三和酒類」が世界を目指し始めたのは、平成25年(2013年)。今回が初めてではありませんでした。しかし、良い結果を得ることができず、徹底的に市場調査。まず、米国を中心に浮き彫りになったことは、食文化の違いでした。<br />
<br />
例えば日本の場合、飲食店において、食事と焼酎などの蒸留酒を楽しむことは一般的ですが、米国の場合、食事と合わせることはほぼなく、大きくスピリッツという市場展開はバー。加えて、日本の國酒でもある本格焼酎の認知度も低い。レストラン市場からバー市場へシフトする必要がある仮説を立てたのです。<br />
<br />
そこから、バーテンダーや関係者にヒアリングを重ねます。「<span style="background-color:white">パシフィック・カクテル・ヘブン」の</span>ケビン・ディードリッチ氏やバーコンサルタントのジャクウォス・ベズイデンハウト氏などは、そのメンバーの一員。バー業界のトップランナーたちと協議し、「iichiko彩天」の骨格を形成していきました。<br />
<br />
そこで、まずひとつ、大きな舵を切ります。アルコール度数です。一般的な焼酎の場合、度数は、20度〜25度が主流ですが、カクテルとして使用するのであれば、他の素材に負けてしまう。つまり、ウォッカ、ジン、テキーラ、ラムといった世界の蒸留酒と肩を並べる必要があったのです。「iichiko彩天」の度数は、43度。これは戦うための決断ではなく、勝つための決断ではないでしょうか。<br />
<br />
しかし、ただ度数を上げれば良いわけではありません。日本の酒税法上、45度を超えると焼酎でなくなってしまいます。あえて、この度数に設定したのは、冒頭における、「日本伝統の麹のうまみを最大限に表現した本格焼酎」に対する、並並ならぬ想いも感じられます。あくまでも、焼酎として世界と勝負することに、「三和酒類」の意義があるのです。<br />
<br />
「iichiko彩天」は米国市場での発売以降、ニューヨークやサンフランシスコ、ロサンゼルスなどで活躍するバーテンダーから支持されるだけなく、BARのアカデミー賞と称される「Tales of the cocktail（2020年）」では、アジアの伝統的蒸留酒として初となるトップ10入りを果たします。そして、世界三大スピリッツコンペティション、英国「インターナショナル・ワイン＆スピリッツ・コンペティション(IWSC)（2022年）」ではトロフィー受賞、「インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ（2025年）」ではダブルゴールド受賞。そして、世界最大の蒸留酒品評会、米国の「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション(SFWSC)（2025年）」では、3年連続で最高金賞を獲得した銘柄のみ贈られるプラチナ賞も受賞。ようやく世界への扉を開いたのです。同時に、多くの専門家たちからも絶賛の声も寄せられました。<br />
<br />
「アルコール自体が造り手の意図を反映している ※一部抜粋」ジョージ・ハリソン氏(ライター・IWSCスピリッツ審査会委員)<br />
<br />
「iichiko彩天はアメリカ人にも好まれる。常にトップ3に入る人気メニュー ※一部抜粋」キャメロン・ウィンケルマン氏(Manhatta ヘッドバーテンダー)<br />
<br />
「麹由来の旨味やアロマなどが生む複雑なレイヤーの豊かさは、カクテル作りに新たな風を起こすだろう ※一部抜粋」アダム・バーシック氏(シャングリ・ラ ホテル シンガポールOrigin Barバーテンダー)<br />
<br />
日本展開より一足早く、世界に羽ばたいた「iichiko彩天」は、いわば、カクテル用焼酎スピリッツ。カクテル御奉納に結実した背景には、このような物語があったのです。そして、今回を皮切りに、さらなる高みを目指します。<br />
<br />
「世界四大スピリッツと並ぶ焼酎の場を作りたい。そして、iichiko 彩天と共に、大分県宇佐市の文化を含め、世界に広めていきたい。それを、今日、この場からスタートさせることを誓います」と、御奉納を終えた「三和酒類」代表取締役社長の西 和紀氏は話します。<br />
<br />
「宇佐神宮」にて行われた「いいちこ」の命名披露から約47年後、「宇佐神宮」御鎮座1300年の節目に行われた「iichiko彩天」カクテル御奉納の儀。まるで導かれるように重なり合った運命の連鎖。<br />
<br />
天＝世界に新たな彩りを加える本格焼酎。「iichiko彩天」の名にはそんな想いが込められています。<br />
狼煙は上がった。本格的に天を彩るのはこれからだ。<br />
&nbsp;</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4468_20251121132134_691fe8ce6c782" alt=""></p><figcaption>美しいボトルデザインは、和服姿の日本女性をイメージ。世界のスピリッツとバックバー並んだ景色においても、日本の美が際立つ。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4468_20251121132134_691fe8ced4f11" alt=""></p><figcaption>「iichiko彩天を通して、焼酎の文化に、これまでの割る(&divide;)文化だけでなく、掛ける(&times;)文化という新たな価値の創造に挑戦していきます」と「三和酒類」代表取締役社長の西 和紀氏。</figcaption></figure>
<div class="movie"><iframe width="100%" src="https://www.youtube.com/embed/lIs4beJJetw?si=vr9_TFR7y3hwmfpi" frameborder="0" allow="autoplay; encrypted-media" webkitallowfullscreen mozallowfullscreen allowfullscreen></iframe></div>
<p>Text：YUICHI KURAMOCHI</p>

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<title>過去を読み解くデザイン。</title>
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<pubDate>Wed, 22 Oct 2025 15:09:00 +0900</pubDate>
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<p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4465_20251022151704_68f876e0965e1.thumb" alt=""></p>
<p>「30年ほど前、旅先で休憩を取ろうと車を停めた場所に、役目を終えた大量の番線があり、少しそれを眺めていました。よく見ると、中には面白い形に曲がっているものもあり、なぜかとても美しく見えました」。

「Re Gallery SCEARN」における第一回目の展示は、「ギュメレイアウトスタジオ」主宰のデザイナー・猿山修氏による作品。数多く作風がある中、今回は、自在鉤（じざいかぎ）に特化した稀有なキュレー...</p>
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<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4465_20251022151704_68f876e0965e1" alt=""></p><figcaption>デザイナー・猿山修氏の代表作ともいえる「自在鉤」。今回は、合計6種の自在鉤を中心に展示を行う。</figcaption></figure>
<h4><span>Re Gallery SCEARN</span>人の命よりも、はるかに長く生き続けるものであるために。</h4><p>「30年ほど前、旅先で休憩を取ろうと車を停めた場所に、役目を終えた大量の番線があり、少しそれを眺めていました。よく見ると、中には面白い形に曲がっているものもあり、なぜかとても美しく見えました」。<br />
<br />
「Re Gallery SCEARN」における第一回目の展示は、「ギュメレイアウトスタジオ」主宰のデザイナー・猿山修氏による作品。数多く作風がある中、今回は、自在鉤（じざいかぎ）に特化した稀有なキュレーションを行います。そして、その「自在鉤の原点とは何か」という問いに対する答えが冒頭になります。<br />
<br />
番線とは、なまし鉄線などとも呼ばれ、主に工事現場の足場材の結束などに使用される鉄線のことを指します。当時の猿山氏は、舞台美術に関わる一方、古物を扱っており、その修復の際には経年変化したものの方が相性も良く、例えば、タンスの取っ手やフックなどを作る材料に活かしました。そして、その番線を使って自在鉤を作ったのが始まりです。<br />
<br />
「自在鉤は、昔からある道具で、様々なものを吊り下げるために使用されていました。その多くは囲炉裏に鍋ややかん、鉄瓶などを吊るし、上下させることで火加減を調整することを目的としたものでした。天井高のある古民家で吊るすため、長いものは3m近くあるものもあり、素材は、竹や木、縄を編んだものなど、耐久性に優れたものが多くありました。中には、オイルランプ用に作られたものがあり、囲炉裏で使うものに比べ細く繊細。暮らしに浸透していた時期が短いせいか、数が少なく、今では骨董屋でもすっかり見なくなりましたが、その佇まいに惹かれました」。<br />
<br />
舞台美術を手がける傍、プロダクトデザインの仕事に携わるようになり、のちにそれが逆転。<br />
<br />
今回、展示される自在鉤は、その原型を再解釈し、吊るすものも様々に展開。当時のような灯火はもちろん、香炉や花入れなど、暮らしに必要な道具という視点から、暮らしを豊かにする視点もあわせ持つ。しかし、そこに猿山氏の個性の押し売りはなく、あくまでも匿名性の高いデザインに徹するということは、特筆すべき点でもあります。<br />
<br />
「最初から、参考にすべきは同時代のものではないと感じることが多くありました」。最初とは、「ギュメレイアウトスタジオ」設立時のこと。当時は、古陶磁などを扱う「さる山」も運営しており、一貫した思想が伺えます。そして、今日に至るまで、それを守りながらデザインに携わっているのです。<br />
<br />
「私は、はるか昔から大事に残されてきたものに惹かれます。例えば、100年前のものであれば、多くの人の手から手へ受け継がれてきたことは容易に想像できます。その事実は偶然ではなく、必ず理由があるはずです。品質、使い勝手、デザイン&hellip;&hellip;。それを読み解き、作品に活かす。そういった表現を心がけています」。<br />
<br />
例えば、当時はどんな暮らしをしていたのか。これはどうしてこんな形をしているのか。工学者であり大学教授でもあったヘンリー・ペトロスキー作の「どうしてフォークは4本なのか？」は、その好例。形だけ模しても意味はなく、理由を理解するからこそ、ものは奥行きを増す。「あまりに不十分な説明が多い世の中、本当の理由が消えてはいけない」と猿山氏は言葉を続けます。<br />
<br />
「自在鉤は、全て国内で生産され、栃木、愛知、大阪、山口など、吊るすものによって適材適所で制作しています。職人たちもまた、骨董や古物にまつわる文化、歴史などに造詣が深く、形あるものに宿る理由を見出すことを信念としています。<br />
<br />
古道具を見たり、触ったり、使ったりしてわかるのは、欠けてしまったけれど、直されて残され続けているものの使い勝手が一番良いということ。だから、壊れても捨てられずに大事にされていたのかもしれません。私にとって、そういったものとの対峙は、もの作りやデザインにおける本質を享受する、学びの時間でもあるのです」。<br />
<br />
言葉こそ発せずとも、そのものは、猿山氏に雄弁に語りかけてくるのかもしれません。<br />
<br />
直して残す。つまり、選ばれ続けなければいけない。しかし、これは猿山氏のような作り手だけの問題ではありません。使い手の道徳も必須。今、存在する価値あるものは、今、そして次に所持する人次第で、後世に残し続けることもできれば、この世から姿を消してしまう可能性も孕んでいるのです。<br />
<br />
「ものの命は人の命よりも長く、生み出される時の環境負荷も大きい。だから、容易にものを生み出すべきではないと考えています」。<br />
<br />
古きものを愛する、猿山氏らしい言葉です。<br />
<br />
猿山氏の屋号でもある「ギュメレイアウトスタジオ」の「ギュメ」とは、フランス語で二重鉤括弧の意味を持ちます。つまり、引用符。数百年、険しい時代を生き抜いてきたものたちが残り続けた理由を読み解き、そこから導き出した解を引用し、再解釈したデザインこそ、猿山氏の作品の核なのかもしれません。その耳馴染みのない屋号にもまた、理由は潜んでいたのです。<br />
<br />
美しいものが正しく生まれ、正しく残り、100年後、時空を超えて、生き続けることを願って。宙に浮く、美しい自在鉤を眺めながら、そんな浪漫に想いを馳せることもまた一興。<br />
<br />
「見届けることは叶いませんが、そんなもの作りをこれからも続けていきたい」。<br />
&nbsp;</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4465_20251022151700_68f876dc4f9bf" alt=""></p><figcaption>多彩な草花を活けることが楽しめる「自在鉤」。花入のデザインを引き立てるよう、先端のフックが小さいのが特徴。似ているようで繊細に異なるデザインもまた、猿山氏らしい。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4465_20251022151656_68f876d80d9cf" alt=""></p><figcaption>今回、唯一、自在鉤以外で展示する「茶香炉」。徐々に焙煎される芳醇な香りは、心身を整える。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4465_20251022151708_68f876e460b33" alt=""></p><figcaption>もの作りだけでなく、近年は書画も手がける「ギュメレイアウトスタジオ」主宰のデザイナー・猿山修氏。</figcaption></figure>
<p>Text：YUICHI KURAMOCHI<br />
&nbsp;</p>
<p>「Re Gallery SCEARN」<br />
TEL：03-6433-5201<br />
住所：東京都北青山3-13-7 2F<br />
営業時間：11:00〜19:00<br />
定休日：月曜（祝日の場合は営業）<br />
※1Fは、「SCEARN」ウェアを展開<br />
公式HP：<a href="https://scearn.com/">https://scearn.com/</a><br />
<br />
<br />
&nbsp;</p>
<p>［ギャラリーのご案内］<br />
展示内容：宙と香　猿山 修<br />
期間：2025年10月31日(金)より<br />
※10月31日(金)11:00〜14:00 猿山氏在廊予定<br />
<br />
&nbsp;</p>

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</content:encoded>
</item>
<item>
<title>日本の美を再解釈。
Re Gallery SCEARN</title>
<link>https://www.onestory-media.jp/post/?id=4464</link>
<guid isPermaLink="true">https://www.onestory-media.jp/post/?id=4464</guid>
<pubDate>Wed, 22 Oct 2025 14:48:00 +0900</pubDate>
<media:thumbnail url="https://www.onestory-media.jp/images_public/4464_20251022145339_68f8716317332.thumb" />
<description>
<![CDATA[
<p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4464_20251022145339_68f8716317332.thumb" alt=""></p>
<p>2025年10月31日(金)、東京・北青山に「Re Gallery SCEARN」が誕生します。

本ギャラリーは、デイリーラグジュアリーブランド「SCEARN」が手がける国内初の旗艦店「SCEARN AOYAMA」2階に併設されるギャラリースペースです。ともに、日本の伝統美をモダンに再解釈、世界から見た日本の魅力、日本が受け継いできた伝統や技術という3つのコンセプトを大切にしています。

ギャラ...</p>
<p><a href="https://www.onestory-media.jp/post/?id=4464" target="_blank"><b>続きを読む</b></a></p>
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</description>
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<![CDATA[
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4464_20251022231437_68f8e6cd4edc6" alt=""></p><figcaption></figcaption></figure>
<h4><span>Re Gallery SCEARN</span>日本の才能をキュレーション。</h4><p>2025年10月31日(金)、東京・北青山に「Re Gallery SCEARN」が誕生します。<br />
<br />
本ギャラリーは、デイリーラグジュアリーブランド「SCEARN」が手がける国内初の旗艦店「SCEARN AOYAMA」2階に併設されるギャラリースペースです。ともに、<span style="background-color:white">日本の伝統美をモダンに再解釈、世界から見た日本の魅力、日本が受け継いできた伝統や技術という3つのコンセプトを大切にしています。</span><br />
<br />
<span style="background-color:white">ギャラリーでは、衣・食・住をはじめ、多角的に発信するスペースとして、作品の展示や販売はもちろん、</span>体験型としてのコミュニケーションも重視。「SCEARN」のコンセプトの一つである「hear the scent(=聞香)」のエッセンスも取り入れ、各種イベントなども行う予定です。<br />
<br />
一歩足を踏み入れれば、天井の高さによる開放感と全てが漸次的に繋がる心地良さを感じるでしょう。日本庭園が持つ余白の美を体現した真っ白な空間に身を委ねれば、自然と五感が凛と研ぎ澄まされ、自身と向き合う心の対話さえ芽生えるかもしれません。例えるならば、禅の世界ともいうべきか。滞在時間の長さに比例し、心身が浄化されるような感覚は、都会の喧騒とは無縁の世界が形成されています。<br />
<br />
物質的な豊かさではなく、心に感動を与える本質的な豊かさこそ、古来より宿る日本特有の美学。日本の伝統、文化、技術を見直し、普遍の価値を創出してゆきます。</p>
<p>「Re Gallery SCEARN」<br />
TEL：03-6433-5201<br />
住所：東京都北青山3-13-7 2F<br />
営業時間：11:00〜19:00<br />
定休日：月曜（祝日の場合は営業）<br />
※1Fは、「SCEARN」ウェアを展開<br />
公式HP：<a href="https://scearn.com/">https://scearn.com/</a><br />
<br />
<br />
&nbsp;</p>
<p>［ギャラリーのご案内］<br />
展示内容：宙と香　猿山 修<br />
期間：2025年10月31日(金)より<br />
<br />
<span style="background-color:white">古き良き日本の美を再解釈し、独創的なプロダクトを造り上げるギュメレイアウトスタジオ主宰のデザイナー・猿山修氏の作品をキュレーション。今回は、数多くある作品の中でも、猿山氏の代表作ともいえる自在鉤に特化するという、大胆かつ稀有な内容になります。確かな職人技が成された自在鉤からは、心地良い緊張感が漂い、ただ吊るされているだけでも存在感を放ち、香炉、花入、キャンドルなど、吊るすものによって様々な表情を魅せてくれるでしょう。猿山氏の作品との対峙。それは、現代において、何か失ってしまった、大切な日本の美に気づきを与えてくれるに違いありません。</span><br />
※猿山氏のインタビュー(下記)も合わせてお楽しみください。<br />
<br />
<br />
&nbsp;</p>
<p>［イベントのご案内］<br />
<br />
香道直心流師範「藤乃香」の高野香聖氏が誘う、香りの世界を体験いただけるイベントを開催いたします。日本古来から受け継がれる「香りを聞く」という所作は、私たちの五感を開き、「今ここ」に心を集中させる感覚を研ぎ澄ませてくれるでしょう。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4464_20251024224949_68fb83fd14558" alt=""></p><figcaption></figcaption></figure>
<p>和菓子職人「いすゞ」主宰・井口いすゞ氏と愉しむ和菓子作りのイベントを開催いたします。「SCEARN」が表現する2025-26 Autumn／Winter Collectionのテーマ「包む」「捻る」「結ぶ」からインスピレーションを得て、伝統の意匠をアレンジしたオリジナルの和菓子を、月替わりで制作し、ご提供させていただきます。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4464_20251024224943_68fb83f772e59" alt=""></p><figcaption></figcaption></figure>
<p><br />
※体験内容は、予告なく変更になる場合がございます。予めご了承ください。<br />
詳しくは、店舗または予約サイトにてご確認ください。<br />
<br />
&nbsp;</p>

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</item>
<item>
<title>東京からやってきたシェフが、暮らすように過ごした佐賀。やがて見えてくるこの土地の本質。［シェフ・イン・レジデンスSAGA／佐賀県］</title>
<link>https://www.onestory-media.jp/post/?id=4458</link>
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<pubDate>Thu, 24 Jul 2025 17:30:00 +0900</pubDate>
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<description>
<![CDATA[
<p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4458_20250724132139_6881b4d3e1b35.thumb" alt=""></p>
<p>2025年初春。
佐賀県で実施された「シェフ・イン・レジデンスSAGA」。
それはその名の通り、シェフが佐賀県に長期間滞在し、常時とは異なる環境で過ごしながら、佐賀の食材や料理に触れる試み。選ばれた料理人が土地に溶け込み、生産者と語り、食材と向き合う時間です。

第4回となる今回、その役割を担ったのは六本木のモダンインド料理『ニルヴァーナ・ニューヨーク』の引地翔悟シェフ。より良い食材を探し、日本全...</p>
<p><a href="https://www.onestory-media.jp/post/?id=4458" target="_blank"><b>続きを読む</b></a></p>
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<![CDATA[
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4458_20250724132139_6881b4d3e1b35" alt=""></p><figcaption></figcaption></figure>
<h4><span>Chef in Residence SAGA</span>長期滞在することで見える土地の本質。</h4><p>2025年初春。<br />
佐賀県で実施された「シェフ・イン・レジデンスSAGA」。<br />
それはその名の通り、シェフが佐賀県に長期間滞在し、常時とは異なる環境で過ごしながら、佐賀の食材や料理に触れる試み。選ばれた料理人が土地に溶け込み、生産者と語り、食材と向き合う時間です。<br />
<br />
第4回となる今回、その役割を担ったのは六本木のモダンインド料理『ニルヴァーナ・ニューヨーク』の引地翔悟シェフ。より良い食材を探し、日本全国を飛び回る引地シェフをして、1週間にわたる産地滞在ははじめての経験です。<br />
<br />
「実は佐賀県については、よく知らないんです。時間の許す限り、佐賀を見て回りたい」<br />
<br />
誠実で真摯で向上心に満ちた若きシェフは、そう意気込みを語りました。<br />
<br />
やがて時間の経過とともに変化していくそのまなざし。佐賀で出会った生産者との交流、そしてシェフが感じた「シェフ・イン・レジデンス」の本当の価値とは？</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4458_20250724132600_6881b5d86dcb2" alt=""></p><figcaption>スパイスで食材の持ち味を引き出すモダンインド料理を軸とする引地シェフ。今回の滞在を通し、新たな視点で佐賀県産食材の魅力を伝える。</figcaption></figure>
<h4><span>Chef in Residence SAGA</span>生産者との深い交流により見えてくる、知られざる物語。</h4><p>「これまでの産地訪問は食材を見て、その説明を受ける、いわば商談に近いような形でした。しかし時間に余裕がある今回は、じっくりと時間をかけて語り合うことができました。それこそ&ldquo;なぜこの仕事をはじめたのか？&rdquo;という生産者の方の人生まで。そこに込められた思いを知り、こだわりを知り、物語を知ることで、食材に対する理解がいっそう深まりました」<br />
<br />
そう話す引地シェフ。<br />
<br />
たとえば『はしま海苔』の橋間勝由さんの漁船に乗せてもらって上陸した&ldquo;牡蠣礁&rdquo;は、有明海の固有種であるスミノエガキが積み重なってできた島。<br />
スミノエガキは、住之江地区に多く生息することから名付けられた天然の牡蠣で、一般に流通するマガキの2倍近いサイズがあり、甘みが強くえぐ味が少ないのが特徴です。<br />
しかし放って置くとどんどん重なり海を侵食していってしまうのだといいます。塩の干満のタイミングをはからないと採ることも難しく、海苔漁師にとってはむしろ「邪魔者」の扱い。船上で生産者から聞くそんなストーリー。<br />
<br />
「これほど素晴らしい牡蠣が、地元では違った目線で受け止められている。試食するだけではわからない食材への理解が、料理のアイデアにもつながります」<br />
&nbsp;</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4458_20250724132753_6881b64948981" alt=""></p><figcaption>天然の牡蠣が積み重なって自然とできあがる牡蠣礁。料理人にとっては宝の山だが、地元の海苔漁師のとっては悩みの種にもなっている。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4458_20250724132833_6881b6718847b" alt=""></p><figcaption>スミノエガキはこの大きさ。しかし大味ではなく、甘みも十分。加熱しても縮みにくいため、料理にも使いやすいという。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4458_20250724133003_6881b6cb049c3" alt=""></p><figcaption>海から戻り、意見を交わす橋間さんと引地シェフ。橋間さんは採ったばかりのスミノエガキを蒸して試食させてくれた。</figcaption></figure>
<h4><span>Chef in Residence SAGA</span>景色、料理、出会い。滞在中のすべての時間が宝物。</h4><p>出会いはさらに数多くありました。<br />
<br />
フルーツトマトの甘さだけでなく、ロジカルな思考で水害に強い栽培方法も独自に生み出した『アグリッシュ』の吉田章記さん、唐津焼の伝統的な素材や技法をベースに新たな造形美を探求する気鋭の陶芸家・濱崎快素さん、自然と共存するように当地で最適な方法を模索し、驚くほどおいしいパクチーをつくる『江口農園』の江口竜左さん、引地シェフに「これほど香り豊かな牛肉は初めて」といわしめた長期肥育ホルスタイン・白富牛の吉原龍樹さん、秘めたポテンシャルでシェフの好奇心を刺激した未知の食材・エミューを育てる『きやまファーム』の栄枝さん、地元に根づき、地元の味の根幹を支える『丸秀醤油』の秀島健介さん、そして引地シェフが「あの人は天才」と惚れ込んだお茶の名人『あはひの』の松尾俊一さん。<br />
<br />
さまざまな出会いがあり、じっくり語り合うことで見えてくるそれぞれの物語。その中で、引地シェフのまなざしも、少しずつ変化してきました。<br />
<br />
他者を尊重し、生産者に敬意を払う元来の性格から、これまでは「プロである生産者に自分が何かをいうのはおこがましい」と、食材に注文をつけることは自重していたという引地シェフ。しかし、コミュニケーションを重ね、じっくりと向き合ううちに、その姿勢が変わり始めたのです。<br />
<br />
商業施設やホテルのレストランでは、生牡蠣の使用が禁止されている店も多い。殻を剥き、加熱した上で出荷してもらえれば使いやすい。雪の影響で赤くなってしまい一般販売をしていないパクチーにも「緑のパクチーとは違った味わいがある」と販売を勧めてみる。<br />
<br />
シェフからの生産者への進言。それは根底に生産者への揺るがぬ敬意があり、そして時間をかけて互いに信頼関係を築いたから生まれたもの。<br />
<br />
「熱意ある生産者たちに、こちらも全力でぶつからなければ失礼になる」<br />
<br />
そんな思いが胸の奥から湧いてきたのです。<br />
<br />
さらに長期の滞在は、生産者との交流以外にも収穫をもたらしました。<br />
滞在していたホテル『和多屋別荘』の小原嘉元社長の勧めで体験した、香りを調合する「創香体験」。<br />
<br />
実は引地シェフは大学で心理学を学び、香りがもたらす効果を研究していました。食とも密接な関係がある分野ではありますが、早くから修業をはじめる人も多い料理人の世界にあって、厨房に立つスタートが遅かったことは引地シェフの中である種のコンプレックスのようになっていました。<br />
しかしここで香りと食の融合「フレグランス・ガストロノミー」の可能性に触れたことで、自身の歩んできた道がひとつに結実したように感じられたといいます。<br />
<br />
生産者訪問の合間に食べた現地の食事も、現地を案内してくれた県庁職員をはじめたとした生産者以外の方々との交流も、そして見聞きし肌で感じた佐賀の風景も、すべてが滞在の大きな収穫として、引地シェフの心に刻まれました。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4458_20250724133425_6881b7d10cd89" alt=""></p><figcaption>白富牛の吉原龍樹さんとともに。食材そのものだけではなく、その向き合い方もまた、引地シェフの大きな刺激となった。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4458_20250724133500_6881b7f4d52f6" alt=""></p><figcaption>白富牛をその場でステーキに。ミルキーな香りがシェフを驚かせた。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4458_20250724133543_6881b81f7206e" alt=""></p><figcaption>『江口農園』の江口竜左さんは武雄のパクチー栽培の先駆者のひとり。つくりはじめた当初は手探りで、試行錯誤を繰り返したという。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4458_20250724133621_6881b845b2d94" alt=""></p><figcaption>江口さんのパクチーはみずみずしく、柔らかいのにしっかりと食感もあるという素晴らしい逸品。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4458_20250724133734_6881b88e6e7b3" alt=""></p><figcaption>独自に考案した方法でトマトを栽培する『アグリッシュ』の吉田章記さんを訪ねた一幕。トマトの味だけではなく、その背景にある物語まで話は広がる。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4458_20250724133833_6881b8c96fd6e" alt=""></p><figcaption>佐賀県は日本を代表する陶磁器の産地。自然と共存するかのような濱崎快素さんのアトリエで存在感のある陶板に一目ぼれした引地シェフ。作家のもとを訪ね、器のインプットをすることも料理のインスピレーションに繋がる。</figcaption></figure>
<h4><span>Chef in Residence SAGA</span>滞在を締めくくるシェフの決断、最後の晩餐。</h4><p>「野菜、魚介、肉、お茶、調味料。すべての食材がハイレベルで揃う。実際に来てみて印象が大きく変わりました」<br />
<br />
そう振り返った引地シェフ。<br />
そして今回、深く佐賀を感じ、生産者と交流した引地シェフには、強い希望がありました。それは滞在の最後に、生産者の方々を招いて自身の料理を振る舞う晩餐を開くこと。<br />
今回佐賀で出会った食材を、その生産者自身に食べてもらう特別なディナー。厨房の横に即席のダイニングをつくり、調理工程を眺め、話をしながら料理が完成する一夜限りのシェフズテーブルです。<br />
<br />
「普段の僕の料理を出すのでは意味がありません。いつもの料理を、今回の食材に置き換えるだけなら失敗はないし、恥をかくこともありません。しかし今回、それでは不誠実だと思ったんです」<br />
<br />
引地シェフは言います。<br />
<br />
「生産者から食材という最後のバトンを受け取った。その食材に対して僕はこう思いました、みんなはどう思いますか？　そうして話し合うことで、みんなで一歩前に進める。そのために、僕は食材から感じたままの料理を作ることにしました」　<br />
<br />
それは誇りをかけて食材と向き合う生産者の熱意が、シェフに移ったような熱量でした。<br />
<br />
佐賀の食材を、シェフの思いのままに表現した晩餐は大きな拍手とともに終了しました。<br />
引地シェフはゲストたちを見送った後、深夜までかけてキッチンを隅々までぴかぴかに磨き上げました。<br />
<br />
「お世話になった場所だから、来たとき以上に綺麗にして帰る。そうして&ldquo;シェフってかっこいい&rdquo;と思ってもらうことも、シェフインレジデンスの意義だと思います」<br />
<br />
そんなシェフの姿勢もまた、佐賀県の生産者たちが心を開いてくれた理由なのかもしれません。<br />
<br />
「料理は、料理人の手だけで完成するものではない」そう引地シェフは話します。<br />
生産者が食材を育て、料理人が受け取り、食べる人がその味を記憶する。すべてのプロセスが繋がり、それがひとつの物語となる。<br />
<br />
そんな事実を改めて示した晩餐と、「シェフ・イン・レジデンスSAGA」。<br />
一週間の滞在がひとりの料理人のまなざしを変え、そしてそのまなざしが食の未来を変えていく。そんな大きな循環が、まさに動き始めたのです。<br />
&nbsp;</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4458_20250724134255_6881b9cf69a24" alt=""></p><figcaption>佐賀で出合ったすべての食材を使って仕上げたコース。完成度そのものよりも、シェフがその食材に何を感じたのかを正直に込めた料理が並んだ。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4458_20250724134347_6881ba030314a" alt=""></p><figcaption>スミノエガキはゆっくりと火を入れ、その水を煮詰めたスープで仕立てた豆のカレーを合わせた一品に。豆の甘みと牡蠣の甘みがつながる味わいを目指した。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4458_20250724134431_6881ba2fbf22a" alt=""></p><figcaption>白富牛の香りをまとわせたビリヤニ。個体差があり、肉主体のレストランでは使い道が限られる白富牛を活かす引地シェフの答え。写真奥は、佐賀のはったい粉で作ったナン。何度も発酵具合を調整しながら仕上げた。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4458_20250724134510_6881ba56af223" alt=""></p><figcaption>黒米で仕立てたキールと松尾さんのほうじ茶でつくったチャイ。チャイは厨房の片隅で常に沸かし続け、ほのかなスパイス香がディナー中に常に漂う演出に。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4458_20250724134612_6881ba9462973" alt=""></p><figcaption>生産者の皆さまを招いてのディナーは、引地シェフたっての希望。滞在の疲れも見せず、フルコースのディナーを仕上げた。</figcaption></figure>

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</item>
<item>
<title>チェアマンとして生きた12年の奇跡。中村孝則のクロニクル</title>
<link>https://www.onestory-media.jp/post/?id=4457</link>
<guid isPermaLink="true">https://www.onestory-media.jp/post/?id=4457</guid>
<pubDate>Mon, 14 Jul 2025 15:00:00 +0900</pubDate>
<media:thumbnail url="https://www.onestory-media.jp/images_public/4457_20250715150046_6875ee8e151c2.thumb" />
<description>
<![CDATA[
<p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4457_20250715150046_6875ee8e151c2.thumb" alt=""></p>
<p>「BEST RESTAURANTS」史上最長レベル、12年もの間、チェアマンを務めた中村孝則氏。その奇跡をたどる前に思う。

中村孝則とは何者なのか。

昨今においては、美食家として認知されていますが、以前より中村氏を知る人であれば、やや違和感を感じたのではないでしょうか。やはり、中村氏といえば、代表とされる領域はファッション。そのほかであれば、旅やシガー。総合的にはラグジュアリーの世界で活動して...</p>
<p><a href="https://www.onestory-media.jp/post/?id=4457" target="_blank"><b>続きを読む</b></a></p>
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</description>
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<![CDATA[
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4457_20250715150046_6875ee8e151c2" alt=""></p><figcaption>長年にわたり、「BEST RESTAURANTS」のチェアマンを務めた中村孝則氏。アイコンとなった着物を初めて着用したのは2016年。以降、ドレスコードにおいても日本文化をアピールしてきた。</figcaption></figure>
<h4><span>BEST RESTAURANTS</span>美食家ではなかった、中村孝則の過去。</h4><p>「BEST RESTAURANTS」史上最長レベル、12年もの間、チェアマンを務めた中村孝則氏。その奇跡をたどる前に思う。<br />
<br />
中村孝則とは何者なのか。<br />
<br />
昨今においては、美食家として認知されていますが、以前より中村氏を知る人であれば、やや違和感を感じたのではないでしょうか。やはり、中村氏といえば、代表とされる領域はファッション。そのほかであれば、旅やシガー。総合的にはラグジュアリーの世界で活動していました。ワインやカクテルなども触れてはきましたが、「食は避けてきた領域」と自身も振り返ります。事実、過去のプロフィールには、食に関する記載は一切ない。<br />
<br />
「当時、メディアといえば、雑誌が主流。書き手であれば、ファッション、車、デザイン、映画、音楽など、ジャンルごとに分断されていました。もちろん、食もそう。媒体においても、それぞれのスタッフを抱え、クレジットを見れば、誰がどこに深く入り込んでいるのかも一目瞭然。そんな時代でした」。<br />
<br />
つまり、ファッションに携わっている人間が急にレストランに携われることはなく、それぞれの専門領域が絶対領域だった時代。中村氏は、いつ食と接点を持つようになったのか。それは、某媒体の連載でした。<br />
<br />
「懐石料理を1年間学んで、読者に伝えてほしいという依頼をいただきました。最初は、お断りさせていただきました。自分は素人なので。そうしたら、素人の視点から学んでほしい企画なので、是非と背中を押され、お引き受けさせていただいたのが、食と接点を持った始まりだったと思います」。<br />
<br />
これは、2006年の出来事。なぜ中村氏だったのか？ その解はわかりませんが、茶道、剣道を嗜んでいた知見も多分にあったのではないかと推測。この連載では、ごはんを炊く、味噌汁を作る、出汁を引く、はたまた包丁の使い方などを、料理人より指南いただくというもの。まさに、道を極める道の世界。そして、1年後、新たな依頼が舞い込みます。<br />
<br />
「今度は、様々なレストランでスペシャリテを学ぶ連載の依頼をいただきました。結果、100店くらいは訪れたかもしれません」。<br />
<br />
この話までであれば美談。食に携わっていなかった中村氏にとって、各店からは無下にされることも少なくなく、「お前に何がわかるんだ。直接的な言葉はなくとも、そう感じることも多かったです」と話します。<br />
<br />
連載は10年以上続き、それはまるで修業のよう。そんな時、突如、一本の連絡が。「BEST RESTAURANTS」のチェアマン就任依頼です。「BEST RESTAURANTS」は2002年に創設された、ロンドン発祥のレストランランキング。<br />
<br />
「突然、BEST RESTAURANTSの本部からメールが届きました。THE WORLD&rsquo;S 50 BEST RESTAURANTS (以下、THE WORLD&rsquo;S 50)に加え、2013年にASIA&rsquo;S 50 BEST RESTAURANTS(以下、ASIA&rsquo;S 50)が立ち上がったタイミングでした」。<br />
<br />
実は、中村氏の前に、もうひとり、チェアマンを務めた人物がいます。レストランジャーナリスト、犬養裕美子さんです。2007年より2013年まで務め、周知の通り、2014年以降は、中村氏が担ってきました。<br />
<br />
犬養さんにおいては、現在、注視される地方に既に目を向け、地方素材の普及に努める料理人を選定する農林水産省料理人顕彰制度審査委員としても活動するなど、食に携わる第一人者でした。おそらく、日本で初めてレストランジャーナリストを公言した人物ではないでしょうか。そして、何を隠そう、中村氏と親交が深かった数少ない、食の専門家でした。<br />
<br />
「自分が初めてBEST RESTAURANTSに関わったのは、2013年にゲストとして参加した時です。当時より、賛否両論の多いアワードだということは、理解していましたが、チェアマン就任後、まさかここまでとは&hellip;&hellip;と思うようなことの連続でした」。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4457_20250714135253_68748d2564250" alt=""></p><figcaption>中村氏が初めて携わった2014年「ASIA&rsquo;S 50」のカタログ。当時は、現在のような華やかなイベントではなく、雑誌の企画だったことに歴史を覚える。</figcaption></figure>
<h4><span>BEST RESTAURANTS</span>公正を欠く賞。最大のデタラメ。</h4><p>これは、日本のメディアにおいて、中村氏が「BEST RESTAURANTS」の取材に応じた時に掲載された言葉です。<br />
<br />
声の主は、フランス料理の巨匠、故・ジョエル・ロブション氏。そのほか、レストラン評論家、フランソワ・シモン氏は、世界規模のレストラン比較は不可能。直ちにやめるか、変わるべきと批判していました。<br />
<br />
「その批判は、今も消えたわけではないと思っています。しかし、長年携わることによって見えてきたもの。それは、ナンセンスから生まれる価値もあるということです」。<br />
<br />
当時、「BEST RESTAURANTS」の主催者でもある「RESTAURANT MAGAZINE」編集長、ウィリアム・ドゥリュー氏もまた、このナンセンスという言葉を起用し、「BEST RESTAURANTS」を肯定。「多種のジャンルを同じ土俵で論じることはできない」と言うシモン氏に対し、「その考えがナンセンス。食の発展に貢献できるはず」と反論。そして、ドリュー氏は中村氏とも共通項があり、ファッション誌「ARENA」出身。余所者への強い風当たりは世界共通なのか！？<br />
<br />
「BEST RESTAURANTSは、RESTAURANT MAGAZINEの企画からスタートしました。それが本ではなく、アワードになり、イベントになり。開催当初は小ぢんまりとした地味なものでしたが、それが徐々に変化し、進化し、現在のようにエンターテインメント性も高くなりました」。<br />
<br />
なぜそこまで一大行事に成長できたのでしょうか。それは、ビジネスモデルとしても成長できたからといっても過言ではありません。<a href="https://www.theworlds50best.com/about-50-best.html"><u>オフィシャルHP</u></a>&nbsp;を覗けば、OUR PARTNERSに連なる企業の多さにも驚く。一大行事は一大ビジネスとなり、出る杭は打たれる。因果関係があるかは分からずとも、某メーカーの非買運動や類似アワードもローンチするような現象も。様々な角度から、「BEST RESTAURANTS」は、注目を集めていきました。<br />
<br />
そんな「BEST RESTAURANTS」に中村氏が初めてチェアマンとして携わったのは、2014年に発足された「ASIA&rsquo;S 50」の時でした。<br />
<br />
「厳密には、2013年にASIA&rsquo;S 50は発足していますが、既存集計をアジア向けに抜粋したもののため、本格的な発足は2014年。2013年は、NARISAWAが1位を獲得。2位は、日本料理 龍吟でした。ですが、2014年の1位は、Nahm(タイ・バンコク)。2位がNARISAWA。日本料理 龍吟は5位でした」。<br />
<br />
そのほかでは、15位「石川」、22位「Quintessence」、25位「L&rsquo;Effervescence」、34位「TAKAZAWA」(現・TAKAZAWA PRIVATE RESERVE NISEKO)、38位「すきやばし次郎」、41位「さわ田」、42位「HAJIME」、43位「鮨 さいとう」が名を連ね、現在のランキングとも変化を感じます。<br />
<br />
「変化があるのは当然のこと。それがBEST RESTAURANTSの特性でもあります。理由は、ジャーナリスト、シェフ、フーディの3部門から構成される審査員は、毎年25％入れ替わるため、その個性に左右されることも多分にあります。そして、料理のテクニックだけでなく、BEST RESTAURANTSでは、ジョイフルも大切な要素とされています」。<br />
<br />
だからこそ、批判され、だからこそ、面白い。これこそがナンセンス。(審査の仕組みも含め、過去にレポートした2022年「ASIA&rsquo;S 50」の<a href="https://www.onestory-media.jp/post/?id=4152"><u>記事</u></a>も合わせてご覧ください)<br />
<br />
当時、中村氏においては、この結果に対する批判が集中。その内容は様々ありましたが、主には、「NARISAWA」の降格。「ASIA&rsquo;S 50であれば、日本が1位ではないのはおかしいだろ！」など、厳しい声が寄せられました。しかし、その状況から中村氏を救ったのは、成澤由浩氏でした。冒頭、レストランのスペシャリテを学ぶ連載において、実は「NARISAWA」にも訪れていた中村氏。多くのレストランで辛酸を舐めてきましたが、そんな中、暖かく迎えてくれた数少ないシェフが成澤氏だったのです。<br />
<br />
「成澤さんには、レストランのことを色々教わりました。中でも一番思い出に残っていることは、2011年、パリのメゾン・エ・オブジェに参加させてもらったことです。成澤さんは料理を、自分は茶事を実演し、日本の食文化をプレゼンテーションするという企画でした。滞在中は、名だたるレストランも案内いただき、本場の味に感動したことは、今でも鮮明に覚えています」。<br />
<br />
旧知の仲だからこそ、厳しくも優しい存在。「NARISAWA」は、2009年より、実に16年連続受賞。<br />
<br />
「そんなレストランは見たことがありません。日本の誇りです」。<br />
<br />
結果論にはなりますが、ある意味、1位を獲得するよりも偉業を成しているのが「NARISAWA」なのかもしれません。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4457_20250714135253_68748d25ab95b" alt=""></p><figcaption>「THE WORLD&rsquo;S 50」と「ASIA&rsquo;S 50」の双方において、常にランクインしている「NARISAWA」。※写真は、2022年「THE WORLD&rsquo;S 50」</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4457_20250714135253_68748d25ebbe1" alt=""></p><figcaption>中村氏のSNSにも必ず登場する成澤氏とのツーショット写真。ふたりの関係を知れば、毎回の投稿に感慨を覚える。※写真は、2016年「ASIA&rsquo;S 50」</figcaption></figure>
<h4><span>BEST RESTAURANTS</span>無名だったレストランのランクイン。そして、1位奪還。</h4><p>これまでの通り、中村氏は、多くの苦労を重ねてきた時代が長く、華やかな「BEST RESTAURANTS」の舞台とは裏腹に、その道は実に険しいものでした。振り返れば、シェフとの信頼関係が強固になったのは、ここ数年なのかもしれません。<br />
<br />
そんな中村氏がチェアマン任期中、特に印象に残っている出来事がふたつあると言います。まずひとつは、「La Maison de la Nature Goh」(以下、Goh)の芽吹き。<br />
<br />
「Gohがランクインしたのは、2016年のASIA&rsquo;S 50の時でした。会場に集まるシェフや自分も含め、誰も知らないレストランがランクインしていることを知りました。一体誰なんだ！？と現場は騒然としましたが、これこそがBEST RESTAURANTSの真髄。発掘も大きなテーマになっているからです」。<br />
<br />
当時、31位を獲得した「Goh」は、今では「ASIA&rsquo;S 50」の常連。不動の人気を博しており、現在においては、同じく「BEST RESTAURANTS」の常連、「Gaggan」とともに、「GohGan」としても活動しています。<br />
<br />
そしてもうひとつ。「傳」です。<br />
<br />
「ASIA&rsquo;S 50では、2013年のNARISAWA以降、ずっと1位を獲得することができませんでした。これは、チェアマンとして、重く受け止めておりました。ですが、2022年、遂に傳が奪還してくれました。悲願を達成でき、本当に嬉しかったです」。<br />
<br />
「傳」においては、「Goh」同様、2016年に初ランクインし、当時は37位。<br />
<br />
ここで素朴な疑問が生まれます。日本チームすら知らなかった「Goh」は誰が投票したのか？ それは、海外からの票。噂によれば、当時、「傳」においても、同一人物からの支持があったと聞く。<br />
<br />
「この現象もまた、BEST RESTAURANTSならでは」。<br />
<br />
また、「傳」長谷川在佑氏においては、「中村さんがチェアマンのうちに1位を獲らせてあげたかった」という言葉を残しています。<br />
<br />
食の素人だった中村孝則は、もういない。名実ともに、食の専門家となり、食は専門領域。美食家を名乗ることに対し、異論を述べる人はいなくなりました。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4457_20250714135254_68748d2636db2" alt=""></p><figcaption>初めて「Goh」と「傳」がランクインした2016年「ASIA&rsquo;S 50」は、タイ・バンコクにて開催。振り返れば、日本にとってはエポック的な年となった。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4457_20250714135254_68748d267977f" alt=""></p><figcaption>2020年「ASIA&rsquo;S 50」では、新型コロナウイルス感染拡大を受け、急遽、オンラインストリームによるバーチャルイベントとして開催。「傳」は3位。1位は「オデット」(シンガポール)だった。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4457_20250714135254_68748d26b2cb1" alt=""></p><figcaption>2022年も、尚続く、コロナ禍。バンコク、マカオ、東京の3都市にて同時中継された「ASIA&rsquo;S 50」。会場を熱狂させた最大のトピックは、日本にアジアNo.1の座をもたらした「傳」。</figcaption></figure>
<h4><span>BEST RESTAURANTS</span>時代と生きた「BEST RESTAURANTS」の痕跡。</h4><p>「BEST RESTAURANTS」を語る上で欠かせない存在、それはフーディではないでしょうか。しかし、その言葉が市民権を得たのはいつからか。記憶を手繰り寄せると、2014年に公開された映画「Foodies」(邦題：99分,世界美味めぐり)の影響は大きかったのではと考えます。<br />
<br />
その内容は、5人の美食家が世界中のレストランを目的に旅をするというものであり、巡ったレストランは全29店舗。日本においても、「鮨さいとう」、「都寿司」、「傳」、「菊乃井」が登場します。本編によると、当時、世界に109軒ある三ツ星レストランを制覇したフーディも。「Maaemo」(オスロ)においては、「新世代のジャーナリスト」とも語っています。<br />
<br />
この映画には、なぜ中村氏にチェアマンの依頼が来たのかというヒントが潜んでいると考えます。そのキーワードは、世界。<br />
<br />
「今思えば、当時の食の専門家の方々は、日本の食の専門家だったのだと思います。景気が良い時もあったため、海外取材も果敢でしたが、食に特化した海外企画はありませんでした。風景、ホテル、アート、各ショップなど、観光全般のものがほとんどのため、レストランにおいても、特集の中のひとつ。ゆえに、必ずしも、食の専門家がそのスタッフの一員になれたわけではありません。むしろ、各ジャンルをスタイルとしてまとめられる人が重宝されていました」。<br />
<br />
中村氏においては、重宝される類。加えて、様々な国の大使館より親善大使も任命されていたため、世界との接点が多かったのです。「BEST RESTAURANTS」は、日本のベストレストランではありません。世界のベストレストランゆえ、海外の知見は必須。<br />
<br />
そして、時代という文脈に沿って、フーディに話を戻せば、その存在に追い風を与えたのはSNSの普及ではないでしょうか。テレビ、新聞、雑誌、ラジオなど、マスメディアが情報を支配していた時代は過ぎ去り、視聴者や読者ではなく、フォロワーを対象に個が発信力と影響力を持つ時代は一気に加速。<br />
<br />
そしてもうひとつ。不景気です。近年においては、コロナ禍も手伝い、高所得者と低所得者をより二極化させました。では、それがレストランとどんな関係があるのか。<br />
<br />
「世界においては先んじて生じていたことですが、例えばスペイン。美食の町として世界中から愛されていますが、スペイン人が皆、レストランを楽しめるわけではありません。ことさらグランメゾンにおいては顕著に現れ、2011年、惜しまれつつ閉店してしまった「エル・ブジ」に訪れることができた生活者はごくわずかだったでしょう。だからこそ、世界のゲストをターゲットに置くのです」。<br />
<br />
これは、レストランという文化を守る術でもあり、世界中からゲストが訪れなければ、名店がこの世から消える。そんな危惧も孕んでいます。<br />
<br />
世界から一足遅く、日本にもその現象は訪れ、中村氏がチェアマンを務めた12年の間に、日本のレストランも日本人ゲストだけだった時代から、見渡せば半分以上は外国人ゲストという景色も当たり前に。<br />
<br />
その結果、次に生まれた現象が、予約困難。「BEST RESTAURANTS」においては、投票したくとも、レストランに行けないからできないという現象も生まれたのではと推測します。<br />
<br />
そして、フーディも二極化され、そんな予約困難店のプラチナチケットに重きを置く人間もいれば、レストランに寄与するために活動する人間も。<br />
<br />
まさに激動の12年。時に波乱を巻き起こしてきた「BEST RESTAURANTS」の視点から読み解くと、その急成長が物語る通り、全てが味方してくれたのかもしれません。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4457_20250714135254_68748d26e6c58" alt=""></p><figcaption>中村氏がチェアマンを務めた最後の「BEST RESTAURANTS」は、2025年「THE WORLD&rsquo;S 50」。1位は「Maido」(ペルー・リマ)が獲得し、日本勢の最高位は、7位の「SEZANNE」。次ぐ21位は「NARISAWA」。</figcaption></figure>
<h4><span>BEST RESTAURANTS</span>「BEST RESTAURANTS」への期待。そして、次なるチェアマンは誰か。</h4><p>中村氏が任期中、「BEST RESTAURANTS」が進化した点もありましたが、改善できなかった点や叶わなかった夢も。進化した点は、やはり規模の拡大。改善できなかった点は、いくつかありますが、その一部について話します。<br />
<br />
「BEST RESTAURANTSの仕組みには、いくつか乗り越えたい課題もあります。それは、マネタイズ。例えば、チェアマンやシェフ、関係者が会場に足を運ぶ渡航費や宿泊費は、基本的に自費になります。国や地域によっては、支援くださるところもございますが、開催地によって様々。もっと人を呼びたい気持ちはありますが、心苦しく思っております」。<br />
<br />
映画「Foodies」よろしく、当時、稀有だったレストランを目的に旅をするスタイルは、現代において幅広く浸透。ガストロノミーツーリズムという言葉の誕生は、その好例ではないでしょうか。つまり、旅と食は、消費動向と直結しており、2024年の訪日外国人旅行消費額は、8兆1,257億円(国土交通省 観光庁の調査結果より)。そのうち、飲食費は21.5%を占める。ゆえに、国内のレストラン需要が伸びれば、この消費額は、さらに伸びる可能性を秘めているのです。<br />
<br />
中村氏が話してくれた、支援している国や地域は、この可能性を理解しているから。そして、叶わなかった夢は、日本開催。<br />
<br />
「これはいつか実現してほしいです。しかし、成立させるには、レストランや食に関係する業界に限らず、国、行政、県、地域、そして、民間企業など、多くの方々のご支援も必要とされます。一筋縄にはいかないとは思いますが、いつかそんな日を迎えられることを願っています」。<br />
<br />
12年という年月をゆっくりと振り返る中村氏。その全てを語り尽くすことはできませんが、やはり気になることは、次のチェアマンについて。しかし、チェアマンは、本部が独断で決めるため、その時を迎えるまで分かりません。では、チェアマンにはどんな能力が必要とされるのか。<br />
<br />
「ひとつは、コミュニケーション能力ではないでしょうか。日本のレストランを一丸とさせることはもちろん、各国のチェアマンとの交流も大切な任務。そして、現実的には自己資金力も必要です。BEST RESTAURANTSは、日本のレストランだけを対象にしていないため、世界中のレストランを体験しなければいけません。食費、渡航費、宿泊費は、想像を超えることもあるため、その覚悟を持たなければいけません。それ以外ですと&hellip;&hellip;、強靭な体力と胃袋ですかね(笑)」。<br />
<br />
2026年の「BEST RESTAURANTS」には、トレードマークでもある着物姿の中村孝則はもういない。<br />
<br />
冒頭に戻りたい。中村孝則とは何者なのか。<br />
<br />
12年の奇跡から浮かび上がった正体は、複雑なものではありませんでした。中村孝則は美食家である前に、努力家だったのです。<br />
<br />
そして、言わずもがな、中村氏が日本のレストラン界にもたらした功績は、計り知れない。</p>
<p><br />
Photographs：BEST RESTAURANTS<br />
Text：YUICHI KURAMOCHI</p>

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<title>美術館に飾られるような“本物”の器で味わう宴。佐賀と宮城のシェフが仕立てた特別なコース。［USEUM SAGA vol.06／佐賀県佐賀市］</title>
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<pubDate>Wed, 25 Jun 2025 17:30:00 +0900</pubDate>
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<description>
<![CDATA[
<p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4441_20250509125409_681d7c614f7bd.thumb" alt=""></p>
<p>道具は、使われてこそ真価を発揮する。

たとえそれが世界にふたつとない貴重な器であろうと、美術館に展示するのではなく、実際に料理を盛り付け、味わってみてこそ発揮される美しさがあるもの。そんな思いのもと、素晴らしい器で素晴らしい料理を味わう数日間限定のプレミアムレストランがこの『USEUM SAGA』です。

もちろん、器に負けぬ存在感を持つ料理も大切な要素。2021年の初開催から毎回、佐賀県出身の...</p>
<p><a href="https://www.onestory-media.jp/post/?id=4441" target="_blank"><b>続きを読む</b></a></p>
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</description>
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<![CDATA[
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4441_20250509125409_681d7c614f7bd" alt=""></p><figcaption></figcaption></figure>
<h4><span>USEUM SAGA</span>名シェフの料理と佐賀県自慢の陶磁器が互いを引き立てる。</h4><p>道具は、使われてこそ真価を発揮する。<br />
<br />
たとえそれが世界にふたつとない貴重な器であろうと、美術館に展示するのではなく、実際に料理を盛り付け、味わってみてこそ発揮される美しさがあるもの。そんな思いのもと、素晴らしい器で素晴らしい料理を味わう数日間限定のプレミアムレストランがこの『USEUM SAGA』です。<br />
<br />
もちろん、器に負けぬ存在感を持つ料理も大切な要素。2021年の初開催から毎回、佐賀県出身の気鋭の料理人と、全国各地で名を馳せるトップシェフがタッグを組み、この日のための特別な料理を仕立ててきました。<br />
<br />
第６回目となる今回は、地元シェフは佐賀県で『shokudo欅』を営む寺田功氏、久枝氏の夫妻、ゲストシェフには宮城県仙台市で中国料理『松石』を営む松石翼氏・晶子氏の夫妻が厨房に立ちました。佐賀と仙台、およそ1500kmも離れた土地で生きる二組は、果たしてどのように思いを連ね、どのような料理を完成させたのでしょうか。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4441_20250509125409_681d7c6111fb1" alt=""></p><figcaption>６回目となる『USEUM SAGA』。地元シェフと全国のトップシェフによるコラボで、毎回想像以上の化学反応が生まれる。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4441_20250509125410_681d7c62e0fdb" alt=""></p><figcaption>会場となったのは佐賀県庁にもほど近い『パークテラス』内の『La Pause』。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4441_20250509125408_681d7c60b1265" alt=""></p><figcaption>佐賀市に店を構える『shokudo欅』の寺田功シェフ。松石シェフとSNSでコミュニケーションを取りながら、ひとつのコースをつくりあげた。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4441_20250509125409_681d7c6190040" alt=""></p><figcaption>『松石』松石翼氏。偶然にも寺田シェフと同じ調理師学校出身、経歴や経験にも共通項が多く「不思議な縁を感じます」と話した。</figcaption></figure>
<h4><span>USEUM SAGA</span>二人のシェフが織りなす、佐賀と東北食材の宴。</h4><p>コースは松石氏によるスープで幕を開けました。<br />
<br />
器は今右衛門窯、柿右衛門窯という磁器の歴史を築いてきた名門の逸品。佐賀の黒鮑と仙台のフカヒレという両県の食材を取り入れた、松石氏の心意気が伝わるようなオープニングです。<br />
<br />
さらに象徴的だったのは2品目の前菜6種盛り合わせ。寺田氏と松石氏が3種ずつを仕上げ、盛り合わせました。食材のチョイスは、佐賀の寺田氏が東北の食材、宮城の松石氏が佐賀の食材。事前にこうしよう、と打ち合わせたのではなく、偶然この食材になったという二人の料理。それぞれが自身の拠点に誇りを持ちつつ、相手の地元に敬意を払う。そんな思いが交錯した結果の一皿だったのでしょう。2品目にしてすでに、その高い物語性にゲストは引き込まれていきました。<br />
<br />
佐賀県産の牡蠣を両シェフそれぞれの手法で仕上げた料理、互いのスペシャリテをぶつけ合うような一幕、個性の異なる両者の料理で交互に盛り上げるような展開、両女将が眼の前で握る山形県産米と佐賀県産海苔のおにぎり。二組がタッグを組んだ意味、異なるバックグラウンドを持つ二人のシェフが織りなす奥深く、新しい料理のアプローチ、ともに夫婦で店を営む二組が醸す温かく穏やかな雰囲気、そして料理と互いに引き立て合う人間国宝の作、新進気鋭の作家による器、佐賀の名だたる人気窯元の名品。『USEUM SAGA』の舞台で生まれたコラボレーションは、後に語り継がれるような美味となってゲストを驚かせました。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4441_20250509125407_681d7c5f47a01" alt=""></p><figcaption>互いの故郷の食材と料理に敬意を払いながら両シェフ3種ずつ仕立てた前菜6種盛り合わせ。器は井上萬二窯、柿右衛門窯、健太郎窯、古川マアヤの作。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4441_20250509125407_681d7c5f8ef5a" alt=""></p><figcaption>佐賀県産竹崎牡蠣。同じ食材を両シェフそれぞれのアプローチで活かした一皿。器は気鋭の人気作家である徳島あや作。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4441_20250509125407_681d7c5fd3535" alt=""></p><figcaption>寺田氏が手掛けた焼き物は、宮城県産のホッキ貝に、佐賀県産のアスパラガスをあわせた一品。器は中里太郎右衛門陶房。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4441_20250509125408_681d7c602021f" alt=""></p><figcaption>松石氏の蒸し物は、佐賀県産の桜鯛を仙台のセリとともに。器は徳島あや作。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4441_20250509125408_681d7c6066edb" alt=""></p><figcaption>山形県産の金華豚に佐賀県産の黒ニンニクや柑橘を合わせた肉料理。器は人間国宝・十四代今泉今右衛門。</figcaption></figure>
<h4><span>USEUM SAGA</span>二人のシェフの心と、地元佐賀に残したもの。</h4><p>「仙台空港に降り立ったとき、佐賀と似ていると思ったんです。もちろん気候は違いますが、そこに海があり、山があり、平野があり、多様な食材がある。まず感じたのは、そんな地形と食材の親和性でした」<br />
<br />
寺田氏は、そう振り返ります。<br />
<br />
そして寺田氏の仙台訪問から準備期間の数ヶ月。両シェフがまず行ったのは、互いの宝物を自慢しあうような、佐賀と東北の食材の紹介でした。<br />
<br />
ライブ感ある調理を持ち味とする松石氏と、低温調理をはじめとした丁寧な下拵えで料理を組み上げる寺田氏。それぞれ得意は異なりますが、あえて細かい取り決めをするのではなく、食材の理解を深めた後は、持てる技術を出し尽くすような構成に決めました。<br />
<br />
それは「自分の全力を相手が打ち返してくれる」という信頼の証。結果、全10品のコースは、土地の個性、シェフの持ち味が活かされながら、コースとしての統一感も失われないバランスの良い内容となりました。<br />
<br />
「はじめて訪れた佐賀ですが、第二の故郷のような思い。表面だけを見て終わるのではなく、実際に深く関わり、現地の人や器、食材に触れることで初めて違いに気づき、学びが得られると感じました」<br />
<br />
そう話す松石氏。日頃から古伊万里や有田の器も使用していますが、「料理を盛り付けた瞬間に輝くような不思議な体験。レベルが違うと感じました」と改めて器の持つ力にも心を動かされた様子でした。<br />
<br />
地元で迎えた寺田氏も「今回の縁をきっかけに、今後も佐賀や宮城の食材・人とのつながりが広がる可能性を感じています」と手応えを語ります。<br />
<br />
1500kmの距離を食材と器で繋いだ『USEUM SAGA』。遠く離れた二人の交流は、佐賀と宮城の食の未来の大きな一歩となるかもしれません。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4441_20250509125410_681d7c62804fc" alt=""></p><figcaption>提供はランチ1回、ディナー2回の計3回。各回大盛況で幕を下ろした。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4441_20250509125410_681d7c6218d45" alt=""></p><figcaption>蒸し魚に温めた油をかけて仕上げる松石氏。中国料理ならではの臨場感が会場を湧かせた。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4441_20250509125409_681d7c61ca87a" alt=""></p><figcaption>寺田氏がゲストの前でホッキ貝を焼き上げる一幕。会場は香ばしい磯の香りに包まれた。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4441_20250509125410_681d7c62b029a" alt=""></p><figcaption>寺田久枝氏（手前）、松石晶子氏（奥）の二人が「縁を結ぶ」の意味を込めて握ったおむすび。交流を象徴するような心温まるシーン。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4441_20250509125410_681d7c624c901" alt=""></p><figcaption>終演の挨拶にたった両夫妻。「今回のイベントで殻を破った感覚」（松石氏）、「普段にはないプレッシャーもあったが、新たな刺激となった」（寺田氏）と振り返った。</figcaption></figure>
<p>1976年長崎県長崎市生まれ。高校卒業後、上京し武蔵野調理師専門学校に入学しフランス料理を学ぶ。卒業後、東京ステーションホテルに5年勤務。その後、渡仏しフランス各地をまわりながら研鑽を積む。帰国後、27歳で佐賀県唐津市に『欅』をオープン。2019年、佐賀県佐賀市に移転し『shokudo欅』を開く。</p>
<p>1982年山形県生まれ。高校卒業後、上京し武蔵野調理師専門学校に通う。卒業後は仙台のホテルにて17年間、中華料理の研鑽を積む。2020年から仙台市内の中華料理店の名店で修業し、2022年、仙台に自身の名を冠した『松石』をオープン。</p>
<p><br />
<span style="background-color:white">Photograph</span><span style="background-color:white">：</span><span style="background-color:white">HIDEKI MIZUTA</span></p>

]]>
</content:encoded>
</item>
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<title>非日常となった美食が、再び日常に寄り添うとき。Destination Restaurants 2025が描く新たな風景[Destination Restaurants 2025/東京都港区]</title>
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<pubDate>Wed, 18 Jun 2025 10:00:00 +0900</pubDate>
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<p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4456_20250610130206_6847ae3e7f3b7.thumb" alt=""></p>
<p>初夏の東京、麻布台ヒルズの一角に、静かな熱気が満ちていました。

煌びやかな照明に照らされたステージには、選ばれし料理人たちが一堂に会しています。ジャケットに身を包んだその表情には誇りがあふれ、テーブルには各地から集まった食の関係者が静かに見守っている──

この日は「Destination Restaurants 2025」の授賞式。

地方の風土と食文化を讃えるこの舞台は、今年もまた新たな物語...</p>
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<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4456_20250610130206_6847ae3e7f3b7" alt=""></p><figcaption></figcaption></figure>
<h4><span></span>日常のすぐ隣に生まれる食の旅。</h4><p>初夏の東京、麻布台ヒルズの一角に、静かな熱気が満ちていました。<br />
<br />
煌びやかな照明に照らされたステージには、選ばれし料理人たちが一堂に会しています。ジャケットに身を包んだその表情には誇りがあふれ、テーブルには各地から集まった食の関係者が静かに見守っている──<br />
<br />
この日は「Destination Restaurants 2025」の授賞式。<br />
<br />
地方の風土と食文化を讃えるこの舞台は、今年もまた新たな物語を迎え入れていました。<br />
<br />
2021年、日本でもっとも歴史ある英字新聞『The Japan Times』により生まれたこの賞が掲げる理念は明快です。東京23区と政令指定都市を除く地域を対象に、料理人たちが土地の恵みと真摯に向き合い、文化や風景までをも料理に昇華する営みに光を当てること。それは単なるグルメガイドではなく、美味しさの先に広がる物語であり、地域が紡いできた歴史の蓄積です。<br />
<br />
選考を担うのは、食文化の第一線を走る3名の審査員。世界の料理教育に貢献し続ける食育の旗手・辻調グループ代表の辻芳樹氏、食とライフスタイルを横断する独自の審美眼で知られるビジネスプロデューサー本田直之氏、そして世界の美食を食べ歩く美食家・浜田岳文氏。3名が日本各地に点在する候補店に赴き、その味のみならず地域の空気や歴史・文化まで感じながら厳正に審査します。<br />
<br />
創設当初は「やがて候補が尽きるのでは」と危ぶむ声もあったこの賞。しかし蓋を開けてみれば、むしろ年を重ねるごとに候補は増え続け、審査員たちにうれしい悲鳴をあげさせています。料理人たちの挑戦は、いまや地方の風土に新たな光を当て、埋もれていた食や食文化を次々と掘り起こしているのです。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4456_20250610130206_6847ae3ebf607" alt=""></p><figcaption>壇上の受賞者たち。写真左から『ファームレストラン クオーレ（北海道白糠町）』漆崎雄哉氏、『オステリア シンチェリータ（山形県南陽市）』原田誠氏、『ノンナ ニェッタ（茨城県つくば市）』川村憲二氏、『レストランKAM（埼玉県川口市）』本岡将氏、『ひまわり食堂2（富山県富山市）』田中穂積氏、『オーベルジュ オーフ（石川県小松市）』糸井章太氏、『くるますし（愛媛県松山市）』高平康司氏、『日本料理 別府 廣門（大分県別府市）』廣門泰三氏、『センティウ（鹿児島県鹿屋市）』内田康彦氏。『田舎の大鵬（京都府綾部市）』渡辺幸樹氏は欠席のため映像でコメントを寄せた。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4456_20250610130205_6847ae3db1689" alt=""></p><figcaption>審査員である学校法人辻料理学館理事長、辻調グループ代表辻芳樹氏。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4456_20250610130205_6847ae3df3136" alt=""></p><figcaption>同じく審査員を務めるレバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長・本田直之氏。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4456_20250610130206_6847ae3e3eb8e" alt=""></p><figcaption>同じく審査員を務める株式会社アクセス・オール・エリア代表取締役・浜田岳文氏。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4456_20250610130204_6847ae3ccd65d" alt=""></p><figcaption>授賞式では受賞シェフたちの手によるフィンガーフードも提供され、会場を盛り上げた。</figcaption></figure>
<h4><span></span>料理人たちが紡ぐ土地の物語</h4><p>今回、「The Destination Restaurant of the year」に輝いた富山市『ひまわり食堂2』は、その象徴ともいえる存在です。<br />
<br />
田中穂積シェフが作り出す料理は、富山の山々、川、海が育む食材と真摯に向き合いながら生み出されます。旬の野菜、近海の魚、地元料理人たちとのチームワークが、派手ではないもののアイデアが詰まった皿の上で静かに主張をする。そんな料理こそが『ひまわり食堂2』の持ち味です。<br />
<br />
北海道白糠町の『ファームレストラン クオーレ』では、併設のめん羊牧場で育った新鮮な羊を使用し、土から食卓までの循環を体現しています。窓の外は北海道の雄大な自然。ここでは過ごす時間が単なる食体験ではなく、生きた営みの延長として存在しています。あるいは京都府綾部市の『田舎の大鵬』では、鶏を締めるところからゲスト自身が体験するコースで、食と命への向き合い方を考えさせます。<br />
<br />
それぞれの店が内包する、そこだけの物語。そのためだけに足を運ぶ価値を感じさせる唯一無二の名店たちです。<br />
<br />
さらに5回目を迎えるにあたり、少しずつ変化も見えてきました。<br />
<br />
たとえば選出された店の顔ぶれに、地方の奥地だけでなく都市近郊やベッドタウンのレストランの名も散見されること。『ノンナ ニェッタ』（茨城県つくば市）、『レストランKAM』（埼玉県川口市）など、いずれも都市生活と地元の素材をつなぐ舞台となっています。そこにあるのは、気軽に足を伸ばせる距離の中に特別な体験を用意される新たな美食の形。食を起点に、人々の行動半径は確かに広がっています。それは、一度は「食を目的とした旅」という非日常になった食が、再び日常の延長線上に戻ってきたことを示唆しているようです。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4456_20250610130205_6847ae3d6a68d" alt=""></p><figcaption>壇上で受賞の喜びを語る『ひまわり食堂2』の田中穂積氏。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4456_20250610130207_6847ae3f7f5b2" alt=""></p><figcaption>『ひまわり食堂2』の料理の一例。田中氏のアイデアやユーモア、食材に対する真摯な思いが皿の上に結実されている。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4456_20250616145153_684fb0f9d820c" alt=""></p><figcaption>左上：『茶路めん羊牧場』に併設された『ファームレストラン クオーレ』。飼育から調理まで一貫して行うことで、内臓など新鮮でなければ食べられない部位まで味わえる。<br />
右上：『田舎の大鵬』は1日1組限定。ゲスト自ら鶏を絞めるという鮮烈な体験から始まるコースには「食とは命をいただくこと」というメッセージが込められている。<br />
右下：手打ちパスタをはじめ、チーズや生ハムにいたるまで自家製にこだわる『ノンナ ニェッタ』。つくば市の住宅街で、伝統的なイタリアの味に触れられる。<br />
左下：『レストランKAM』は、店主・本岡将氏が祖父の古民家を利用してオープンしたファーム・レストラン。自家菜園の野菜を、南仏仕込みの技術で調理する。</figcaption></figure>
<h4><span></span>食がつなぐ地域の未来と営み。</h4><p>この『Destination Restaurants』によって光を当てられることで今、地方のレストランは単なる観光資源にとどまらず、地域の文化や経済の再生装置としての役割を強めつつあります。<br />
<br />
消えかけた在来食材の復活、新たな生産者との出会い、そして若き料理人たちの挑戦。土地ごとに次々と新たな物語が紡ぎ出されています。<br />
<br />
愛媛県松山市の『くるますし』は、瀬戸内の豊かな海の恵みと職人の研ぎ澄まされた技が響き合い、大分県別府市の『日本料理 別府 廣門』では、湯の町の静謐な空気感と繊細な和の美意識が一皿に凝縮されます。山形県南陽市、3室だけのオーベルジュ『オステリア シンチェリータ』は食を軸にした宿泊で、より濃厚な地元文化との接触を提供します。石川県小松市の『オーベルジュ オーフ』もまた、加賀の伝統と現代の感性を重ね合わせた一皿で、北陸の新たな美食文化を紡いでいます。さらに鹿児島県鹿屋市の『センティウ』では、南九州の力強い食材がイタリア料理の技法と交わり、ここでしか味わえない表現が生まれています。<br />
<br />
料理とは、単に空腹を満たすものではなく、作り手の哲学と土地の息遣いに触れる行為でもあります。遠くの地へ旅でも、少し足を伸ばした日常でも、日本のどこかには心揺さぶる食の物語が待っているかもしれません。<br />
<br />
その一皿の向こうに広がる物語が、これからの食の未来を照らしてくれるに違いありません。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4456_20250610131105_6847b059a5339" alt=""></p><figcaption>老舗『くるますし』を現在守るのは、銀座『鮨よしたけ』で江戸前寿司を学んだ2代目。愛媛県産を中心に瀬戸内海や太平洋で揚がる四国の魚介類をおまかせコースで。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4456_20250610131105_6847b05907112" alt=""></p><figcaption>『日本料理 別府 廣門』の店主・廣門泰三は『柏屋 大阪千里山』で料理の道に入り、蕎麦打ちの名人として名高い高橋邦弘に師事。その後『銀座しのはら』で2番手を務めた経歴の持ち主。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4456_20250610131106_6847b05a16e6f" alt=""></p><figcaption>3室のみのオーベルジュ温泉旅館『オステリア シンチェリータ』。山形牛をはじめ、土地で育った食材で作る料理で注目を集める。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4456_20250610131104_6847b058c52c3" alt=""></p><figcaption>廃校になった元小学校舎を利用した全国的にも珍しいフレンチのオーベルジュ『オーベルジュ オーフ』。地元食材と地元酒蔵の酒や糀などを組み合わせた料理が登場する。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4456_20250610131106_6847b05a4c8b6" alt=""></p><figcaption>鹿児島県南部、大隅半島の中程に位置する鹿屋市のイタリアン『センティウ』。使用食材の9割が大隅半島産という地域密着型の美食を提供。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4456_20250610130207_6847ae3f0c9f8" alt=""></p><figcaption>歴代の「The Destination Restaurant of the year」受賞シェフたちも会場にかけつけた。中心の田中氏を祝うのは左から『L&rsquo;&eacute;vo』谷口英司氏、『Villa Aida』小林寛司氏、『HAGI』萩春朋氏、『ELEZO ESPRIT』佐々木章太氏。</figcaption></figure>
<p><br />
Text：NATSUKI SHIGIHARA</p>

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<title>壊すによって生まれた節目。真逆を歩む、ふたりの人生。</title>
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<pubDate>Tue, 13 May 2025 15:00:00 +0900</pubDate>
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<p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4438_20250513121859_6822ba230f1a9.thumb" alt=""></p>
<p>2025年3月末。あるレストランが、一度、幕を閉じました。「ALTER EGO」です。一度、という表現をした理由は、建物を建て替え、新たにスタートするため。

「ALTER EGO」は、イタリアで活動する「Ristorante TOKUYOSHI」もとい、「BENTOTECA」のオーナーシェフ・徳吉洋二氏が日本で唯一展開するレストラン。「Ristorante TOKUYOSHI」と「BENTOTE...</p>
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<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4438_20250513121859_6822ba230f1a9" alt=""></p><figcaption>「ALTER EGO」建て替えにともない、「最初に壊すのは自分たちで」と一撃を打つ、オーナー・徳吉洋二氏と「傳」長谷川在佑氏。</figcaption></figure>
<h4><span>ALTER EGO&times;傳</span>徳吉洋二の挑戦。見届け人は長谷川在佑。</h4><p>2025年3月末。あるレストランが、一度、幕を閉じました。「ALTER EGO」です。一度、という表現をした理由は、建物を建て替え、新たにスタートするため。<br />
<br />
「ALTER EGO」は、イタリアで活動する「Ristorante TOKUYOSHI」もとい、「BENTOTECA」のオーナーシェフ・徳吉洋二氏が日本で唯一展開するレストラン。「Ristorante TOKUYOSHI」と「BENTOTECA」に関しては、後ほど触れるとし、まずはこの業態での「ALTER EGO」営業最終日、別れを惜しむのではなく、次への期待に胸膨らむゲストたちを招きます。<br />
<br />
カウンターの中には、「ALTER EGO」のシェフ・平山秀行氏をはじめ、徳吉氏も来日。そして、「傳」オーナーシェフ・長谷川在佑氏の姿も。なぜなら、ここは、元「傳」。遡ること2019年、「ALTER EGO」は、「傳」から継ぎ、この場をスタートさせたのです。<br />
<br />
「だから、長谷川さんには、この建物の最後を見届けて欲しかった」と徳吉氏。<br />
<br />
現「傳」は、ここから移転した場であり、そこは、元「ル・ゴロワ」だったということを知る人は少なくない。<br />
<br />
「ル・ゴロワは、女将さんとずっと通い続けていた大好きなレストランでした。誕生日や記念日など、たくさんの思い出があります。そんなル・ゴロワが移転しまうと伺い。この場が誰かに渡り、万が一、なくなってしまったら&hellip;&hellip;。であれば、自分が継ぎたい。そう思ったんです」と長谷川氏。<br />
<br />
ゆえに、ドアには、「ル・ゴロワ」の刻印が未だ残されたまま。店名を冠した傳サラダも「ル・ゴロワ」へのオマージュだ。そんな継ぎ方も長谷川氏なりの流儀なのかもしれない。<br />
<br />
「自分以外にもル・ゴロワを愛していたお客様はいらっしゃいます。そんな方々が想いを寄せる足跡を無くしてはいけない」。<br />
<br />
空間においても、当時の面影を残しながら、約9年、同じ時を重ね続けています。<br />
<br />
「ALTER EGO」においても同様の想いで継がれてきましたが、今回は、様々な理由により建て替え。であれば、「ふたりで最初に壊す」というのが、徳吉氏と長谷川氏が再会したもうひとつの理由でした。<br />
<br />
継いでもらう場だけでなく、継ぐ場も経験した長谷川氏。そして、本場イタリアにおいて、日本人で初めて星を獲得した「Ristorante TOKUYOSHI」から「BENTOTECA」への急転向と「ALTER EGO」建て替えという大勝負。その間には、世界中を恐怖に陥れたコロナ禍&hellip;&hellip;。<br />
<br />
過去の点が線になり、壊すによって生まれた節目。それは、奇しくも、ふたりがこれからの人生を考える大きな機会となりました。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4438_20250513121859_6822ba23ebae5" alt=""></p><figcaption><span style="background-color:white">「傳」の挨拶代わりのスナック。味噌漬けにしたフォアグラ、ビネガーでしっかりと締めた鰯、ブラッドオレンジのジャムを忍ばせた最中</span>。<span style="background-color:white">鰯と相性の良いオレンジをジャムにすることで、フォアグラとも調和。イタリアと日本の融合を彷彿とさせる品。</span></figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4438_20250513121900_6822ba242bc26" alt=""></p><figcaption><span style="background-color:white">石鯛 生ハム</span> <span style="background-color:white">お造り。</span>「ALTER EGO」<span style="background-color:white">オープン当初のスペシャリテをアレンジ。当時は鮪中トロを使用していたが、今回は「サスエ前田魚店」より、回遊の石鯛を寝かせ、さっと醤油にくぐらせたものと合わせる。擦りたての18ヶ月熟成の黒豚の生ハムとともに。</span></figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4438_20250513121900_6822ba245befb" alt=""></p><figcaption><span style="background-color:white">フルーツかぶ ズワイガニ。糖度の高いかぶと合わせるパンナコッタは、ズワイガニのほぐし身、鰹節を効かせた酢ゼリー、マリネしたかぶ、ディルオイルなどを合わせたもの。本来はドルチェだが、今回は冷菜として供す。</span></figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4438_20250513121900_6822ba24c1d0a" alt=""></p><figcaption><span style="background-color:white">「傳」のスペシャリテ、傳タッキー。今回の中身は、餅米に自家製ドライトマト、アンチョビ、オレガノ、水牛モッツァレラなど、イタリアンのテイストに。</span></figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4438_20250513121901_6822ba2531361" alt=""></p><figcaption><span style="background-color:white">金目鯛 チーマディラーパ。上記の石鯛同様、金目鯛も「サスエ前田魚店」より。チーマディラーパとは、イタリア野菜のことであり、日本の菜花に似た野菜。それをピューレ状にし、鰹出汁と合わせて擦り流しの仕立てで。鰹出汁で優しく火入れした金目鯛をスープとミントオイルとともに。</span></figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4438_20250513122759_6822bc3f6cca9" alt=""></p><figcaption><span style="background-color:white">ホワイトアスパラガス ルッコラ。炭火で焼いてから出汁醤油に浸した香川のホワイトアスパラガスのお浸しの上にルッコラを覆う。胡麻風味の白和えや文旦も加え、最後に生ハムを添えて。</span></figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4438_20250513121858_6822ba2249ea6" alt=""></p><figcaption><span style="background-color:white">眠り鹿 ふきのとう。福岡の本州鹿のロースを炭焼きに。そして、鹿のフォン、炭火で炙ったほぐした芽キャベツ、ふきのとう味噌を合わせる。皿の上部には、ピンクレディという品種のりんごを使ったスパイシーなジャムを添える。</span></figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4438_20250513123140_6822bd1ccf923" alt=""></p><figcaption><span style="background-color:white">土鍋ご飯　オッソブーコ。延岡のサフランで香りをつけた土鍋ご飯に牛骨髄で炒めた筍を加える。オッソブーコとは、ミラノの郷土料理で仔牛のスネ肉の煮込み。地元では、サフランのリゾットと一緒に食べる料理だが、今回は土鍋ご飯でサフランリゾットを表現。</span></figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4438_20250513121858_6822ba228534c" alt=""></p><figcaption><span style="background-color:white">2</span><span style="background-color:white">年熟成からすみ 赤葉玉ねぎ 締めのスパゲッティーニ。徳吉氏が家で作るパスタを今回メニューに採用。サッと炒めた赤葉玉ねぎを使ったアーリオオーリオに仕立て、</span>「ALTER EGO<span style="background-color:white">」で仕込んだ2年熟成からすみをたっぷりと削り、レモンゼスト、パセリを合わせる。</span></figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4438_20250513121858_6822ba22c51a3" alt=""></p><figcaption><span style="background-color:white">苺 桜。甘味には、ナポリの伝統菓子ババを。ブリオッシュ生地に酒粕のシロップをたっぷりと含ませ、埼玉「矢島農園」のあまりんという苺、桜ゼリー、煎茶の香りをつけたミルクジェラート、ホワイトチョコカスタードを合わせる。最後に「新政酒造」の貴醸酒 陽乃鳥をかけていただく。</span></figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4438_20250513123141_6822bd1d81afb" alt=""></p><figcaption>この日、徳吉氏や「ALTER EGO」のシェフ・平山秀行氏、ソムリエ・松本時宙氏のほか、「傳」からは長谷川氏以外にも女将さんやスタッフもキッチンやサービスに立つ。息のあった両チームは、心地良いグルーヴを店内に生む。</figcaption></figure>
<h4><span>ALTER EGO&times;傳</span>「ファインダイニングの幕引き。勝負に出るなら今しかない」徳吉</h4><p>「Ristorante TOKUYOSHI」は、順風満帆。それを一気に覆したのがコロナ禍のパンデミックでした。イタリアにおいては、死者が3万人を超え、世界第3位。EU加盟国では最多という状況。街はロックダウンし、自体は急速に変化しました。当時、徳吉氏はレストランを改装しばかりとう状況もあり、頭を抱える日々でしが、「医療従事者が本気で戦っている姿を見て、自分は自分にできることで本気になりたい」という意志が芽生えたと、当時を振り返ります。<br />
<br />
そこで、医療従事者へ食事＝弁当を提供する<a href="https://www.onestory-media.jp/post/?id=3656"><u>活動</u></a>を開始。これが、「BENTOTECA」のはじまりです。<br />
<br />
「Ristorante TOKUYOSHI」の徳吉氏は、「料理に対しても、レストランに対しても、エゴが強かった」と語るも、目に見えないウイルスには手も足も出ず。しかし、「BENTOTECA」を通し、レストランの語源でもあるレストレのごとく、食べ手を豊かにする料理、求められる料理の喜びを知ることになりました。<br />
<br />
「その時です。ファインダイニングという存在について、改めて考えるきっかけになったのは。このまま続けることによって、どこを目指すのか。続けることによって、自分は何が残せるのか」。<br />
<br />
当時、徳吉氏は40代半ば。イタリアでは、50歳になるシェフはレジェンド扱いされることも少なくなく、「そのステージへの拒否反応もありました。レジェンドとは、言わば、頂点。崇められる一方、もう成長はないとも捉えられるのが嫌だった」と言います。<br />
<br />
ゆえに、レジェンドは、シェフからブランドになることも多い。その結果、必ずしもキッチンにいない現象が生まれ、店舗を拡大する方向へと舵を取る。<br />
<br />
一方、「そうでない文化が日本」だと、徳吉氏は分析します。<br />
<br />
「日本のレストランは独特の文化だと思います。例えば、カウンターのみの小さい坪数、席数という形態は、イタリアはもちろん、世界でも稀有なスタイルではないでしょうか。だから、料理以外に、人との関係が強い。食べに行くだけでなく、会いに行くという行為が生まれる」。<br />
<br />
ワンオペやご夫婦で営んでいるレストランは、最たるものだと思います。著名レストランにおいても、店舗拡大しているところは極めて少ない。それほどまでに、日本ではレストラン＝シェフという存在が絶対なのかもしれません。<br />
<br />
「傳」においても同様。あの空間は、長谷川在佑という存在があって成立するため、「傳」という名だけが一人歩きすることはないでしょう。<br />
<br />
前出、これまでになかった料理の喜びを知った徳吉氏は、もうひとつ、才能を開花させました。ビジネスです。<br />
<br />
「コロナ禍を経て、一番になる必要はない。頂点に立つ必要もない。そんな考えになりました。勝負に出るなら今しかない。そこで、BENTOTECAに転換する決断をしました」。<br />
<br />
「BENTOTECA」の料理は、基本的に和食。特徴は、イタリアで作られた日本の食材を起用しているところです。シグネチャーメニューは、牛タンのカツサンド。そのほか、牛骨髄と塩辛のブルスケッタ、マグロの赤身、中とろ、そして、鳩や鴨を使用したメイン&hellip;&hellip;。和食と言えど、「Ristorante TOKUYOSHI」の感性は宿ります。ですが、最初から順調だったわけではありません。<br />
<br />
「業態変更してからは、8人しかゲストが来ない日もありました。そこから改善に改善を重ね、今では、Ristorante TOKUYOSHIの売り上げ3倍。ウエイティングリストが600人を超えることもあります」。<br />
<br />
それだけではありません。そのカツサンドを専門にした「<span style="background-color:white">Katsusanderia isola</span><span style="background-color:white">」、「</span><span style="background-color:white">Katsusanderia sidewalk kitchen</span><span style="background-color:white">」</span>もオープン。勢いは止まらず、現在は、「<span style="background-color:white">Pan</span><span style="background-color:white">」、「</span><span style="background-color:white">Piccolo Pan</span><span style="background-color:white">」</span><span style="background-color:white">(</span><span style="background-color:white">3</span><span style="background-color:white">店舗</span><span style="background-color:white">)</span><span style="background-color:white">、「</span><span style="background-color:white">Mogo</span><span style="background-color:white">」</span>と、「BENTOTECA」を含め、ミラノに8店舗展開。独自の手法で店舗拡大を実現させました。<br />
<br />
「思考を切り替え、一気に世界が広がりました。Ristorante TOKUYOSHI の時は、このレストランとイタリア料理のことしか頭にありませんでした。イタリアで日本の食材を使う考えもありませんでしたし、ミラノで和食をやるというイメージもありませんでした。ですが、コロナ禍を経て、自分は日本人として、この場に何が残せるのか。そう考えた時、日本の文化だと思ったんです。ALTER EGOにおいては、その逆を考えており、仔牛、チェダーチーズ、ラディッキオなど、日本で作られたイタリアの食材を起用したいと考えています。改めて、イタリア料理を日本で表現する意義を追求したいと思います」。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4438_20250501120257_6812e461c0077" alt=""></p><figcaption>2020年5月。コロナ禍、医療従事者に食事を届ける活動を開始。当時、「<span style="background-color:white">社会貢献が目的ではありませんでした。ただ、本気の人を本気で支援したかった、僕なりの本気で応えたかっただけなんです」という言葉を残している。</span></figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4438_20250513123142_6822bd1e29c69" alt=""></p><figcaption>全て資金は持ち出しだったが、続けるに連れ、食材を支援してくれる生産者も現れ、輪が広がっていった。当時、<span style="background-color:white">「経営的には苦しいですが、将来のスキルになればそれでいい。時にプライドを捨て、リスクを恐れず新たな挑戦をすることや環境に順応する能力も必要。今の努力は、きっと将来返ってくると信じています」と話していた徳吉氏。その言葉通り、努力は報われ、現代において飛躍的に進化。ビジネスという新たなスキルも身に付けた。</span></figcaption></figure>
<h4><span>ALTER EGO&times;傳</span>「料理に興味を持てなくなったら、未練なく辞める」長谷川</h4><p>長谷川氏は、店舗拡大に取り組む徳吉氏とは、真逆の人生を歩んでいると言えるのではないでしょうか。しかし、「1店舗だけでは限界がある」という実情は、長年の課題であり、その意識は常に持つ。<br />
<br />
「長くやらせていただくと、ありがたいことにお客様が増えていきます。ですが、席数は限られており、何とかしたいとは常に考えています」。<br />
<br />
以前の場で約9年、今の場で約9年。未だ、「傳」は多店舗展開の予定はない。しかし、それを補う手法として生まれたのが、盟友「Florilege」のオーナーシェフ、川手寛康氏と始めた「デンクシフロリ」です。2020年に開業し、現在はバンコクにも展開しています。<br />
<br />
「傳を多店舗展開する考えはありません。ですので、イズムを継いだメンバーによる多店舗展開という手法を自分は選択しました」。<br />
<br />
ゆえに、今後、もし「傳」から巣立つ弟子などが生まれれば、その可能性は、より広がるのかもしれません。<br />
<br />
「BENTOTECA」も然り、「デンクシフロリ」もまた、コロナ禍に<a href="https://www.onestory-media.jp/post/?id=3712"><u>活動</u></a>。ふたりは、「あの時にどんな行動を起こし、どんな決断をしたか。それが今に繋がっている」と話します。<br />
<br />
日本においては、自粛要請の期間が長く、営業するか否かは、レストランに委ねられていました。この二者択一に大きく意見が割れた現象も勃発しましたが、「傳」は営業を選択。「本当にお客様に助けられました」と語り、当時のお客様との関係は今なお続く。<br />
<br />
「あの時、営業する決断をして、本当に良かった」。<br />
<br />
国は違えど、そんな難局を経て、現在も第一線で活躍し続ける長谷川氏もまた、徳吉氏と同世代。現在、40代後半に差し掛かり、人生を振り返ることもしばしば。そして、「シェフをいつまで続けるのか」という難問と向き合うこともあると言います。<br />
<br />
最近においては、2025年2月末。「コートドール」のオーナーシェフ、斉須政雄氏が長い歴史に幕を下ろしました。御年74歳の出来事です。「傳」においても、最後の場をイメージすることはあるのか。<br />
<br />
「正直、今はわかりません。ここに居続けるのか、それとも、また移転するのか。ただ、これに関しては、ご縁だと思っています」。<br />
<br />
一見、計画性のない発言のようにも受け取れますが、過去の場を紐解くと、これが長谷川在佑たる所以かと思わずはいられない事実も。修行時代の「うを徳」は神楽坂、独立し、開業した「傳」は神保町。そして、移転した現在の場は、神宮前。運命のいたずらか。全てにおいて、「神」が付く。(「デンクシフロリ」においても、神宮前)<br />
<br />
「お客様、スタッフ、家族、皆様のおかげで、ここまで来ることができたと感じています。自分の意志も大事ですが、自分の場合、大きな選択の時には誰かに導いていただいたような気がします。自分以外の誰かに身を任せるということは、これからも大事にしたいと思っています」。<br />
<br />
この言葉を伺い、この場＝現「傳」に宿る何かを感じざるを得ない。なぜなら、「ル・ゴロワ」の大塚ご夫妻もまた、当時の常連、脚本家の倉本聰氏によって、導かれるように富良野へ。50代半ばの決断であり、現在、シェフの健一氏は、御年60歳を優に超える。本人の確認は得ていませんが、シェフ人生として、富良野を最後の場に選んだのではないでしょうか。<br />
<br />
そう考えると、長谷川氏に「最後の場をイメージすることはあるのか」と問いたのは時期早々だったかもしれません。しかし、前出の回答の後、ふたつ、明確な答えを述べてくれました。<br />
<br />
「最後の場は、どこになるか分かりませんが、確実に言えることは、東京であるということ。自分も女将さんも東京生まれ、東京育ち。最後も生まれ育った故郷で料理を作り続けていると思います。そして、もうひとつ、引退について。これは、いつか分かりませんが、年齢に関係なく、料理に興味を持てなくなった時は、最後だと思っています。その時は、未練なく辞められると思います」。<br />
<br />
もちろん、そんな日が来ないことを願って。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4438_20250501120300_6812e4641b2dc" alt=""></p><figcaption>2020年8月、「デンクシフロリ」開業に向け、工事のチェックに訪れた長谷川氏と川手氏。当時、「<span style="background-color:white">実は、一緒にお店をやれたらいいねという話は、10年以上前からしていて。でも、そのタイミングはいつまでにやるとかそういうことは決めていなくて、自然に身を任せながら良きタイミングが訪れた時にと思っていました」とふたりは話す。身をまかせることやご縁は、長谷川氏にとって一貫していたことが伺える。</span></figcaption></figure>
<h4><span>ALTER EGO&times;傳</span>場が生む、社会との交錯。</h4><p>久々に元「傳」のキッチンで料理をした長谷川氏。<br />
<br />
「ここに立つと色々なことを思い出しますね。頭に浮かぶのは、なぜか苦い思い出ばかりですが(笑)」。<br />
<br />
やはり、この場は、今なお、長谷川氏にとって大事な場。キッチンに立ち、改めて、それを確信したのはないでしょうか。当時を振り返り、「神宮前に移った後も、次に譲ることなく、持て余していた時間もあった」と言います。なぜなら、自身が「ル・ゴロワ」を継いだ理由と同様、この場を無くしてしまいそうな人には継いでほしくなかったから。その時に、徳吉氏が名乗りを上げたのです。<br />
<br />
「徳吉さんならと思い、ぜひ、継いでいただきました。それに、自分もまた還ることができる。今度は、お客さんとして」。<br />
<br />
しかし、ひとつ素朴な疑問が浮かびます。そんな大事な場を、なぜ建て替えてしまうのか。いや、建て替えることができたのか。ここにも、徳吉氏のビジネス思考の選択と決断がありました。<br />
<br />
レストランの多くは賃貸物件。この場もそうでした。しかし、今回、徳吉氏は、持ち主と協議し、物件を購入。だから、建て替えることができたのです。<br />
<br />
「賃貸契約は、大体3〜5年。その多くが更新されるとは思いますが、約束されているわけではありません。多額を投じ、改装しても、更新されない可能性もあります。その不安を無くしたい気持ちは常にありました」。<br />
<br />
購入の決断は、この場に根ざすということも意味します。ゆえに、長い将来を考え、建て替えを行う。<br />
<br />
「場がなくなっても、人はいる。それに、自分にとっての大事な場を、徳吉さんがずっと守ってくれることは、この上なく嬉しい」と長谷川氏。<br />
<br />
そして、新生「ALTER EGO」を皮切りに、徳吉氏の構想はもっと壮大に膨らむ。<br />
<br />
「日本でもっと多店舗展開したいと思っています。それは、ALTER EGOのようなレストランに限らず、例えば、ミラノで展開しているカツサンド専門店かもしれません。お店を作ることによって、人の流れを生んだり、街の風景になったり。それが結果として、文化になったり。そんな活動を日本でしていきたい」。<br />
<br />
良い店作りから、良い街作り、文化作りまで、視野を広げた徳吉氏は、レストランの意義を社会レベルで見定めています。さぁ、勝負はこれからだ。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4438_20250513121900_6822ba24f2604" alt=""></p><figcaption>古巣のキッチンに立つ長谷川氏。見る人が見れば、グリラーに貼られたステッカーも懐かしい。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4438_20250513121859_6822ba23b3d45" alt=""></p><figcaption>長きにわたり、「傳」から継いだ場で活動してきた「ALTER EGO」。「色々な思い出が走馬灯のように頭をめぐる」と徳吉氏。</figcaption></figure>
<h4><span>ALTER EGO&times;傳</span>「自分だけの芯を持つこと」長谷川</h4><p>星、トック、ランキング&hellip;&hellip;。徳吉氏と長谷川氏は、数々の名声を受け、世界から評価されているシェフです。これは、誰もが納得する、紛れもない事実と言って良いでしょう。<br />
<br />
しかし、数や順位は、落ちる時もある。そこに執着せず、自分らしくいるためには、どうすれば良いのか。「それは芯を持つこと」。<br />
<br />
「レストランという見える場がある一方、見えない場に重きを置かれてしまうこともあると感じています。その最たるものが、スマートフォン、ソーシャルネットワークなどではないでしょうか。検索すれば、簡単に調べられるため、誰かと比べてしまう現象が生まれていると感じています。しかし、そこで勝負しても意味がない。本質はそこにない」と長谷川氏。<br />
<br />
他所が星を獲った、あそこは何位だった。例え、耳を塞いでも、目を瞑っても、情報が流入してしまう現代において、知ることによって、無意識に比べてしまうのかもしれません。実体の見えない声は、大きさを増し、その現象は大袈裟ではなく、恐怖や狂気、時に暴力にもなる。これは、メディアにおいても、問題視すべきことだと強く認識します。そして、徳吉氏もまた、言葉を続けます。<br />
<br />
「自分だけの点を持たなければいけない。それは誰も踏み入れることができない絶対領域。それがオリジナリティにつながる」。<br />
<br />
長谷川氏は「芯」、徳吉氏は「点」という表現をしましたが、見解は同様。「それを持つことができれば、何があってもブレずに強くなる」とふたり。<br />
<br />
言わんとしていることは理解できますが、難易度マックス。「これを若いシェフたちにも持って欲しい」と、さらにふたりは言います。<br />
<br />
「最初は、誰かと比べたり、競争したり、勝負したりということも良い経験になるかもしれません。しかし、意志がないと流される。その先にある自分を見つけなければ、長く続けることはできないと思います。例え、レストランを開業できたとしても、そこがゴールではない。料理の技術を磨くことも大事ですが、人間力を磨いてほしい」と長谷川氏。<br />
<br />
長谷川氏もまた、人間力を磨いた経験を持つ。「うを徳」の修行時代です。何が印象に残っていたかと聞くと、「靴並べや掃除、挨拶など」という回答が。「今、振り返ると、うを徳では、料理のことはもちろんですが、人として生きる上で大事なことを育ててもらったような気がします」。<br />
<br />
そして、「うを徳」から独立する際、ある人との出会いもまた、「人生の指針になっている」と言う。故・中村勘三郎氏(当時・中村勘九郎)からいただいた言葉です。<br />
<br />
「おにいちゃんは、ここで修行したんだから、型はできている。自信を持って好きなことをやりな。歌舞伎と一緒。型があるから、型破り。型がないと形無し」。<br />
<br />
型破りの好例は、傳タッキーではないでしょうか。「当時は、日本料理の方々にたくさん批判されました」。周囲に飲まれ、辞めていたら駄作となっていたかもしれませんが、続けることによって、今は名作に。「行動次第で、失敗となるか、経験となるか、意味が違ってくる」。その行動を貫ける源は何か。芯です。<br />
<br />
「食材との向き合い方も然り、ただ仕入れるだけか、収穫まで経験するか。例えば、同じ山菜も命が生まれる山中の場を知るか知らないかで扱い方も変わります」。<br />
<br />
また、「傳」の魚は、多くの名シェフから絶大な信頼を得る前田尚毅氏率いる「サスエ前田魚店」のもの。鮮度にこだわる前田氏は、寝かせる魚を好みませんが、長谷川氏は、敢えて、それを行います。<br />
<br />
「鮮度が良いのはわかりますが、それは地元のお店で食べる方がより美味しい。東京で前田さんの魚を食べる意義を見出したい」。<br />
<br />
それができるのもまた、芯があるから。<br />
<br />
「人生も折り返し地点。自分が教わってきたことを、今度は自分が傳(つた)える番。そんなことにも尽力したいと思っています」。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4438_20250513121900_6822ba248c5bf" alt=""></p><figcaption>リリース当時は、批判もあったと言う傳タッキー。今では「傳」のシグネチャーメニューとなり、秘傳の愛情スパイスは、多くの人を虜にしている。「諦めてしまうから失敗になる。何事も諦めなければ達成できる」と長谷川氏。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4438_20250513121858_6822ba220de86" alt=""></p><figcaption>平山氏の奥で盛り上がる「傳」チーム。「自分が教わってきたことを、今度は自分が傳(つた)える番」と話す長谷川氏が、まず最初に傳える対象となるのはスタッフ。ゲストの名前は必ず覚え、元気良く呼ぶ姿やきめ細やかなサービス、ハキハキとしたスタッフ同士の声がけ&hellip;&hellip;。常に笑顔が絶えない「傳」には、ルールと自由が程よく混在し、独自の心地良さを作り上げる。「うちのスタッフには、他所では見ることができない世界を見せてあげたい」。傳タッキーよろしく、長谷川氏はスタッフにも秘傳の愛情スパイスを注ぐ。</figcaption></figure>
<h4><span>ALTER EGO&times;傳</span>「癌が人生を変えてくれた」徳吉</h4><p>徳吉氏を大きく変えた出来事、それは、これまで綴ってきたよう、コロナ禍における出来事でした。しかし、それが一番ではありません。<br />
<br />
2018年に宣告された、癌です。<br />
<br />
「舌癌だったため、シェフとしても生きられない。そう思いました。その時に思ったんです。もし自分が死んだら、何が残せるのか」。<br />
<br />
この経験が、徳吉氏を大きく変えました。<br />
<br />
舌癌においては、早期発見だったため、舌の一部を切除するにとどまり、味覚にも影響なし。今も無事に料理と向き合うことができています。<br />
<br />
「自分がいなくなった時のことを考え始めたのがきかっけで、レストランを変化しました。コロナ禍だけであれば、カツサンド屋でなく、パスタ屋を展開していたかもしれません」。<br />
<br />
これまでの自分に執着せず、前述、「自分だけの点」を探し出せたのは、癌がきかっけ。変化したのは、レストランでなく、徳吉氏自身だったのです。<br />
<br />
「ALTER EGO」とは、分身という意味を持ちますが、そのほかにも、別人格、もうひとりの自我という意味も持ちます。今の徳吉氏こそ、まさに「ALTER EGO」のよう。<br />
<br />
そして、長谷川氏と同様の質問を徳吉氏にも問いてみました。最後の場をイメージすることはあるのか。<br />
<br />
「イタリアです。ただ、シェフじゃない可能性もありますけどね」。<br />
<br />
さらりと驚愕の発言を出せることもまた、「自分だけの点」があるからこそ。<br />
<br />
徳吉氏と長谷川氏が言う「自分だけの点」と「自分だけの芯」における、「点」と「芯」とは、具体的に何なのか。<br />
<br />
「これを言い当てられたら、もっと成長できるんですけどね」と長谷川氏。<br />
<br />
「もう少し時間をかけて探したい」と徳吉氏。<br />
<br />
ふたりは、まだ言語化に至りませんでした。いや、もしかしたら、本当はその言葉を持っているのかもしれないと疑うのは勘繰り過ぎか。<br />
<br />
「僕たちは、感覚的なところがありますからね(笑)」と、ふたり。<br />
<br />
いつか、その解を聞いてみたい。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4438_20250513121859_6822ba2382c89" alt=""></p><figcaption>「ALTER EGO」最終日には、「傳」からは長谷川氏以外にも多くのスタッフが参画。再オーオプンは、2025年7月予定。神保町に新たな風景が生む。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4438_20250513121859_6822ba2350bd0" alt=""></p><figcaption>「Ristorante TOKUYOSHIを続けていたら、自分は何も残すことができなかったかもしれない」と徳吉氏。「君子は日に三転すではありませんが、目指すゴールは変わっても良い。止まらないことが大事」と長谷川氏。多くの経験から練り出されたふたりの言葉は、重く、深い。</figcaption></figure>
<p><br />
Photographs：KENTA YOSHIZAWA<br />
Text：YUICHI KURAMOCHI</p>

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</item>
<item>
<title>シェフによる、シェフのための宴。スターシェフが一堂に会する“あり得ない夜”。［The Chefs Gathering／東京都渋谷区］</title>
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<pubDate>Mon, 12 May 2025 10:00:00 +0900</pubDate>
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<description>
<![CDATA[
<p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4439_20250501153351_681315cf37f3c.thumb" alt=""></p>
<p>とある日曜の夜、渋谷『TRUNK(HOTEL) CAT STREET』のバンケット・キッチン。クラブのように派手に飾られたその場所で、秘密の宴が始まろうとしていました。

まず会場で出迎えるのは100kg超級の本鮪。添えられた『やま幸』の競り札を見るまでもなく、ひと目で最高峰の逸品だと伺えます。煌めくネオンの照明、ガンガンと鳴り響く音楽、ずらりと並ぶドン ペリニヨン。さらに参加者の顔を見ると、さら...</p>
<p><a href="https://www.onestory-media.jp/post/?id=4439" target="_blank"><b>続きを読む</b></a></p>
]]>
</description>
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<![CDATA[
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4439_20250501153351_681315cf37f3c" alt=""></p><figcaption></figcaption></figure>
<h4><span></span>ホテルのバンケットキッチンが、クラブに。</h4><p>とある日曜の夜、渋谷『TRUNK(HOTEL) CAT STREET』のバンケット・キッチン。クラブのように派手に飾られたその場所で、秘密の宴が始まろうとしていました。<br />
<br />
まず会場で出迎えるのは100kg超級の本鮪。添えられた『やま幸』の競り札を見るまでもなく、ひと目で最高峰の逸品だと伺えます。煌めくネオンの照明、ガンガンと鳴り響く音楽、ずらりと並ぶドン ペリニヨン。さらに参加者の顔を見ると、さらなる驚きが待っています。それは日本を代表する、文字通りのトップシェフの面々。<br />
<br />
あり得ない宴。奇跡の夜。<br />
<br />
この『The Chefs Gathering』を知る人の多くは、そう語ります。<br />
<br />
2017年に初開催された、シェフによる、シェフのための宴。5回目となる『The Chefs Gathering 2025』が、幕を開けました。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4439_20250501153351_681315cf748c7" alt=""></p><figcaption>会場で参加者を出迎えた塩釜の巨大な本鮪。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4439_20250501153352_681315d006535" alt=""></p><figcaption>仕掛け人の本田氏、『TRUNK(HOTEL)』の野尻氏の挨拶で幕を開けた。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4439_20250501153352_681315d0475e2" alt=""></p><figcaption>開始直後からボルテージは最高潮。シェフ同士の交流で賑わう。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4439_20250501153351_681315cfb5bd7" alt=""></p><figcaption>協賛はドン ペリニヨン。ドリンクサーブはドリンクディレクターの大越基裕氏が担当した。</figcaption></figure>
<h4><span></span>自ら料理し、振る舞うシェフのためのイベント。</h4><p>この『The Chefs Gathering』には基本的に、ただのゲストはいません。シェフたちは自ら料理をつくり、他のシェフたちに振る舞うのです。<br />
<br />
バンケットキッチンのそこかしこに、無造作に並べられる完成した料理。皿が足りなければバットに盛られ、できたそばから手渡しで。それほどラフな雰囲気ではあっても、集うのはトップシェフたち。笑い合い、語り合い、ふざけ合いながらも、一度包丁を持てば一切の妥協なく自身の技術を料理に込めるのです。<br />
<br />
『フロリレージュ』の川手寛康氏は、広島産のモリーユ茸に鰯を合わせ、シェフたちを驚かせました。パリからやってきた『Pages』の手島竜司氏はバジルオイルで仕上げたウフマヨ。ミラノ帰りの徳吉洋二氏は、イタリアの生ハムと鮪を合わせた一品を仕上げます。『鮨しゅんじ』の橋場俊治氏は、『やま幸』の山口幸隆社長が捌いたばかりの鮪を次々と握ります。『里山十帖』の桑木野恵子氏は、『cenci』の坂本健氏とコラボするために、地元新潟の山菜を摘んできました。<br />
<br />
この日は&ldquo;お金をもらってゲストに料理を提供する&rdquo;という日常とは離れた、いわば遊びの時間。そして参加者の誰もが「本気で遊ぶ」ことの意義と楽しさを存分にわかっていたのです。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4439_20250501153354_681315d23fd2e" alt=""></p><figcaption>DJは美食家としても知られる音楽プロデューサーFPMこと田中知之氏。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4439_20250501153352_681315d081098" alt=""></p><figcaption>鮪の解体は『やま幸』の山口社長自らの手で。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4439_20250501153352_681315d0b40a3" alt=""></p><figcaption>『フロリレージュ』川手氏の「モリーユ茸のイワシファルス」。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4439_20250501153352_681315d0e0b33" alt=""></p><figcaption>初参加となった『食堂とだか』戸高雄平氏と『天ぷら元吉』元吉和仁氏の合作「湯葉甘納豆チーズ 桜の香り」。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4439_20250501153353_681315d11dbcc" alt=""></p><figcaption>『鮨しゅんじ』橋場氏と、福岡『鮨 唐島』の唐島裕氏のタッグで生まれた握り。</figcaption></figure>
<h4><span></span>それぞれの思いを胸に、料理と向き合うシェフたち。</h4><p>「食べることで思いを分かち合う大切な時間」と能田耕太郎氏がいえば、『ブリアンツァ』の奥野義幸氏も「若いシェフにとって厨房で働くこと以外の経験を積むことも大切。今日ほど貴重な体験はない」とその思いを語ります。その言葉の通り『鳥しき』の池川義輝氏が鶏を焼く様子を、若手シェフたちが食い入るように見つめています。<br />
<br />
郷土の誇りを胸にやってきたシェフたちもいます。<br />
<br />
福島『丸新』の熊倉誠氏は「スターシェフに胸を借りる気持ち。その体験を持ち帰り地元に貢献したい」と謙遜しますが、持参した東北の食材の素晴らしさを自信を持って紹介していました。湯布院『ENOWA』のTashi Gyamtso氏も、朝収穫したばかりのアスパラガスを持って飛行機に乗りました。富山『レヴォ』の谷口英司氏も「富山の魅力を伝えるのも今日の使命。これを機に地方にも目を向けてもらえたら」と思いを語ります。<br />
<br />
こうして、それぞれのシェフが、それぞれの思いを胸にしながら、美食と音楽と混沌の夜は続きました。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4439_20250501153353_681315d14d00b" alt=""></p><figcaption>『丸新』熊倉氏がつくったのは「ブロッコリー見立て豆腐」「えんどう豆スリ流し」「ホタルイカと花わさび」の3品。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4439_20250501153353_681315d17902f" alt=""></p><figcaption>富山『ひまわり食堂2』の田中穂積氏の「豚バラとファラフェル キャロットラペ ミント添え」。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4439_20250501153353_681315d1d6498" alt=""></p><figcaption>山形『OSTERIA SINCERITA』の原田誠氏の「馬肉ロースと根菜サラダのブーケ仕立て」。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4439_20250501153353_681315d1a9b13" alt=""></p><figcaption>『蕎麦おさめ』の納剣児氏は「クリームチーズの味噌漬け」に揚げ蕎麦チップをあわせた。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4439_20250501153354_681315d2100d4" alt=""></p><figcaption>能田耕太郎氏がつくった「マグロとモルタデッラのピアディーナ」。</figcaption></figure>
<h4><span></span>限界を定めぬ突飛な発想こそ、食の未来を拓く。</h4><p>この「あり得ない夜」を現実のものとした背景には、ひとりの美食家の存在がありました。<br />
<br />
その名は本田直之氏。<br />
<br />
今回の40数名の参加シェフは、すべて本田氏の直接スカウト。つまりどの場所であろうと、本田氏が直接店を訪れ、料理を食べ、シェフと話し、今回の参加を願ったのです。<br />
<br />
「同じジャンルのシェフ同士の繋がりはあっても、その垣根を乗り越えた繋がりはなかなかありませんでした。それはもったいないなと思ったんです」と本田氏。<br />
<br />
その状況をなんとか打開できないか、と考えた末に生まれたのがこの「The Chefs Gathering」でした。その思いに「TRUNK(HOTEL)」代表取締役社長の野尻佳孝氏が共感し、現在の形になったのだといいます。<br />
<br />
「どのジャンルにおいても業界を越えた繋がりがないと、広がりは生まれにくい。異なる技能を持つ人同士の親交からは、想像もつかないおもしろいことが起こるもの」そんな期待を胸に、本田氏は持てる知識と経験をフル稼働して、この「The Chefs Gathering」を開くのです。<br />
<br />
これはシェフによる、シェフのための宴。<br />
<br />
このような飛び抜けた発想から、日本の食の未来は築かれていくのかもしれません。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4439_20250501170749_68132bd5ab140" alt=""></p><figcaption>自身を「食の応援団」と語る本田氏（左）。思いを同じにする野尻氏（右）とともに。</figcaption></figure>
<p><br />
Text：NATSUKI SHIGIHARA<br />
Movie：NAOKI TOMITA</p>

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</content:encoded>
</item>
<item>
<title>目から鱗の連続に驚嘆の声が漏れる。あるものをどうクリエイトするか？伊シェフが生み出すローカルガストロノミーの意味するもの。[長野県南木曽町]</title>
<link>https://www.onestory-media.jp/post/?id=4440</link>
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<pubDate>Wed, 07 May 2025 13:00:00 +0900</pubDate>
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<p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4440_20250502160347_68146e5322f09.thumb" alt=""></p>
<p>イタリア・エミリア・ロマーニャ州の山奥で6年連続星を獲得する名店『daGorini』。オーナーシェフであるジャンルカ・ゴリーニ氏は日本の、いや長野県南木曽町の食材にふれ語ってくれました。

「私の料理は山とともにあります。ですから、常に食材が潤沢にあるというわけではないんです。特に寒い冬の季節はね。だからこそ、自分の料理はシミュレーションができないと作れないわけではなく、リスクを取りながらでも今あ...</p>
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<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4440_20250502160347_68146e5322f09" alt=""></p><figcaption>囲炉裏でイワナを焼く南木曽の高橋渓流を訪れ、薪火でイワナをこんがりと焼くジャンルカ・ゴリーニ氏。イワナの身はもちろん、しっかりと焼くことで頭や骨から極上のスープを抽出する。</figcaption></figure>
<h4><span></span>ローカルガストロノミーイベント「Cook The Forest 〜森を食べる〜」　。イタリア人シェフは南木曽町をどう表現したのか。</h4><p>イタリア・エミリア・ロマーニャ州の山奥で6年連続星を獲得する名店『<span style="background-color:white">daGorini</span>』。オーナーシェフであるジャンルカ・ゴリーニ氏は日本の、いや長野県南木曽町の食材にふれ語ってくれました。<br />
<br />
「私の料理は山とともにあります。ですから、常に食材が潤沢にあるというわけではないんです。特に寒い冬の季節はね。だからこそ、自分の料理はシミュレーションができないと作れないわけではなく、リスクを取りながらでも今ある食材をクリエイティブしていきます。要は常に自分に対して、眼の前の食材を『ジャンルカだったら、どう使うんだ？』と自問する。するともうひとりの自分が奮い立ってきます。常に山と向き合い、あるものをクリエイトする。だからかな、似た環境の南木曽町にとても惹かれたんだ。やっぱり、自問して、『ジャンルカだったら、南木曽町でどんな料理を生み出すか。』答えはこうだ、ひとつひとつ生産者と向き合い成長しながらチャレンジする。ミスター岡部からローカルガストロノミーイベント「Cook The Forest 〜森を食べる〜」のオファーが届いた際に、真冬だからこそ受けたいと思ったんです」<br />
<br />
そうなのです。さる2月下旬に長野県南部の南木曽町に降り立ち、すぐさま食材視察を3日連続、その後の試作をさらに3日、そのまま東京へと舞台を移し開かれたイベントこそが、今回ご紹介するガストロノミーイベント「Cook The Forest 〜森を食べる〜」。<u><a href="https://www.onestory-media.jp/post/?id=4436">前回の記事</a></u>では、ジャンルカ・ゴリーニ氏が巡った南木曽町の生産者とのふれあいをレポートしましたが、今回はいよいよ本番。意欲的なガストロノミーイベントで南木曽の食材がどうクリエイトされたのかに迫ります。<br />
<br />
冒頭のジャンルカ・ゴリーニ氏のコメントは、視察後の談話より。南木曽で日常食べられている山菜いたどりや、木曽伝統の漬物すんき、糀味噌など、日本人でもどこか古臭いと感じられる郷土食材を連続で味わい、それをどう感じたかという質問の答えなのです。雪の残る山の町・南木曽町。食材乏しい、冬の南木曽町をイタリア人シェフ・ジャンルカ・ゴリーニ氏は、どう自らの料理へと昇華するのか。その意欲的なチャンレンジをレポートします。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4440_20250502160346_68146e52e1974" alt=""></p><figcaption>フォレストゲート代官山日本食品総合研究所『調理室』で3日間開催されたローカルガストロノミーイベント「Cook The Forest 〜森を食べる〜」。食に感度の高い面々が全国から集まった。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4440_20250502160347_68146e53886d4" alt=""></p><figcaption>客前で1品目を準備するジャンルカ・ゴリーニ氏。最終仕上げをゲストの目前で披露していく。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4440_20250502160343_68146e4fa73eb" alt=""></p><figcaption>1品目「森のサラダ」。見た目はシンプルなサラダに見えるが、食べ進むうちにおこぎやスイバなど南木曽町ならではの野菜が顔を出す。わかめや海苔といったミネラル豊富な海の食材。これらも実は山の恵みであることを教えてくれる。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4440_20250502160344_68146e5083269" alt=""></p><figcaption>桜の花の塩漬けを大根のピクルスに忍ばせる。真冬のサラダと思いきや山菜の苦みや桜の香りなどで、春の到来を予感させるサラダに仕上げた。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4440_20250502160343_68146e4fee96e" alt=""></p><figcaption>2品目「森の魚」。親子でニジマスを養鱒する生産者植松氏にリスペクトを払った森の魚の皿では、ニジマスの身の上にぷりぷりのいくらをあしらう。捌いた後の頭や骨もソースに活用。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4440_20250502160347_68146e53579e1" alt=""></p><figcaption>木曽駒ヶ岳の清流を利用する養鱒場が『いぶき養鱒場』。清冽な水の恩恵により驚くほど澄んだ味わいのニジマスなどを育んでいる。</figcaption></figure>
<h4><span></span>&ldquo;森&rdquo;を冠したコースの構成に、南木曽への感謝が込められる。</h4><p>まずはメニューに目を落とすと、すべての料理には&ldquo;森&rdquo;という言葉が冠されています。森のサラダ、森のスープ、森のラビオリ、森の肉&hellip;&hellip;。<br />
<br />
&ldquo;森&rdquo;とは、すなわち面積の94％が森林に覆われる南木曽町を意味するのでしょう。<br />
<br />
期待に胸を弾ませながら、運ばれてきた最初の料理は「森のサラダ」です。<br />
<br />
南木曽町のダイバーシティを表現したという一皿。ルッコラ、レタス、わさび菜、せりなどのほかに、春を告げる木曽地方の山菜おこぎ（南木曽の人々が親しんで呼ぶ&ldquo;おこぎ&rdquo;は、長野県南部地方特有の呼び名で、正式には「うこぎ」）、秋にとれた大根のピクルス、桜の塩漬け、雑草扱いされるスイバ（酸葉）、海のアクセントとして伊勢湾のわかめとのりなどがたっぷりと。<br />
<br />
本店『daGorini』でも必ずフレッシュなサラダから始まるという1皿目は、まさにジャンルカ・ゴリーニ氏の原体験なのだといいます。<br />
<br />
「私の祖父は家の前に畑を持ち、たくさん野菜を作っていたんだ。私も手伝いをしていましたが、よく勝手に畑に入り、そのまま野菜を味わい怒られていました。今ではその経験がいい思い出なのですが、その時からです。私は手間ひまかけて作ったとれたての野菜の美味しさを知っているのです。それは南木曽町でもそうでした。冬だから何にもないよと悔しがる生産者さん。でもですね、その後、必ずでもこれならある、いまはこれしかないと、どんどん見たこともない、山菜や野菜の保存食などが出てくるのです」<br />
<br />
その体験をまさに一皿のサラダとして供してくれたのです。伊勢湾のわかめとのりが入っているのにも理由がありました。<br />
<br />
94％が森林の南木曽町には木曽川が流れます。森を形成する腐葉土が木曽川を伝い200kmの旅をして伊勢湾の栄養に。魚種豊富な伊勢湾の恵みは、森のお陰で育まれる。海のものは山で作られる。そんな森の豊かさとともにそこに生きる生活の知恵、自然の循環、森の大切さを表現してくれたのです。<br />
<br />
その後の森の魚は、ニジマスの一皿。木曽駒ヶ岳で育まれる水の美しさに驚いたと、ジャンルカ・ゴリーニ氏は表現します。親子で養鱒経営する『いぶき養鱒場』植松さんの仕事ぶりをそれこそがトラディションだと敬意を示し、料理も循環をテーマにニジマスの身といくらの醤油漬けをあわせます。さらに頭や骨からエキスを丁寧に抽出し白いソースに。ソースの酸味には、未成熟で形の不揃いだったいちごを使ったと笑います。本来であれば処分される骨や頭、未成熟で不揃いのいちごと、美味しさの理由の中に、食材へのリスペクトが自然と込められているのです。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4440_20250502160344_68146e50c2829" alt=""></p><figcaption>森のスープに使用するキノコの試作風景。キノコのキャラクターを引き出すため、それぞれに異なる火入れや調理を施していく。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4440_20250502160344_68146e503c921" alt=""></p><figcaption>スタッフの理解を深めながら進む森のスープの試作風景。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4440_20250502160345_68146e5114822" alt=""></p><figcaption>4品目「森のスープ」。食膳に運ばれた瞬間、南木曽町の山の香りが立ち込めた。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4440_20250502160345_68146e5156749" alt=""></p><figcaption>5品目「森のリゾット」。あえて日本米を使用しリゾットにチャレンジ。完全無農薬のイセヒカリを使用。何度もトライした逸品。ヤギのチーズに、干し柿やどぶろくでアクセントを加えた。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4440_20250502160345_68146e5190ff7" alt=""></p><figcaption>7品目「森の肉」。森の肉には鹿肉を用意。味噌玉製法で作るパンチのある糀味噌を</figcaption></figure>
<h4><span></span>まだまだ続く、Made in 南木曽のスペシャルプレート。</h4><p>その後の森の貝では、またもや伊勢湾産のサザエをアレンジ。南木曽の3種の芋を合わせて、テクスチャーの違いで来場者を驚かせます。<br />
<br />
続く白眉の森のスープは、テーマがウォーキングインザ・フォレスト（森の散歩）。木地師の里『木地屋やまと』の木の器に盛られた一杯は、まさに南木曽の森に佇んでいるような錯覚を覚える香りが立ち込めたのです。<br />
<br />
「とにかく圧倒的に種類が多くて、それぞれにキャラクターがある。その個性をそれぞれ際立たせたいと思ったら森になったよ」とジャンルカ・ゴリーニ氏。<br />
<br />
圧倒的な数とキャラクターと絶賛したのは南木曽のキノコだったのです。<br />
<br />
ただし、それらをひとつの鍋でスープにしたわけではありません。<br />
<br />
御岳ぶなしめじは蒸し。舞茸は味噌で。えのきは薪で香りをつけて、なめこはフライパンで焼き付けます。なかでも彼が特段、興味を持ったのはこうたけ（香茸）、地元では松茸以上に争奪戦だという広葉樹林に群生する香り豊かなキノコはあえて姿を見せず。秋に取ったものを乾燥させたこうたけで、丁寧に出汁を取ったのです。<br />
<br />
仕上げにレモンとかやの実、チップにしたヒノキをあしらった森のスープは、驚くほどの香りと存在感で参加者を魅了したのです。<br />
<br />
イタリア料理のプリモピアットであるパスタやリゾットは、日本人がどちらも大好きだよと聞いたので、ラビオリとリゾットの両方を提供。リゾットには放牧ヤギのチーズに柿やどぶろく、ラビオリには24時間かけて生み出すイワナのスープと、それぞれに生産者の顔が浮かぶ料理が並びました。<br />
<br />
メインの森の肉。鹿のテンダーロインのステーキを糀味噌で味わった際に、うすうす気がついていた疑念は、確信へと変わりました。<br />
<br />
そう、ジャンルカ・ゴリーニ氏は、今回の&ldquo;森&rdquo;を冠したコースの中に、南木曽で出会った生産者のすべての食材を料理に落としこんでいたのです。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4440_20250502160505_68146ea12cc54" alt=""></p><figcaption><span style="background-color:white">左より今回のイベントの発起人でホテル「</span><span style="background-color:white">Zenagi」を運営する岡部統行氏（南木曽「ウェルネス農泊」推進協議会の代表も務める）、シェフの招聘に尽力した世界ナンバーワンフーディー・浜田岳文氏、</span>シェフ・ジャンルカ・ゴリーニ氏<span style="background-color:white">。</span></figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4440_20250502160346_68146e5248d2c" alt=""></p><figcaption><span style="background-color:white">有志でチームに参加した最年少。長野県松本市出身で、辻調理師専門学校フランス校の卒業生・吉川瑠香氏はイベント後感動で思わず涙。</span></figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4440_20250502160346_68146e52b30d2" alt=""></p><figcaption>テロワールを生かした独創的な&ldquo;田舎料理&rdquo;を生み出し、世界から注目を集めている『daGorini』のジャンルカ・ゴリーニ氏。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4440_20250502160347_68146e53b320d" alt=""></p><figcaption>長野県を中心に、東京山梨などから有志で今回のイベントに参加した料理人たち。</figcaption></figure>
<h4><span></span>イタリア人の視点で見た南木曽町。そこに眠る土地のポテンシャルとは？</h4><p>コースを食べ終えると、ある不思議な感覚に襲われました。<br />
<br />
「南木曽の町には珍しい食材があるよのディスプレイだけにとどまらず、きちんと料理として積み上げている。シンプルにではなく、彼のクリエイティブできっちり手をかける。それが彼の感性であり、イタリアの伝統で日本人にはフレッシュなアプローチとなる。鹿に添えた味噌がその代表例。こういう会の場合、味噌を使いたい料理人は多いが、大量生産のどうでもいい味噌では意味がない。ジャンルカはクセの強い地元の糀味噌をジビエに合わせた発想が素晴らしいですよね。まさに、がっかり感の対局。日本にあるのに日本人が思いつかなかったことが悔しいですよね。たった1週間の滞在で食材が持つ個性を描き分けている。風味、テクスチャーとちゃんと向き合う、思考の深さが垣間見えました」とこの会に同席した、世界ナンバー1フーディーの浜田岳文氏は、食後にそう評してくれました。<br />
<br />
そうなのです。食後に沸き起こった不思議な感情とは、悔しさにも似た驚きなのです。日本に根付いた伝統食や保存食。すぐ目の前にあるはずなのに、それを古臭いという固定概念で切り捨て、ガストロノミーイベントでなど、到底使うこともない。真新しいものには飛びつく我々の興味関心も、土地に根付いた伝統食にはどこか感覚が錆びついてしまう。それを全く違う土地から来たジャンルカ・ゴリーニ氏は、数日で軽々と飛び越え、日本人では思いも浮かばぬ調理法で森のコースに仕上げてしまったのです。<br />
<br />
「訪れた生産者の食材は全員ほぼ使っている。簡単ではないけど、アイデアが浮かぶではなくて、顔を見て感情を感じて皿を作りました。パスタのカペレッティは、どのスープにするかずっと迷っていた。でも囲炉裏のイワナを見て、ストックにしたいと。もしくは、生産者の女性がふるまってくれたすんきの味噌汁。優しい酸味はグラニテにしたいと。木曽れんこんの甘さと粘りもデザートになるなと。出会ったみんなの顔を思い浮かべて、だんだんイメージができてきた。ナーバスにはならないで山にあるもので考える。南木曽を回った際の生産者のエモーションからアンサーがでてくる。そう自分を信じていたんだ。明日は南木曽に戻り、生産者さんのディナー会でフィニッシュだ。どんな顔をしてくれるかとても楽しみです。グラッツェ！」<br />
<br />
イタリアの山の町から訪れたシェフ・ジャンルカ・ゴリーニ氏。<br />
<br />
驚きと感動と、料理への情熱、山への感謝、生産者へのリスペクト&hellip;&hellip;<br />
<br />
ローカルガストロノミーとは、どれだけ地方を理解できるかに尽きるのでしょう。<br />
<br />
それを約1週間の滞在で、誰よりも深く、誰よりも濃く、誰よりも熱く表現した今回の「Cook The Forest 〜森を食べる〜」。<br />
<br />
ジャンルカ・ゴリーニ氏が描いた皿の数々は、数日の幻のように2度と味わうことができないのかもしれません。<br />
<br />
ただし、終わりではないのです。怒涛のごとく彼と数日をともにした有志の日本人シェフたちは、またそれぞれの調理場へ、日常へと還るのです。きっと今後の彼らの料理には、その影響が描かれていくのではないでしょうか？<br />
<br />
それこそがジャンルカ・ゴリーニ氏が言うところの、エモーショナルな瞬間なのでしょう。このイベントが残した軌跡は、きっとそんな波紋となり、広がっていくことを期待せずにはいられません。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4440_20250502160346_68146e5280b3a" alt=""></p><figcaption>東京でのイベントを終えた翌日、南木曽町へ戻り、お世話になった生産者を招待した特別ディナーが振る舞われた。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4440_20250502160345_68146e51d3cc2" alt=""></p><figcaption>自らの作った食材がジャンルカ・ゴリーニ氏の調理により、スペシャルディナーとして供される。一堂、驚きと喜びが交錯し、楽しい宴となった。</figcaption></figure>
<p><span style="background-color:white">住所：長野県木曽郡南木曽町田立</span><span style="background-color:white">222</span><br />
<a href="https://zen-resorts.com/"><span style="background-color:white">https://zen-resorts.com/</span></a><br />
<span style="background-color:white">南木曽「ウェルネス農泊」推進協議会</span><br />
<a href="https://nagiso-wellness-tourism-council.com/">https://nagiso-wellness-tourism-council.com/</a></p>
<p><br />
Photographs：<span style="background-color:white">TOMOHIRO MATSUNAGA</span><br />
<span style="background-color:white">Text</span><span style="background-color:white">：</span><span style="background-color:white">TAKETOSHI ONISHI</span></p>

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<title>僕らしかできないプラットホーム。それは、持続可能な地域経営。</title>
<link>https://www.onestory-media.jp/post/?id=4437</link>
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<pubDate>Fri, 11 Apr 2025 10:00:00 +0900</pubDate>
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<p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4437_20250407180159_67f394876a581.thumb" alt=""></p>
<p>「YORI は、よりあわせる。いくつもの細い糸を、1本の、太くしなやかな糸にする。YORIは、よりよくする。環境を、地域を、経済を。YORIは、地域からのたより。その地域ならではの味わいを、いちばん引きたつ融合で提供する。YORIはジンであり、絆であり、解決策であり、ストーリーである」(YORI HP&nbsp;より一部抜粋)。

タイトルに置いた「僕ら」とは、この「YORI」を指します。

「目...</p>
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<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4437_20250407180159_67f394876a581" alt=""></p><figcaption>名無しの蒸留所「NO NAME DISTILLERY」として、サステナブルジン「YORI」を開発・製造。代表の小口潤氏を中心にプロジェクトチームを形成。</figcaption></figure>
<h4><span>NO NAME DISTILLERY</span>よりあわせる先に見える世界。</h4><p>「YORI は、よりあわせる。いくつもの細い糸を、1本の、太くしなやかな糸にする。YORIは、よりよくする。環境を、地域を、経済を。YORIは、地域からのたより。その地域ならではの味わいを、いちばん引きたつ融合で提供する。YORIはジンであり、絆であり、解決策であり、ストーリーである」(<strong><a href="https://yori-gin.com/"><u>YORI HP</u></a></strong>&nbsp;より一部抜粋)。<br />
<br />
タイトルに置いた「僕ら」とは、この「YORI」を指します。<br />
<br />
「目的は、良い酒造りだけではなく、良い地域作り」。そう話すのは、「NO NAME DISTILLERY」代表・小口潤氏です。<br />
<br />
「NO NAME DISTILLERY」とは、その名の通り、名無しの蒸留所。日本の地域素材を活用した社会課題循環型サステナブルジンを開発・製造するプロジェクトです。現在、北海道上川、静岡県富士、広島県大崎上島、愛知県岡崎、千葉県柏の計5地域より、5品をラインアップ。<br />
<br />
「YORIの決まりごとはひとつ。ひとつの品に対し、ひとつの地域とパートナーシップを結び、価値を持たないものをメインボタニカルに置くこと」。<br />
<br />
例えば、北海道上川では、3種の松の葉や酒粕などを使用。松は、剪定のため、切り落とされた残葉を活かします。広島県大崎上島では、オリーブかす、ポンカンなどを使用。オリーブオイルを製造する過程に出た搾りかすや雹(ひょう)の被害にあって流通できなかったポンカンの木などを活かします。それ以外にも、地元大学とも連携し、そこで育てた植物の起用や愛知県岡崎では、八丁味噌、しめ縄！？なども。<br />
<br />
どれも個性的ですが、それは奇をてらったものではなく、もともと地域にあったもの。名無しの蒸留所ゆえ、これらは、KAMIKAWA、FUJI、OSAKIKAMIJIMAなど、地域名で呼称されていることも「YORI」の個性。そんな産地への想いはエチケットにも表れ、ブランド名「YORI」より上に地域名を冠しています。<br />
<br />
そして、特筆すべきは、廃棄されるものとはいえ、素材は基本的に買い取っているということ。「処分するものだから、無償でどうぞって言ってくださる方々がほとんどなのですが、それでは社会課題循環型サステナブルにはならないので」。まず、ここで地域に利益を生みます。<br />
<br />
「YORIは、地域のプラットホーム。YORIをよりあわせることにより、関係人口、関心人口を増やしていきたいと考えています」。<br />
<br />
例えるならば、「YORI」は、地域を引き立てる名バイプレイヤー。主役＝地域＞脇役＝「YORI」の関係なのです。<br />
<br />
また、「香りを引き立てるため、あえて味の個性が前に出ない醸造アルコールをベースに採用しています」と話すよう、香り＝地域＞味＝「YORI」の関係によって、「YORI」の特性も構築されます。<br />
<br />
加えて、バーテンダーのようなクリエイティビティやテクニックがなくとも、水、ソーダ、トニックなど、割りものとして楽しめるゆえ、地域のあらゆる店舗、あらゆる人が作っても高品質な味を約束。<br />
<br />
「技術がないと美味しくならないのでは、地域に根ざすことができませんから」。そして、それを定着させることによって「地域の地酒のような存在になってもらえたら」。これが小口氏の理想。<br />
<br />
よりあわせることによって、理想を現実に。そんな活動を、今この瞬間も続けているのです。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4437_20250328145122_67e638da589f3" alt=""></p><figcaption>各地の生産者は、「YORI」には欠かせない存在。「YORIは、地域の皆さまと一緒に作るブランドです」と小口氏。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4437_20250328111426_67e606028ee60" alt=""></p><figcaption>四季や土壌、各地の表情が豊かな日本だからこそ、個性的な植物が育つ。素材が生まれた地を訪れれば、より一層、「YORI」は味わい深くなる。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4437_20250328111427_67e60603901d4" alt=""></p><figcaption>北海道のど真ん中、「神々の遊ぶ庭」と言われる大雪山国立公園に位置する上川町。その厳しい自然で育った3種の松を、一番香りが引き立つバランスで融合。「インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション」2024年スピリッツ部門にて、ブロンズを受賞。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4437_20250328111427_67e6060323187" alt=""></p><figcaption>北に富士山、南に駿河湾を臨む、静岡県富士。その温暖な気候で育った数種の柑橘を中心にほうじ茶などをブレンド。「インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション」2024年スピリッツ部門にて、シルバーを受賞。</figcaption></figure>
<h4><span>NO NAME DISTILLERY</span>アイディアよりも必要な能力。</h4><p>実は、小口氏の本業は、地域の事業コンサルタントなどを主に活動する「Connec.t」代表。現在、「YORI」は、ふるさと納税の返礼品にも選定されるほか、流通や取り扱い店舗も増えつつあり、これは、「Connec.t」として活動してきた知識と経験が大きく作用しているといっても過言ではありません。<br />
<br />
そのほか、「インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション」や「日本産酒類の発展・振興を考えるビジネスコンテスト」など、数々の賞も受賞。現在は、広尾にて実店舗「<u><a href="https://www.instagram.com/coyori_hiroo/"><strong>COYORI</strong></a></u>」も構える。<br />
<br />
つまり、結果的に、「Connec.t」と「NO NAME DISTILLERY」は運命共同体。「Connec.t」小口氏の頭脳を持って、「NO NAME DISTILLERY」小口氏の思想をカタチにしているのです。<br />
<br />
「実を言うと、ジンを作りたくて、作ったわけじゃなくて。どうすれば地域を循環させる経済を生み出せるか。どうすれば地域に利益を生み出せるか。その仕組み作りを考えた時、ジンであればできると思ったのがきっかけでした」。<br />
<br />
そんな本音をさらけ出してしまう小口氏の言葉に嘘はない。<br />
<br />
また、「YORI」をきっかけに、様々な活動にもつながる。そのひとつ、某所にて、耕作放棄地の活用事業もこれから始まるという。植物のアップサイクルから、地のアップサイクルへ。これは、小口氏も予想しなかった展開でした。<br />
<br />
「ジンに必要なジュニパーベリーは、日本の生産がほぼないのが現状です。これは、気候によるものが大きいのですが、どこか育成に適した地があるのではと調べています。もし実現できれば、それもまた、地域と一緒に取り組むことができればと考えています。それ以外ですと&hellip;&hellip;」。ここから先は、まだ構想段階のため、御内密。ただ、それが実現できたあかつき、もとい、よりあわせることができたあかつき、「YORI」の世界は一気に拡張するでしょう。<br />
<br />
そんな小口氏が何より長けている点。それは、「YORI」というアイディアや創造力以上に、実現できる能力を備えていたことにあると考えます。<br />
<br />
実際、良いアイディアを持ち合わせている人は少なくない。しかし、それを実現できる能力がある人は、ごくわずか。アイディアは、実現できる能力を兼ねて、初めて活きる。但し、それに伴い、責任を負う覚悟も必要とされます。<br />
<br />
小口氏は、毎回産地に足を運び、人に出会い、地を学ぶ。ゆえに、「YORI」は、各地域によって、オートクチュールされるため、同じフォーマットはない。それはまるで冒険のようだ。<br />
<br />
「まだまだ課題も多く、全てにおいて一筋縄にはいきません。ただ、地域に対して、生産者さんに対して、そして、YORIに対して、正直に向き合いたい。今後、YORIがよりあわせることによってどんな世界が広がるのか&hellip;&hellip;。自分自身も楽しみ」。<br />
<br />
何を隠そう、小口氏もまた、「YORI」によりあわせてもらっているひとりなのかもしれない。</p>
<p>TEL：070-8315-0902<br />
住所：東京都渋谷区広尾5-14-4 広尾SKビル 2F<br />
<a href="https://www.instagram.com/coyori_hiroo/?hl=ja">公式 Instagram</a></p>

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<title>田舎町・南木曽でイタリア人シェフは何を想う。世界が求めるローカルガストロノミーの現在地。[長野県南木曽町]</title>
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<pubDate>Mon, 31 Mar 2025 10:00:00 +0900</pubDate>
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<![CDATA[
<p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4436_20250327111518_67e4b4b607f5e.thumb" alt=""></p>
<p>土地土地の風土や文化、歴史を料理に落とし込み、その地域固有のテロワールを美食として味わう。現在、ローカルガストロノミーという言葉で表現されるある種の文化が日本でも浸透しはじめ、地域固有の食材や保存食、伝統調理などを再解釈する動きは、全国で加速していると思われます。東西南北にのびる日本の地理と海に囲まれた島国を背景に、東北、北陸、九州など、同じ日本とは思えないほどバラエティ豊かな食文化を再認識できる...</p>
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<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4436_20250327111518_67e4b4b607f5e" alt=""></p><figcaption>今回のイベントのために集まったチームジャンルカ・ジャパンの面々。およそ10日間でジャンルカ氏を中心にひとつに。</figcaption></figure>
<h4><span></span>ローカルガストロノミーイベント「Cook The Forest 〜森を食べる〜」　担当シェフは、世界を魅了する気鋭のイタリア人シェフ。</h4><p>土地土地の風土や文化、歴史を料理に落とし込み、その地域固有のテロワールを美食として味わう。現在、ローカルガストロノミーという言葉で表現されるある種の文化が日本でも浸透しはじめ、地域固有の食材や保存食、伝統調理などを再解釈する動きは、全国で加速していると思われます。東西南北にのびる日本の地理と海に囲まれた島国を背景に、東北、北陸、九州など、同じ日本とは思えないほどバラエティ豊かな食文化を再認識できるのも、日本のローカルガストロノミーの最大特徴ではないでしょうか。我々、ONESTORYでも幾度となく各地で表現されるローカルガストロノミーの雄や熱意あるイベントを紹介してきましたが、雪の残る今年2月、ある意欲的なイベントが開催されました。<br />
<br />
場所は長野県・南木曽町。<br />
<br />
面積の94％が森林に覆われた美しい森の町という表現もできるのですが、中山道の宿場町として古い町並みを残すこの場所は、なかなかにアクセスも容易でなく、人里離れた田舎の町でもあるのです。海がなく、雪に覆われたかつての宿場町。1年でも特に食材の乏しいこの季節に、この地を訪れ、地域と食材、そこにまつわる人々を巡ったのはジャンルカ・ゴリーニ氏。なんとイタリア・エミリア・ロマーニャ州で6年連続星を獲得する世界的なシェフだったのです。<br />
<br />
ONESTORYでは、ジャンルカ氏の南木曽視察の取材に同行し、さらにはその後、東京で開催されたお披露目イベントまでを密着。2回にわたり、世界で称賛を集めるシェフが見た南木曽と、ローカルガストロノミーの現在地をレポートさせていただきます。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4436_20250327111518_67e4b4b642ad1" alt=""></p><figcaption>左は長野県・南木曽の山、右はイタリア北東部・エミリア・ロマーニャの山。国は違えど、面積の大半が森に囲まれるという酷似した環境。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4436_20250327111521_67e4b4b9a50d1" alt=""></p><figcaption>左より今回のイベントの発起人でホテル「Zenagi」を運営する<span style="background-color:white">岡部</span><span style="background-color:white">統行</span><span style="background-color:white">氏（</span>南木曽「ウェルネス農泊」推進協議会の代表も務める<span style="background-color:white">）、シェフ・ジャンルカ・ゴリーニ氏、シェフの招聘に尽力した世界ナンバーワンフーディー・浜田岳文氏。</span></figcaption></figure>
<h4><span></span>有志で参加した料理人が集い、チームジャンルカ・ジャパンを結成！</h4><p>AM8:00。<br />
<br />
1時間に1本ほどしかない中央本線から南木曽駅に降り立ったジャンルカ氏。あまりに自然豊かな南木曽までの車窓の風景の感想を聞いてみると<br />
<br />
「僕の故郷にとても似ていて、とても落ち着いたよ。空気も澄んでいて、いい場所だね。素晴らしい出会いがありそうだ」と笑うのです。<br />
<br />
そうなのです、彼の店『<span style="background-color:white">daGorini</span>』のあるイタリア北東部・エミリア・ロマーニャ州の田舎町も南木曽同様、森林に囲まれた山の町。独創的な田舎料理とも評されるジャンルカシェフは、多様なキノコやジビエ、淡水魚を用いた料理で世界中から訪れるゲストを魅了しているのです。<br />
<br />
南木曽駅からまずは役場に向かい、今回のポップアップイベントチームの顔合わせへ。今回、ジャンルカ氏は、イタリアから単身で日本へ、そのまま南木曽町へと直行し、日本人の有志の料理人とともに即席チームを作るのです。<br />
<br />
以下、有志で参加した料理人。<br />
長野県木曽郡木祖村『base』オーナーシェフ・神出達樹氏。<br />
長野県飯田市『BISTRO Freres』オーナーシェフ・久保田春樹氏。<br />
山梨県北杜市有機農家『restauro terra』（元『アル・ケッチャーノ』料理人）杉浦秀幸氏。<br />
長野県松本市出身で、辻調理師専門学校フランス校の卒業生・吉川瑠香氏。<br />
東京都千代田区紀尾井町『MAZ』料理人・藤森祐太氏。<br />
長崎県出身で、『Zenagi』のサポートシェフ・中尾恵氏。<br />
<br />
職場もジャンルも立場も違う6名の有志の料理人がジャンルカ氏とともに料理がしたいと集まり、言葉の壁を乗り越え、短時間でチームを目指します。予定では南木曽町での生産者や食材視察を3日間、その後料理の試作を3日間、そのまま東京へと舞台を移し3日間のイベントへ。さらに再び南木曽町へと戻り生産者ディナーという強行軍。限られた時間、限られた食材、限られたメンバーという制約の中、南木曽町をいかに感じ、どう表現するのか。<br />
<br />
それこそが今回のガストロノミーイベント「Cook The Forest 〜森を食べる〜」。<br />
<br />
イベントの主催は南木曽で1日1組限定の宿を運営する『Zenagi』であり、究極のプライベート体験を提案する同宿ならでは試みなのです。（地域の食材の生産者や観光業者で作る、南木曽「ウェルネス農泊」推進協議会との共催）</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4436_20250327111517_67e4b4b57c342" alt=""></p><figcaption>それぞれ背景の違う料理人がジャンルカ氏のために集結。ともに南木曽での視察を重ね、料理を作り、自然と魅力あるチームが形作られた。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4436_20250327111522_67e4b4ba10b32" alt=""></p><figcaption>標高の高いエリアはまだまだ雪が残る2月の南木曽町。撮影はヤギのチーズを製造販売する『<span style="background-color:white">MAUKA LANI GOAT FARM</span>』の農場にて。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4436_20250327111521_67e4b4b9d4c68" alt=""></p><figcaption>大妻籠宿の『旅籠つたむらや』の伊藤兼彦さんは、どぶろくや蜂蜜やキウイなども生産する。ジャンルカ氏もすぐに意気投合。伊藤さんの物づくりへのパッションを高く評価。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4436_20250327111522_67e4b4ba6fd77" alt=""></p><figcaption>『みなとや農園』で百合根を熱心に見つめるジャンルカ氏。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4436_20250327111517_67e4b4b5bea16" alt=""></p><figcaption>収穫量が極端に減る冬の畑で熱心に『みなとや農園』の西尾美佐緒さんの話を聞くジャンルカ氏。常に水と土についてを気にしていた。</figcaption></figure>
<h4><span></span>なにもないは嘘。冬の大地にこそクリエイティブは眠っていた！</h4><p>役場での顔合わせを終えるとジャンルカ氏は、チーム皆と同じバンに乗り込み、早速、南木曽町が織りなす森が育む生産者を朝から晩まで巡っていったのです。<br />
<br />
まず訪れたのは無農薬で自然米や自然野菜を作る農家『みなとや農園』の西尾美佐緒さん。特に印象的だったのは、生産者・西尾さんの話に耳を傾け、水の性質、土の状況など、なにもない冬の畑を熱心に見つめるジャンルカ氏の姿でした。<br />
<br />
「なにもないって感じるだろうけど、すでに春の息吹はたくさんある。在来種のきそれんこんには驚いたよ。畑でかじったけど、甘いんだ。すぐに使いたいアイデアがいくつも浮かんだ。固有の野菜や山菜、お米も気になるものだらけだよ」とジャンルカ氏。<br />
<br />
その後も郷土の山菜・イタドリの食文化を伝承する『広瀬いたんどり会』、山麓でヤギを飼育しヤギのチーズを作る『<span style="background-color:white">MAUKA LANI GOAT FARM</span>』、どぶろくを製造する『旅籠つたむらや』、中央アルプスの清冽な水でレインボートラウトを養殖する『息吹養鱒場』、イワナを養殖する『高橋渓流』、木曽の地酒を守り続ける『杉の森酒造』、天然醸造で糀味噌を作る『小池糀店』、木曽伝統の漬物すんきを広める『木曽すんき研究会』など、時間の許す限り生産者を周るのですが、ジャンルカ氏の希望は、南木曽ならではの発酵文化や伝統食、水が育む森の食材ばかり。<br />
<br />
そこには豪華な食材もなければ、色とりどりのハーブや野菜もごくわずか。まさに真冬の雪山や閑散とした畑が生む、南木曽の住民が普段味わう食文化が中心だったのです。</p>
<h4><span></span><br />
冬の南木曽の食材を知り、いよいよ氏のクリエイティブが本領発揮。</h4><p>「いやー、最高に刺激的な視察だった。求めているものは見つかった気がするし、予定にないサプライズもたくさんあった。はじめての日本でまだ都市には行けてないけど、ずっと来たかった日本で、南木曽は想像以上だった。そして僕の故郷に似ていた。なにもないように思われるけど非常にクリエイティブな場所だった」とジャンルカ氏。<br />
<br />
イタリアでも同様に山を理解し、そこにあるものを使い料理を作る。それは季節に寄り添うことでもあるとジャンルカ氏は笑いました。だからこそ地元の人が大切に守り育てる食文化に興味があったとも。食材が乏しい冬こそ、料理人の真価は問われる、だからこそこのプロジェクトを受けたんだと話してくれました。<br />
<br />
次回の記事では、いよいよ試作を終えたシェフ・ジャンルカ&times;南木曽食材、即席チームジャンルカ・ジャパンが躍動したローカルガストロノミーイベント「Cook The Forest　〜森を食べる〜」の全貌を紹介。フーディーを魅了した驚きの料理の中に、ジャンルカ氏が表現する南木曽の豊かさを感じていただきます。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4436_20250327111522_67e4b4ba40bfd" alt=""></p><figcaption>『みなとや農園』西尾美佐緒さんの野菜作りの精神に感銘を受けるジャンルカ氏。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4436_20250327111519_67e4b4b754e54" alt=""></p><figcaption>南木曽の山麓でヤギのチーズを作る『<span style="background-color:white">MAUKA LANI GOAT FARM</span>』</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4436_20250327111520_67e4b4b877551" alt=""></p><figcaption>すんき、イタドリ、麹など、冬の南木曽の保存食に興味津々。どう料理に使われるのか？</figcaption></figure>
<p><span style="background-color:white">住所：長野県木曽郡南木曽町田立</span><span style="background-color:white">222</span><br />
<a href="https://zen-resorts.com/"><span style="background-color:white">https://zen-resorts.com/</span></a><br />
<span style="background-color:white">南木曽「ウェルネス農泊」推進協議会</span><br />
<a href="https://nagiso-wellness-tourism-council.com/">https://nagiso-wellness-tourism-council.com/</a></p>
<p><br />
Photographs：<span style="background-color:white">TOMOHIRO MATSUNAGA</span><br />
<span style="background-color:white">Text</span><span style="background-color:white">：</span><span style="background-color:white">TAKETOSHI ONISHI</span></p>

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</item>
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<title>鹿沼の表裏。観光の表裏。</title>
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<pubDate>Fri, 14 Mar 2025 14:00:00 +0900</pubDate>
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<![CDATA[
<p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4435_20250311114856_67cfa498eb618.thumb" alt=""></p>
<p>栃木県鹿沼市。この地には、ふたつの顔があります。ひとつは、祭りを象徴とした江戸から始まる宿場町。そして、その名残を残す中心地から少し足を延ばすと、あるところから空気が変わることに身体が気付くでしょう。凛とした厳かな世界に包まれ、それはまるで境界線を超えたかのような。はたまた、結界に足を踏み入れたような。そこがもうひとつの顔。約1300年以上続く霊場としての鹿沼です。現在、後者の顔に改めて目を向け、...</p>
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<![CDATA[
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4435_20250311114856_67cfa498eb618" alt=""></p><figcaption><span style="background-color:white">ふたつの水源からの流れが合流する「大芦川」。川底が</span><span style="background-color:white">見</span><span style="background-color:white">えるほどの透明度などから「</span><span style="background-color:white">関東</span><span style="background-color:white">一の清流」とも言われる</span><span style="background-color:white">。</span></figcaption></figure>
<h4><span>栃木県鹿沼市</span>ふたつの顔から地を読み解く。</h4><p>栃木県鹿沼市。この地には、ふたつの顔があります。ひとつは、祭りを象徴とした江戸から始まる宿場町。そして、その名残を残す中心地から少し足を延ばすと、あるところから空気が変わることに身体が気付くでしょう。凛とした厳かな世界に包まれ、それはまるで境界線を超えたかのような。はたまた、結界に足を踏み入れたような。そこがもうひとつの顔。約1300年以上続く霊場としての鹿沼です。現在、後者の顔に改めて目を向け、この地を正しく後世に継ぐ活動が始まりました。<br />
<br />
この地とは、多くの山々が連なる、西北鹿沼。北へ向かうと日光につながります。日光は古来より神仏が宿る霊場として多くの信仰を集めており、特に「男体山」は特別視されていました。日本独自の山岳信仰である修験が盛んに実施されたことは、そんな背景が手伝います。日光山開祖である勝道上人が「男体山」に登る前、修行していた地が「深山巴の宿」。<span style="background-color:white">約３ヵ年の歳月を過ごしたという言い伝えが残る修験道場跡(鹿沼市草久辺り)は、「日光発祥の地」とも呼ばれています。</span><br />
<br />
そして、この霊場の歴史に欠かせない存在が「古峯神社」です。現在は、「俗塵を離れて身を清め、心安らかに鎮めて大神様の御神徳を賜ることができるよう」に一般も宿泊することが可能。翌朝、黎明に行われる一番祈祷を受けて下山する慣わしは創始以来行われており、「古峯神社」の特色でもあります。祈願後、神に備えた食事をともにいただく儀式、直会(なおらい)は、身を清めた神事から日常に戻るためのもの。この一連を体験する時間は、心身が浄化されるだけでなく、人が生きることの意義すら問われているように感じるでしょう。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4435_20250311114855_67cfa4976ef38" alt=""></p><figcaption>「古峯神社」には、数多くの天狗にまつわる品が展示され、その多くは、大天狗と烏天狗が対になったもの。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4435_20250311114857_67cfa49961391" alt=""></p><figcaption>西北鹿沼一帯は、「石裂山」や「夕日岳」など、多くの山々によって形成される。刻一刻と表情を変える絶景が、ここでは日常に存在する。</figcaption></figure>
<h4><span>栃木県鹿沼市</span>霊場を守る、ふたつの石原。</h4><p>宿泊という意味では、「石原邸」も欠かせない。そして、訪れる前に知っておきたい背景があります。<br />
<br />
前述、「古峯神社」を信仰するグループ「講」は全国に存在。歴史的には関東圏から東北にかけて広がっており、「遠野物語拾遺」の中にも記載が残されています。古くは、旅自体が困難であったため、「講」は代表者が参拝に訪れていました。さらに、入峰修行をしていた日光山門の行者たちが入峰するには手続きがあり、霊場を守る世話人、「前鬼」と呼ばれる一族の家に一泊してから赴くという一連の流れを経なければいけません。その一族こそが、「前鬼」石原隼人。<br />
<br />
「石原邸」と石原隼人の関係がある記述はどこにもありませんが、築150年の古民家を守り続ける「石原邸」は、現代における世話人として、この地に根ざしています。まるで「堆肥のような建築」は、宿泊施設や飲食施設として、今後稼働していく予定であり、山の中外を結ぶハブになる可能性も秘めています。<br />
<br />
そのほか、「石原邸」のように、地に根ざした場が、少しずつ芽吹いていますが、この地の大きな特徴は、開発に頼らなかったことではないでしょうか。<br />
<br />
「大芦川」を中心にいくつもの尾根が重なり合い、その水によって、この地は生かされてきました。現在、日本では、高齢化や人口減少が進み、今まで手入れされてきた森林や農地の維持が難しくなってきたところも少なくありません。気候変動の要因もありますが、荒廃した地による水資源の課題は、時を増すごとに深刻な自体に。美しい水と暮らしの関係が保たれていることは当たり前ではないのです。<br />
<br />
そして、今後、この地を価値化していくには、数多の選択を繰り返し、それを正しい道へと導くためには、より一層、地域の意志が必要とされると考えます。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4435_20250311114855_67cfa49737fe6" alt=""></p><figcaption>築150年ほどの古民家をリノベーションした「石原邸」。開業前よりグッドデザイン賞も受賞。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4435_20250311114854_67cfa496eec90" alt=""></p><figcaption>里山との共生を図り、再生された農家住宅の「石原邸」には、歴史の面影が残り、時空を超えた邂逅体験を堪能できるだろう。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4435_20250311114855_67cfa497ec7ec" alt=""></p><figcaption>鹿沼は食材も豊か。全国一の品質を誇るいちご、全国的に見ても広大な面積によって栽培されている韮、そして、<span style="background-color:white">鹿沼在来</span><span style="background-color:white">種</span><span style="background-color:white">こんにゃくや</span><span style="background-color:white">蕎</span><span style="background-color:white">麦</span><span style="background-color:white">&hellip;&hellip;</span>。かつて、全国一位だった大麻の産地は、その肥沃の地により、今なお多くの恵みを育んでいる。鹿沼には、「かぬまブランド推進協議会」という鹿沼の特産品をPRする体制も整える。モノだけでなく、体験や自然などに注目し、新たな「かぬまブランド」の創出にも励む。</figcaption></figure>
<h4><span>栃木県鹿沼市</span>未登録の遺産価値を見出す。</h4><p>世界には、1223件の世界遺産が記載(2024年8月現在)されており、そのうち、日本は26件。ユネスコ無形文化遺産は、568件の記載(2023年2月現在)がされており、日本は23件。「今宮神社の屋台行事」は、後者に登録されており、400年の時を超え、鹿沼彫刻屋台が織りなす勇壮優美、豪華絢爛な時代絵巻は圧巻です。<br />
<br />
そのほか、<span style="background-color:white">発光路妙見神社祭り当番の受け渡しの儀式「</span>発光路の強飯式」は、<span style="background-color:white">国指定重要無形民俗文化財に指定。両者はあくまで一例ですが、鹿沼には世界に誇る文化が多く潜んでいます。</span><br />
<br />
<span style="background-color:white">西北鹿沼においては、このような指定、認定、登録されたものはありませんが、これを卑下する必要はありません。なぜなら、</span>国内外から評価されるべき遺産価値はこれだけではないと考えるからです。<br />
<br />
<span style="background-color:white">選考する</span>委員会や団体、組織すら、足を運んだことがない地、知られざる地においても、遺産価値は備わり、誰かの評価軸ではなく、地域の評価軸で崇める地こそ、旅をしても訪れたい地となるのではないでしょうか。<br />
<br />
西北鹿沼には、それを感じるのです。<br />
<br />
そして、西北鹿沼に限らず、今こそ、各地域が未登録の遺産価値を見出さなければいけない局面を迎えているのかもしれません。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4435_20250311114856_67cfa498701a1" alt=""></p><figcaption>山と川に囲まれた環境の中で体験できるレクリエーション活動を満喫できる「自然体験センター」も。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4435_20250311144149_67cfcd1de8555" alt=""></p><figcaption>約200種の花々が咲く広大なガーデン「花農場あわの」。レストランも併設し、パスタやハーブティー、自家果樹園のスイーツも楽しめる。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4435_20250311114857_67cfa4992b4d1" alt=""></p><figcaption>自分を見つめ直し、より良く生きる旅をwell-bingというのならば、過去にここで修行をしてきたものたち、信仰のために訪れた人たちもまた同じ思いだったはず。霊場としての鹿沼は、1300年も前からwell-beingを提供してきた地域なのかもしれない。</figcaption></figure>
<h4><span>栃木県鹿沼市</span>現代における修行。難問の解は他所に委ねてはいけない。</h4><p>この地と出会った時、ある言葉が脳裏を過ぎりました。芸術家・池田満寿夫が所縁のある長野県塩尻市に向けた「山中に学ぶ」という書です。木曽漆器が有名なこの地は、四方を山々に囲まれ、冬場は雪が険しく、それによって保存食も生まれ、暮らしも産業も、全て山とともにありました。<br />
<br />
山とともに生きる地の知恵。これは、鹿沼においても同様、もとい、西北鹿沼においても同様だと考えます。そして、暮らしが営まれているからこそ、今なお、それが途切れることなく、正しく時を重ねているのかもしれません。<br />
<br />
しかし、自然との共存は、そう甘くはなく、課題も多い。その最たる例が「富士山」ではないでしょうか。<br />
<br />
「富士山」は、言わずと知れた観光地であり、日本のシンボル。国内だけでなく、世界中から登山客が訪れるため、山が痛まないよう、進路を変えるなど、工夫を行うが、それでも来訪者の人数には敵わない。<br />
<br />
そんな「富士山」が、近年で自然を取り戻した時期がありました。コロナ禍です。<br />
<br />
過去を遡っても、あれほど長期間にわたって入山されなかったことはなかったのではないでしょうか。皮肉にも、人が介在しないことによって、「富士山」は本来の姿に還ることができたのかもしれません。<br />
<br />
極端な比較対象だったかもしれませんが、伝えたいことは、どの地域にも許容できる範囲があるということ。それを超えると、疲弊してしまう危惧が孕んでいるのです。<br />
<br />
西北鹿沼の美しい里山文化は、決して無くしてはいけない。それを伝えたい、知ってほしい。しかし、多くの人が訪れるほどの許容もなければ、それによって生態系すら崩れてしまう恐れもある。正しく時を重ねてきた暮らしはどうなるのか。<br />
<br />
理想と現実は必ずしも比例せず、これは観光の表裏とでも言うべきか。<br />
<br />
この難問の解は、各地域によって異なるため、何かを言い切るのは難しい。だからこそ、ひとつだけ、分かることがあります。<br />
<br />
答えを他所に委ねてはいけないということです。<br />
<br />
先人たちもまた、自ら答えを導き出し、地を発展させ、郷土を育んできたのではないでしょうか。未来を見据えることも大切ですが、過去を振り返ることもまた、地を価値化させる上で、大切な行為。答えはすぐには見つからないと思いますが、思考の歩みを止めてはならない。<br />
<br />
この地の文脈になぞれば、それは現代における修行なのかもしれません。</p>
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<title>春薫る、三春の余韻。</title>
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<pubDate>Mon, 10 Mar 2025 17:00:00 +0900</pubDate>
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<p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4434_20250310165533_67ce9af5f04c4.thumb" alt=""></p>
<p>桜咲く麗らかな春は、味覚も花開く美味の季節。「和光アネックス」地階のグルメサロンでは、そんな情緒を食に込め、新たなお品を展開。パートナーに「和菓子 薫風」(以下、薫風)のつくださちこさんを迎え、同店のどら焼きと羊羹を独自にアレンジ。「桜どら焼き」と「いちご羊羹」として展開します。口に含んだ瞬間、味だけでなく、香りも含めて完成される仕上がりは、季節だけでなく、日本らしさすら覚えるでしょう。

まず、...</p>
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<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4434_20250310165533_67ce9af5f04c4" alt=""></p><figcaption>春に向けて「和菓子 薫風」のつくださちこさんが開発した桜どら焼き。「和光アネックス」地階のグルメサロンにて展開。</figcaption></figure>
<h4><span><span class="format_notice_small" style="font-size:10px">WAKO ANNEX</span></span>季節と出会う、春の和菓子。「和菓子 薫風」つくださちこ開発商品が初展開。</h4><p>桜咲く麗らかな春は、味覚も花開く美味の季節。「和光アネックス」地階のグルメサロンでは、そんな情緒を食に込め、新たなお品を展開。パートナーに「和菓子 薫風」(以下、薫風)のつくださちこさんを迎え、同店のどら焼きと羊羹を独自にアレンジ。「桜どら焼き」と「いちご羊羹」として展開します。口に含んだ瞬間、味だけでなく、香りも含めて完成される仕上がりは、季節だけでなく、日本らしさすら覚えるでしょう。<br />
<br />
まず、どら焼きにおいては、北海道産大納言小豆のつぶ餡を使用。一枚一枚手焼きするそれは、「薫風」の定番商品です。<br />
<br />
「今回は、それに桜葉の塩漬けを刻んだものを加え、桜どら焼きとして和光アネックスのオリジナル商品として考案しました。甘味だけでなく塩味もあり、桜の爽やかな香りも含め、お楽しみください」とつくださん。<br />
<br />
そして、羊羹。こちらにおいても、「薫風」の定番商品であり、手亡豆の白餡にグリーンピスタチオを効かせたものに、今回は、福岡の名品、あまおうを加えます。<br />
<br />
「いちご羊羹として展開するいちごは、福岡の大木ベリーさんのあまおうを使用しています。自然環境農法を取り入れ、丁寧に栽培されているため、美味しいはもちろん、安心、安全なことも特徴です。大きさや熟れ具合、形を厳選し、こだわり抜いた高品質のあまおうをご堪能ください」。<br />
<br />
あまおうには、フランボワーズを合わせているため、甘味と酸味が絶妙に調和。加えて、餡にはカルダモンなどのスパイスも効かせているため、複雑な味のレイヤーを楽しめるでしょう。<br />
<br />
そんなふたつを開発するにあたり、つくださんがこだわった点は、和菓子単体の味わいだけでなく、ペアリングとしての相乗効果。ここでの特筆すべき点は、「薫風」においては、和菓子と日本酒のマリアージュに対し、今回は、ハーブティーとのマリアージュ。<br />
<br />
「桜どら焼きには、エキナセアティーを。桜葉の香りとエキナセアの清涼感が後口をすっきりとまとめてくれ、もう一口、そしてもう一口と、運びたくなる味わいに。そして、いちご羊羹には、桑の葉茶を。いちごを加熱した時の熟した味わいが桑の葉の爽やかな味と香りが香ばしい味わいに寄り添ってくれます」。<br />
<br />
双方に特筆すべきは、冷やしていただても、より香りと味が引き立つということ。さらには、ティーとの温度差もお楽しみいただけます。<br />
<br />
初春、仲春、晩春と、三春を通して春のお供にぜひ。<br />
<br />
今回の味わいは、初春、仲春、晩春と、三春を通してお楽しみいただけるでしょう。ぜひ、春のお供に。<br />
<br />
＜INFORMATION＞<br />
今回、ご紹介させていただきました「桜どら焼き」と「いちご羊羹」は、「和光アネックス」地階のグルメサロンにて、2025年3月20日より4月中旬頃までの期間限定で展開いたします。※限定品のため在庫がなくなり次第、販売を終了させていただきます。お早めにお求めください。<br />
<br />
「春爛漫のこの時季。桜やいちごの香り豊かな和菓子とハーブティーのマリアージュをおたのしみください」／「和菓子 薫風」つくださちこ</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4434_20250310165534_67ce9af6353b4" alt=""></p><figcaption>春らしい味わいと香りを堪能できる「桜どら焼き」には、草木のほのかな香りが心地良い「エキナセアティー」とマリアージュ。「冷して召し上がっても、粒あんに閉じ込めた桜の香りがどら皮にも移り、しっとりとした食感がお楽しみいただけます」とつくださん。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4434_20250310165534_67ce9af6a9332" alt=""></p><figcaption>ほんのり甘い味わいが特徴の「桑の葉茶」が「いちご羊羹」の甘さと好相性。双方を合わせることによって、心身も癒される。「冷して召し上がっても、いちごのフレッシュな香りとプチプチとした食感が、白餡のなめらかで上品な甘さとのコントラストを際立たせ、より一層お楽しみいただけます」とつくださん。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4434_20250305111631_67c7b3ff3b39d" alt=""></p><figcaption>「価値のある新しいものを日本に紹介してきた和光さんとともに、世界の方へ和菓子を紹介する機会をご一緒させていただき、とても楽しみです」と「和菓子 薫風」つくださちこさん。</figcaption></figure>
<p><span class="format_notice" style="font-size:12px">※今回、ご紹介した商品は、『和光アネックス』地階のグルメサロンにて、購入可能になります。</span><br />
<span class="format_notice" style="font-size:12px">※『和光アネックス』地階のグルメサロンでは、今回の商品をはじめ、全国各地からセレクトした商品をご用意しております。和光オンラインストアでは、その一部商品のみご案内となります。</span></p>
<p>住所：東京都中央区銀座4丁目4-8　<u><strong><a href="https://www.onestory-media.jp/map/?region=3&amp;pref=16&amp;lat=35.671731&amp;lng=139.7650166" target="_blank">MAP</a></strong></u><br />
<a href="http://www.wako.co.jp" target="_blank">www.wako.co.jp</a>
<div><br />
Photographs：JIRO OTANI<br />
(Supported by WAKO)</div>
</p>

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<title>気鋭の若きシェフが3年ぶりに佐賀へ凱旋、人間国宝クラスの器でいただく珠玉のコース「USEUM SAGA REVIVAL」が示したもの。[佐賀県佐賀市]</title>
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<pubDate>Mon, 03 Mar 2025 17:30:00 +0900</pubDate>
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<![CDATA[
<p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4422_20250212175629_67ac623d57b06.thumb" alt=""></p>
<p>美術館に飾るような器で佐賀の美食を楽しむガストロノミーイベント「USEUM SAGA（ユージアムサガ）」。400年の歴史を誇る有田焼に代表される佐賀伝統の陶磁器と、佐賀の豊かな自然に育まれた第一級の食材が織りなす数日間限定のプレミアムレストランです。これまで数々の佐賀県出身の料理人とトップシェフがタッグを組んできました。その第１弾は2021年に開催された「arita huis（アリタハウス）」シェ...</p>
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<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4422_20250212175629_67ac623d57b06" alt=""></p><figcaption></figcaption></figure>
<h4><span>USEUM SAGA REVIVAL</span>「USEUM SAGA」第１弾出演シェフが３年ぶりに佐賀に凱旋。</h4><p>美術館に飾るような器で佐賀の美食を楽しむガストロノミーイベント「USEUM SAGA（ユージアムサガ）」。400年の歴史を誇る有田焼に代表される佐賀伝統の陶磁器と、佐賀の豊かな自然に育まれた第一級の食材が織りなす数日間限定のプレミアムレストランです。これまで数々の佐賀県出身の料理人とトップシェフがタッグを組んできました。その第１弾は2021年に開催された「arita huis（アリタハウス）」シェフ・<span style="background-color:white">増永琉聖氏&times;東京・代官山のフレンチ「abysse」のシェフ・目黒浩太郎氏のコンビ。二人三脚でフルコースを合作しました。</span><br />
<br />
「USEUM SAGA」には、<span style="background-color:white">将来を嘱望される県内の料理人が県外の実力派シェフと協働することで、料理人としての濃密な成長を促すという側面もあります。類まれな実力が認められ若くしてヘッドシェフに抜擢された増永氏は、当時まだ23歳。目黒氏のイベント参加は、憧れの同氏と組ませてほしいという増永氏のたっての希望で実現したものでした。</span><br />
<br />
「USEUM SAGA」のコンセプトを高度に表現し、見事に大役を果たした増永氏は、一つところに安住せず、果敢にキャリア形成していきます。福岡のフュージョン料理店<span style="background-color:white">「nishimura takahito restaurant」のヘッドシェフとして研鑽を積み、一旦レストランを離れて福岡のパン業界を牽引する「パンストック」でパンの研究に打ち込んできました。</span><br />
<br />
<span style="background-color:white">そんな彼が佐賀に凱旋する</span>「USEUM SAGA REVIVAL」<span style="background-color:white">が、12月8日・9日に、佐賀市の「ARKSカフェ」にて開催されました。</span>「USEUM SAGA」以降、料理人としての技術と感性を磨き続けてきた増永氏、今の佐賀への想いを形にする舞台です。<br />
<br />
ドリンクサービスで料理に華を添えるのは、日本酒業界のカリスマ・千葉麻里絵氏の店「EUREKA！」で店長を務める園田静香氏。日本酒をはじめとするドリンクのプロフェッショナルです。福岡県大牟田市の出身で、佐賀は幼少時から両親に連れられ遊びにきていた思い出の地です。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4422_20250212175634_67ac62427634b" alt=""></p><figcaption>シェフを務める<span style="background-color:white">増永琉聖氏</span>。独自の感性で佐賀の食材と器のマリアージュの表現に挑む。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4422_20250212175634_67ac6242a9542" alt=""></p><figcaption>ドリンクサービスを統括する園田静香氏。アルコールとノンアルコールを合わせて8種、他に日本酒と焼酎を用意した。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4422_20250212175635_67ac62433ffdd" alt=""></p><figcaption>「USEUM SAGA REVIVAL」の舞台は佐賀県庁北側の「ARKSカフェ」。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4422_20250303150044_67c5458c7a55c" alt=""></p><figcaption>佐賀ゆかりの調度品やオブジェなどで装飾された空間。箸やスプーンも佐賀の木工作家<span style="background-color:white">が作った</span><span style="background-color:white">もの</span>。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4422_20250212175628_67ac623cd1dbe" alt=""></p><figcaption>カニの濃厚な旨味とかぶのやさしい甘味を調和させた「セコガニ 戸矢かぶ」。カニの甲羅型の器は李荘窯業所製。</figcaption></figure>
<h4><span>USEUM SAGA REVIVAL</span>あふれる佐賀食材への思いが16皿構成の大作に。</h4><p>増永氏と園田氏は、この日のために佐賀食材に関するリサーチと試作を重ねてきました。<br />
<br />
佐賀は<span style="background-color:white">北を玄界灘、南を有明海に接し、北部は山地、南部は山岳地、東部は平野、西部は丘陵地と、特徴的な地質の大地で形成されています。カニやイカ、青物、牡蠣といった非常に多様な魚介に恵まれ、上質な海苔の養殖でも知られています。温暖な気候はみかんやイチゴなどの果物を育み、様々な野菜や穀物が栽培に適した地質の土壌から産み出されています。古来米に恵まれたことから日本酒醸造も盛んで、焼酎に加えて日本酒</span>と焼酎の銘酒が両方揃う点も九州では特異です。まさに食材の宝庫と言えるでしょう。<br />
<br />
<span style="background-color:white">宴は、温かいウェルカムドリンクでスタートしました。佐賀名産のみかん「天草」で風味付けした「純米酒粕焼酎天山マスク」のお湯割りです。ノンアルコールには「天草」を使った葛湯が用意されました。</span><br />
<br />
料理の幕開けを飾ったのは、ズワイガニのメスである「セコガニ」と、佐賀県有田町で古くから栽培されてきた「戸矢かぶ」を使ったアミューズ。カニの甲羅を正確に再現した李荘窯業所製の磁器に盛られました。カニの旨みとかぶの甘味、爽やかなユズの香りが見事な調和を見せています。<br />
<br />
このカニとかぶには増永氏の多大な思い入れがありました。３年前の「USEUM SAGA」で増永氏が一品目に出したのも、やはりカニとかぶの組み合わせだったのです。あえて同じ食材を使うことで、自身の足跡を見つめ、成長の証を示そうとする真摯さが伝わってきます。<br />
<br />
以降、コースは全16品におよびました。リサーチを通してあらためて佐賀食材にふれる中で、各生産者が入魂する素材たちに感動し、レシピのアイデアがあふれ出ました。コースとしては非常に多い16品は、それでも泣く泣く絞った16品。増永氏の熱量と半端ではない仕事量が結集しています。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4422_20250212175629_67ac623d1e388" alt=""></p><figcaption>生、炒め、長時間ローストと３種の火入れのキャベツをまとめて揚げたコロッケ風の「キャベツ」。器は224porcelain製。手に取って味わえるようにと、佐賀特産の名尾手すき和紙が敷かれている。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4422_20250212175630_67ac623ea922b" alt=""></p><figcaption>左／ウェルカムドリンクには佐賀みかん「天草」と「純米酒粕焼酎天山マスク」を合わせたお湯割りが。穏やかな酸味と甘味が食欲をかき立てる。<br />
右／続いて、多久市で醸されている日本酒「東鶴 純米 冬支度」を使ったソルティドッグ。コクのある日本酒にレモンの酸味と粗塩の塩味、ミントの香りをプラス。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4422_20250212175629_67ac623d987ac" alt=""></p><figcaption>鰹出汁、ニンニクとネギから取ったオイルを使って低温火入れした椎茸を香ばしく焼き上げた「しいたけ」。椎茸をバターで炒めて乾燥させたパウダーがまぶされている。<br />
器は人間国宝の十四代今泉今右衛門作。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4422_20250212175631_67ac623fec0d9" alt=""></p><figcaption>左／トマトをトマト出汁と梅酢で浅漬け風に仕上げた「トマト」。澄んだガスパチョのジュレがかけられた、なんとも涼やかな一皿。器は人間国宝である井上萬二作。<br />
右／焼きナスに目の前で出汁がたっぷりとかけられた「ナス」。鶏をベースに牛、豚、納豆やキムチ、酒粕などの発酵食品でとられた風味豊かな出汁が香ばしく、甘味が引き出されたナスと見事に調和。器は李荘窯業所製。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4422_20250212175634_67ac62424098f" alt=""></p><figcaption>口直しとして、佐賀名産の神崎そうめんも登場した。器は今右衛門窯製。</figcaption></figure>
<h4><span>USEUM SAGA REVIVAL</span>実は世に稀な人間国宝作の生活食器で食する悦楽。</h4><p>「USEUM SAGA」という名の由来は、美術館（MUSEUM）に飾るような器を、実際に食器として用いて（USE）料理を味わえることから。<br />
<br />
一般的に人間国宝のような著名な陶芸家は壺やオブジェなどの大作を手がけることが多くなるため、料理皿のような生活食器の作品はほとんど作られることがないそうです。よって人間国宝クラスの皿で実際に料理をいただくことは極めて貴重な機会になります。「USEUM SAGA」では人間国宝に揃いの食器を特別に作ってもらい、惜しげもなく使われます。<br />
<br />
たとえば、「しいたけ」の十四代今泉今右衛門をご覧ください。実際に手に取って眺めてみると、精緻な絵柄、精彩な発色に心を奪われます。そこには、増永氏の色彩感覚や空間構成によって器の魅力を引き出され、生活用具としての機能美がプラスされた効果も多大に影響しています。陶芸家と料理人の競演でもあるのです。<br />
<br />
増永氏は今回のプロジェクトを通じて、佐賀食材に特有の&ldquo;力強さ&rdquo;を感じたと話します。<br />
<br />
「トマトが甘くておいしい。でも甘いだけでなく非常にトマトらしい。ナスはナスらしい。風味や食感などいろんな要素がからんでいますが、確固たる存在感があります。僕はそんな佐賀食材で料理をすると、とてもしっくりくるという感覚があるんです。一つひとつの素材はすでに完成されたもの。僕の仕事はその持ち味を壊さずに寄り添うことです。料理の本質をあらためて見つめる機会になりました」<br />
<br />
園田さんも新たなチャレンジに確かな手応えを感じたようです。<br />
<br />
「佐賀は馴染み深い土地ですが、単に佐賀産の材料を使ったドリンクになってしまわないか？　私にできることは一体何か？　と悩みました。それが、増永さんの料理を試食して一気に解消されました。増永さんは素材の本質的な魅力を捉えて、意外な手法で放出させます。ここにクミンを使って抜け感を出してきたか&hellip;&hellip;とか感心しきり。そして、私は増永さんの料理と一緒においしく、楽しくなるドリンクを作ればいいんだと視界がクリアになりました。私にとっても活動の幅を広げる大切な体験となりました」<br />
<br />
「USEUM SAGA」第１弾を企画するにあたり増永氏に白羽の矢を立てた理由を、事務局が明かしてくれました。<br />
<br />
料理が好きでおばあちゃん子だった増永氏は、幼少の時から台所に立つおばあちゃんのかたわらで調理の様子を見守り、質問しながらレシピを書き留めてきたそうです。その時間の積み重ねが料理人への道へと導いたのです。佐賀の暮らしの中で、大切な人においしいもの食べさせてあげたい。増永氏の料理人としての土台は、ピュアな思いから形づくられてきました。「USEUM SAGA」はそんな増永氏の料理人としてのスタンスに共鳴しました。<br />
<br />
増永氏は、業種業態の異なる店を数店舗展開したいと話します。<br />
<br />
「店それぞれの名物で前菜からメイン、デザートまで一つのコースができあがる。自分がどこかでコースを全部作らなくても、そんなふうにおいしいコースを提供できるといいな。夢を少しずつ叶えていきたいですね」と増永氏は静かに話します。<br />
<br />
彼はこれから何度も佐賀に立ち帰り、リバイバルを重ねながらより大きな料理人になっていくことでしょう。<br />
<br />
未来ある料理人の成長の舞台「USEUM SAGA REVIVAL」第２弾では、誰が腕を振るうのでしょう？　参加者たちは満足感に浸ると共に、次回への期待を膨らませたはずです。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4422_20250212175630_67ac623e212a5" alt=""></p><figcaption>「鯖」は、乳白色の素地に鮮やかな色絵が施された柿右衛門の皿で登場。鯖の刺身に卵黄を使ったソースとピリ辛の醬（ジャン）を合わせている。分葱油と削ったカシューナッツがアクセント。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4422_20250212175634_67ac6242d9c13" alt=""></p><figcaption>メインは佐賀県で盛んに飼養されている「みつせ鶏」のロースト。皮目は肉醤を塗って香ばしく焼き上げ、身の方はニラのペーストを塗って瑞々しく仕上げている。器は李荘窯業所製。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4422_20250212175630_67ac623e6aef9" alt=""></p><figcaption>〆の食事はイノシシを煮込んだ「カレー」。今回のコースで出た野菜の切れ端の出汁でじっくり煮込まれたスパイスカレーを、キャロットラペとたくさんのパクチーと共に。器は中里太郎右衛門陶房製。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4422_20250212175633_67ac62410fabf" alt=""></p><figcaption>左／マリネしたデコポンとブランマンジェをデコポンのジャムと共に。デコポンの力強い風味を堪能できる。<br />
右／餅米と甘酒で作ったアイスクリーム。甘酒で作ったクランブルのトッピング、甘酒のキャラメルソースと甘酒づくし。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4422_20250212175635_67ac62436b9c4" alt=""></p><figcaption>キッチン、ホール共に普段はそれぞれ別の店で活動している仲間たちが結集。全員20代のフレッシュなチームが醸し出す自然体なムードも印象的だった。</figcaption></figure>
<p><span style="background-color:white">1998年佐賀県佐賀市生まれ。佐賀県立牛津高校を卒業後、2016年「オーグードゥジュールメルヴェイユ博多」に勤務。小岸明寛シェフ（太良町出身）のもとで研鑽を積み、2018年、「arita huis」（佐賀）に勤務、2020年よりヘッドシェフを務める。その後、福岡のイノベーティブレストラン「nishimura takahito restaurant」のヘッドシェフに抜擢される。2024年7月に同店を退職し、一旦レストランを離れ、福岡のパン業界を牽引する「パンストック」に勤務。</span></p>
<p><span style="background-color:white">1995年福岡県大牟田市生まれ。中村調理製菓専門学校（福岡）卒業後、東京都内のレストランに勤務。日本酒業界のカリスマ・千葉麻里絵氏の日本酒アプローチに惹かれ、「GEM by moto」（東京）に入社。千葉氏が考案する口内調味や日本酒ペアリングのスキルを学ぶ。<span style="background-color:white">その後、千葉氏の独立とともに「EUREKA！」（東京）立ち上げに参加。同店の店長として従事。</span></span></p>
<p><br />
<span style="background-color:white">Photograph</span><span style="background-color:white">：</span><span style="background-color:white">HIDEKI MIZUTA</span><br />
<span style="background-color:white">Text</span><span style="background-color:white">：</span><span style="background-color:white">TAKASHI WATANABE</span></p>

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</item>
<item>
<title>女性シェフとして生きる覚悟。世界の三つ星シェフが悟ったTOKYOの才能。</title>
<link>https://www.onestory-media.jp/post/?id=4432</link>
<guid isPermaLink="true">https://www.onestory-media.jp/post/?id=4432</guid>
<pubDate>Fri, 28 Feb 2025 09:00:00 +0900</pubDate>
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<description>
<![CDATA[
<p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4432_20250213173916_67adafb49bdb2.thumb" alt=""></p>
<p>1月某日。東京都主催「Tokyo Artissense：A Female Chef Collaboration」が開催。仕掛け人は、「OAD世界のトップレストラン」のレビュアーランキングで6年連続1位に君臨する世界一の美食家・浜田岳文氏です。

「タイトルにある、Artissenseは、アルチザン(artisan)とエッセンス(essence)を組み合わせた造語。東京の食文化を示すもののひとつに職...</p>
<p><a href="https://www.onestory-media.jp/post/?id=4432" target="_blank"><b>続きを読む</b></a></p>
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<![CDATA[
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4432_20250213173916_67adafb49bdb2" alt=""></p><figcaption>「Tokyo Artissense：A Female Chef Collaboration」と題し、東京を代表する3名の女性シェフがコラボレーション。そのゲストには、世界で活躍する三つ星シェフとジャーナリストが今宵のために来日。企画監修は、世界一の美食家、浜田岳文氏が担う。</figcaption></figure>
<h4><span>Tokyo Artissense</span>東京から世界へ。仕掛け人は、世界一の美食家。</h4><p>1月某日。東京都主催「Tokyo Artissense：A Female Chef Collaboration」が開催。仕掛け人は、<span style="background-color:white">「OAD世界のトップレストラン」のレビュアーランキングで6年連続1位に君臨する世界一の美食家・浜田岳文氏です。</span><br />
<br />
<span style="background-color:white">「</span>タイトルにある、Artissenseは、アルチザン(artisan)とエッセンス(essence)を組み合わせた造語。東京の食文化を示すもののひとつに職人技があると考え、今回は、3名の女性シェフを通して、それを堪能いただければと思っております」。<br />
<br />
3名の女性シェフとは、「&eacute;t&eacute;」オーナーシェフ・庄司夏子氏、「純麦」オーナーシェフ・矢嶋純氏、「FARO」シェフパティシエ・加藤峰子氏です。<br />
<br />
庄司氏は、「ル・ジュー・ドゥ・ラシエット」(現「レクテ」)、「フロリレージュ」を経て開業。「アジアのベストレストラン50」にて、2020年にはベストベイストリーシェフ賞、2022年には最優秀女性シェフ賞を受賞。矢嶋氏は、「麺処ほん田」を経て、ミシュランビブグルマンの人気女将として名を馳せ、開業。加藤氏は、2018年より「FARO」のシェフパティシエを務め、「アジアのベストレストラン50」にて、2024年にベストベイストリーシェフ賞を受賞。<br />
<br />
3者、異なる道を歩んでいますが、一流と形容すべき活躍ぶりは、共通している点。<br />
<br />
「今回のテーマは、食を通して、東京を世界に発信し、実際に東京に来てもらうこと。世界中のゲストは、日本の食を求め、旅をしています。それは、様々な統計から見ても間違いありません。その最たる地域が東京。それぞれ異なるバックグラウンドを歩んできた3名は、東京の多様性も体現していると思います」と浜田氏。<br />
<br />
その多様性を味わうゲストは、世界中から招集されたシェフとジャーナリスト。まず、シェフの面々は、イギリス・カートメル「ランクリム」をはじめ、世界中に10店舗を経営するシェフ、サイモン・ローガン氏、デンマーク・コペンハーゲン「ヨーネア」のオーナーシェフ、エリック・ヴィルドガルド氏、イタリア・セニガッリア「ウリアッシ」のシェフ、マウロ・ウリアッシ氏。彼らの共通項は、ミシュラン三つ星を獲得しているということ。<br />
<br />
そして、ジャーナリストにおいては、ドイツ・ベルリンで活動し、「世界のベストレストラン50」のチェアーも務めるロレイン・ハイスト氏、ヨルダン・アンマン出身の作家であり、写真家、そしてフード＆トラベルライターからコンサルタントまで務めるリーン・アル・ザベン氏などです。<br />
<br />
人選は、浜田氏。世界中のシェフやジャーナリストたちとコミュニティを持つ世界一の美食家のオーガナイズであれば、異論なし。<br />
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今宵、東京で活動する女性シェフ3名の才能が開く。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4432_20250213143814_67ad854659ca6" alt=""></p><figcaption>今回のコースにおける前半3品を担った「&eacute;t&eacute;」オーナーシェフ・庄司夏子氏。「2020アジアのベストレストラン50」においてベストベイストリーシェフ賞、2022年「ベスト女性シェフ賞」などを受賞する実力派。今回は、母校の生徒も連れ、育成にも力を入れる。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4432_20250213143815_67ad854763848" alt=""></p><figcaption>ミシュランビブグルマンの人気店女将として名を馳せたラーメン職人であり、ラーメン割烹スタイルで話題を呼ぶ、完全予約制「純麦」オーナーシェフ・矢嶋純氏は、今回のコースでは、中盤2品を担当。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4432_20250213143815_67ad8547b05ad" alt=""></p><figcaption>2024年「アジアのベストレストラン50」において、「ベストベイストリーシェフ賞」を受賞したイノベーティブイタリアンレストラン「FARO」シェフパティシエ・加藤峰子氏。今回のコースでは最後の2品を担当。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4432_20250213143815_67ad85473b5e5" alt=""></p><figcaption>本企画の監修を担った世界No.1フーディー、浜田岳文氏。2024年には、自身初となる著書「美食の教養 ―世界一の美食家が知っていることー」も出版し、話題に。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4432_20250213143814_67ad854687740" alt=""></p><figcaption>食を通して、東京を世界に発信すべく、今回招かれたゲストは、世界で活躍する三つ星シェフとジャーナリストたち。</figcaption></figure>
<h4><span>Tokyo Artissense</span>一夜限りの幻のコース。世界の一流が日本の一流に舌鼓を奏でる。</h4><p>供された料理は、コース仕立て。前半は庄司氏、中盤に矢嶋氏、最後に加藤氏が腕を振るいます。<br />
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計7品で構成された1品目は、「&eacute;t&eacute;シグネチャー ウニのタルト」。塩味とスパイスの双方がウニの旨みを引き立て、それを、手で一口。皆、ウンウンと首を縦に振り、口元を緩め、笑みを浮かべ、隣同士、胸高鳴る期待が確信に変わったようにアイコンタクトを送り合います。<br />
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2品目は、「ポメロフラワー」。くり抜いたレモンの中には、カツオ、バジル、ヘーゼルナッツのタルタル、そして、ガスパチョソースを忍ばせ、素材の味を堪能したのち、ソースと混ぜ、いただくもの。蓋の見立てには、黄色ズッキーニと柑橘の粒をひとつ一つ並べ、まるでアートのよう。食だけでなく、ファッションやアートにも造詣が深い庄司氏の美意識が漂うプレゼンテーションです。<br />
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3品目は一転。「伊勢海老のパイ包み焼き」。「クラシックな料理もお楽しみいただければ」と庄司シェフは話すも、らしさは光る。一般的には、ビスクやアメリケーヌのソースを添えますが、ゆずで香りを効かせることによって、日本らしさも演出。もちろん、伊勢海老の火入れも抜群。そして、庄司氏のパートにおいては、カツオ、伊勢海老は、東京湾で獲れたものだということも特筆すべき点。新鮮で質の高い食材は地方という印象を覆すだけでなく、本イベントのタイトルに採用されるよう、TOKYOのポテンシャルの高さも再発見させました。<br />
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次ぐ、4品目からは、矢嶋氏。「純麦」スタイル同様、「ラーメン」と「かき氷」を供します。<br />
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「ラーメン」のスープの出汁は、東京しゃもを使用。「良い野性味を感じられる仕上がりになりました」と矢嶋シェフが話す通り、コクの中に力強さを感じ、それを纏った太めの麺は、すする度、旨みが増倍していくよう。東京Xのチャーシューもまた、一杯の完成度を高める重要なファクター。パイ包みからラーメンという斬新な流れも、違和感ではなく、サプライズと化し、既存のレストランではありえないコースに。前述、浜田氏の言う「東京の多様性」を感じる妙であり、これがTOKYOの面白いところ。<br />
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5品目、季節の柑橘を活かした「かき氷」には、酒粕を合わせ、NIPPONの文化も漂う味わいに。ここからコースはデセールへとグラデーションしてゆきます。<br />
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6品目からは加藤氏。「薔薇と檜とアーモンド」は、国産の自然農法の薔薇と在来種のオーガニックのイタリアのアーモンド、そして、東京で栽培されたいちごの華やかなデザート。<br />
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最後、7品目は、「イタリアで食後酒として飲むアマーロという数十種類の薬草をアルコールに漬け込み、砂糖を加えて作られた苦みが心地良いお酒にヒントを得た」と言う、「日本の里山の恵 花のタルト」。植物性の原材料でできたタルト生地の上には、アグロフォレストリーで育てられたバニラで華やかに香り付けした豆乳クリーム。さらに、その上に約20種のハーブや花々が彩ります。しかし、加藤氏の料理は、ただ華やかなものではありません。<br />
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「世界的に見ても森林問題は大きな課題ですが、日本においては、生態系や森を守るには間伐が必須だと考えます。1年で生育する野菜と異なり、木は成長に時間がかかります。数十年と生きた木を味わい、香る体験は、疲弊してしまっている森林と向き合う良い機会になるのではと。身体に取り込むことによって、内発的な感情が芽生えてもらえたら」。<br />
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この先、里山の景色は、果たして残っているのだろうか。タルトの食後、盛り付けられた余白も手伝い、そんな問いが胸に刺さる。<br />
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3人のコースは、ただ美味しいだけでなく、食を通して、社会と交わるきっかけにもなりました。そして、それを、強く、美しく、たくましい、TOKYOの女性シェフが織り成したことも、紛れも無い事実として、改めて、ここに記しておきたいと思います。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4432_20250214121729_67aeb5c961931" alt=""></p><figcaption>1品目、庄司氏の名刺がわりに相応しいスターター「&eacute;t&eacute;シグネチャー ウニのタルト」。フルーツタルトから始まったレストランの起源にちなんだ料理。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4432_20250214121839_67aeb60f0c034" alt=""></p><figcaption>庄司氏の感性が冴え渡る2品目、「ポメロフラワー」。スライスしたズッキーニと柑橘の粒をあしらった蓋の中身には、東京湾のカツオにバジルとヘーゼルナッツのタルタル、ガスパチョソースを忍ばせる。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4432_20250213143816_67ad85480b201" alt=""></p><figcaption>3品目、「伊勢海老のパイ包み焼き」。刺身でも食べれる東京湾の伊勢海老をムースで包み、味と食感にレイヤーを演出。フィユタージュ(パイ生地)で包んだ中は、ミキュイ(半生)で焼き上げることによって、風味も豊かな味わいに。伊勢海老の殻で作ったソースに多摩地域のゆずで香り付けしたソースも特徴。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4432_20250213143816_67ad854837a8a" alt=""></p><figcaption>4品目は、矢嶋氏の「ラーメン」。東京しゃもとTOKYO-X豚骨のスープを乾物の和出汁と割り、ダブルスープに。焼豚は藁焼き。尾崎牛の牛脂も使用。麺は、山口県産せときららというパン用の強力粉をメインに、北海道産の小麦数種類ともち小麦などを使用した自家製麺の手揉み中太麺。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4432_20250213143816_67ad854862ba8" alt=""></p><figcaption>5品目は、季節の柑橘と酒粕を中心に作られた「かき氷」。今回の柑橘には、金柑と紅まどんな、紅姫を採用。味と色の濃い酒粕は、鍋島より。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4432_20250213143816_67ad85488d802" alt=""></p><figcaption>6品目は、加藤氏が「檜の幹を使用し、森の中にいるような味わいを作りたかった」と話す「薔薇と檜とアーモンド」。加藤氏が目指すべき料理は、「普遍」。「体に木を取り入れることによって、少しでも環境問題に関心を持っていただければ。こうした件ともシェフとして何ができるのか、向き合い続けたい」と続ける。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4432_20250213143816_67ad8548b55f9" alt=""></p><figcaption>最後の品は、「日本の里山の恵 花のタルト」。「食事の最後に官能的な瞬間を香りや食感で表現しました」と加藤氏。本作においても、環境問題へのメッセージは込められ、「50年後にこの里山の景色は、はたして残っているだろうか？」と問いかける。その余韻も含め、加藤氏の料理は構築されるのかもしれない。</figcaption></figure>
<h4><span>Tokyo Artissense</span>「Fantastic！」「Amazing！」、そして「Perfect！」その感動が、今宵の成果を物語る。</h4><p>サイモン氏は言います、「Fantastic！」。マウロ氏は言います、「Amazing！」。<br />
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「それぞれ、スタイルと個性が異なる3人のシェフで構成されたコースというのが非常に面白かったです。そして、これほどまでに高いクオリティを、こんなに若い女性が表現していることに驚きました。特に、矢嶋氏のラーメンのスープの風味が印象的でした」とサイモン氏。<br />
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ラーメンは、世界的にも確立した市民権を得た料理であり、本場日本のラーメンは、海外シェフからも人気を博しています。だが、「純麦」は住所非公開のため、外国人がたどり着くには、困難と思われますが、「その数は少なくない」と矢嶋氏は言います。そのエピソードに、美味しいものを食べたいという、海外からのフーディーの貪欲な探究心を感じます。<br />
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そして、エリック氏も矢嶋氏を支持。「ヨーロッパのかき氷は、もっとガリガリ。こんなにふわふわの食感は初めて。そして、冷たさを感じさせない技術も素晴らしい」と話します。<br />
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マウロ氏においては、加藤氏のデザートを絶賛。また、「イタリアにも優秀な女性シェフがいますが、そのメンバーが集う機会は、まずありません。そういった意味でも、このように女性がフォーカスされたプレゼンテーションは、大きな意義があると思いました」と、自国との違いも述べました。<br />
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また、ジャーナリストの女性2名からも、様々な意見が。<br />
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中東を中心に活動しているリーン氏は、「私の地域では、女性シェフが全くいませんでしたが、最近、少しずつ増えてきました。今回の3名のように素晴らしい女性シェフが、中東でも活躍できる場ができると良いと思っています。女性の料理は、やはりプレゼンテーションが美しい。今回は、&eacute;t&eacute;シグネチャー ウニのタルトと薔薇と檜とアーモンドが印象に残っています」と話します。<br />
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また、「女性ならでは、という表現はしたくありませんが、やはり女性の料理は繊細」とロレイン氏も続けます。特に、庄司氏の「伊勢海老のパイ包み焼き」を高く評価し、「構築されたレシピと味の繊細さをソースに感じた」と話します。<br />
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パイ包み焼きといえば、フランス料理の定番。しっかりとしたソースに重厚感のある味わいがイメージとしてありますが、庄司氏のソースは、別物。前述、伊勢海老の殻をじっくり煮込んで旨味を凝縮するも、重すぎず、ゆずをアクセントに。加えて、そのゆずは奥多摩産を使用しているため、伊勢海老同様、TOKYOをテーマにした切り口も採用され、味だけでなく、文脈として料理を組み立てる緻密さにも、質の高さを伺います。<br />
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「女性シェフ、というキーワードは、自分のレストラン選びのひとつでもあります。私の地域(ドイツ ベルリン)でも、女性シェフの活躍は、まだ少ない。評価においても、過去、二つ星まで獲得したレストランはありましたが、まだまだこれから。大切なことは、女性シェフも男性シェフと同じように料理できることを認識することではないでしょうか」。<br />
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そして、ロレイン氏の評価は、料理だけに留まりませんでした。今回、コース提供前には、生田流箏(琴)奏者・十七絃奏者・作曲家・編曲家の明日佳氏やDJ・ピアニスト・作曲家の野崎良太(Jazztronik)氏を招き、日本音楽のライブも演出。食後には、女性シェフ3名のトークセッションも行われ、コースや料理の解説だけでなく、各々の哲学などについてなど、様々な議論も行われました。<br />
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「海外でフードイベントを開催する際、料理を提供するだけに留まるものが多いです。今回のように、文化体験や、なぜこのような料理になったのか、この味にした理由などを理解できる機会は、非常に珍しく、少人数制という規模感も日本らしいと思いました」。<br />
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音を聞き、料理を味わい、言葉でそれを理解する。イベント全体を体験したロレイン氏は、最後にこんな言葉を残してくれました。<br />
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「完璧という言葉を使うのは好きではありませんが、完璧なイベントでした。It&rsquo;s Perfect！」。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4432_20250213143815_67ad8547159be" alt=""></p><figcaption>「それぞれ全く違う個性をひとつのコースにまとめたのがユニークだった」と話すサイモン・ローガン氏が特に印象的だった料理は、矢嶋氏の「ラーメン」。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4432_20250213143815_67ad85478acab" alt=""></p><figcaption>「東京にもこんなに良質な食材があることにびっくりしました」と、エリック氏。そして、「ヨーロッパには、こんなにふわふわしたかき氷はありません」と、矢嶋氏の「かき氷」を高評価。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4432_20250213181153_67adb759eaa0b" alt=""></p><figcaption>「イタリアでは、まず女性シェフ同士がコラボレーションすることは、なかなかなく、そう言う意味でも今回のイベントは素晴らしい企画でした。特に加藤氏の料理は、味もコンセプトも素晴らしかった」とマウロ氏。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4432_20250213181434_67adb7fa58c7f" alt=""></p><figcaption>「中東では、女性シェフがまだまだ多くありません、今回のようなイベントを通して、女性シェフが活躍できる場が増えることは、素晴らしい」と、リーン氏。また、料理においては、「庄司氏の&eacute;t&eacute;シグネチャー ウニのタルトと加藤氏の薔薇と檜とアーモンドに、女性らしい感性と繊細さを感じた」と話す。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4432_20250213143814_67ad8546036b4" alt=""></p><figcaption>「トークセッションがあったことによって、料理の味だけでなく、コンセプトや想いなどを咀嚼して理解できたのが良かったです。女性は、チームを構築することにも長けていると思っており、キッチンの仕事も美しかった」とロレイン氏。料理においては、庄司氏の「伊勢海老のパイ包み焼き」を高評価。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4432_20250213143814_67ad85462fa70" alt=""></p><figcaption>コースが始まる前にはライブも開催。生田流箏(琴)奏者・十七絃奏者・作曲家・編曲家の明日佳氏やDJ・ピアニスト・作曲家の野崎良太(Jazztronik)氏が、繊細な音を奏でる。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4432_20250213143814_67ad8546e1bcd" alt=""></p><figcaption>コース中盤には、石川県の酒蔵「車多酒造」の「五凛 凛粋」が供され、復興支援も。供される器は、堀口切子の江戸切子。細部にわたり、東京らしい演出を施す。</figcaption></figure>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4432_20250213143815_67ad8547d5c70" alt=""></p><figcaption>コース後のトークセッションでは、「生産者の丁寧な仕事により、東京の食材が世界に誇れるものであることを再認識」「女性シェフが活躍できる場の拡張について」「東京の食材の香り高さ」「森林保護の重要性についての言及」「昨今のSNS事情の良し悪し」「東京でお店を営む意義」など、様々な切り口で議論が交わされた。</figcaption></figure>
<h4><span>Tokyo Artissense</span>女性シェフのこれから。TOKYOのこれから。</h4><p>食を通して、東京を世界へ発信することを目的とした一夜の表現として浜田氏が着目したことは、繰り返しですが、女性シェフと多様性。<br />
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「女性シェフと言っても、様々なスタイルがあります。今回は、全く異なる3名の女性シェフにお願いをさせていただきました。その理由は、ロールモデルの可能性を示したかったからです」と浜田氏。<br />
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今回、浜田氏の口からは、バックグラウンド、という言葉が多く出ていました。それを紐解くならば、スタイルがシェフとしての現在であれば、バックグラウンドは人としての過去とでも言うべきか。確かに、庄司氏、矢嶋氏、加藤氏は、スタイルだけでなく、バックグラウンドも全く異なります。<br />
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「今回の3名は、女性シェフではありますが、女性だから云々というわけではありません。実力と能力があるからこそ、活躍されています。ですが、本来はもっと多くの女性シェフが活躍できるはず。それは本人たちの問題ではなく、その場が少ないという問題を感じています」。<br />
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レストランを営んでいる以上、極端に例えるならば、料理を食べてもらう接点は、ゲストのみ。しかし、今回のように、海外で活躍する三つ星シェフやジャーナリストと接点を持つことによって、何か新しいものが生まれる可能性や新たな筋道ができる可能性を秘めている。<br />
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接点という意味では、驚くべき事実も。今回、3名のシェフのうち、日本と接点があったのは1名、マウロ氏のみ。ほか2名は、初来日でした。<br />
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「海のそばのレストランや魚介を使う料理をしているシェフもいるため、ぜひ東京の食材も体験して欲しかった。エリック氏においては、日本のエッセンスを採用したあん肝料理を提供していますが、日本であん肝を食べたことないので、ぜひ食べていただき、今後に活かして欲しいとも思いました」。<br />
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インターネットやSNS、情報過多の時代、その特徴を得ることは難しくなく、高い技術を持ってすれば調理できてしまうこともありますが、体験にまさるものなし。後日、浜田氏のアテンドのもと、日本のあん肝を食し、エリック氏が感動したことは言うまでもありません。ただ、趣旨を伝えるだけでなく、招いた相手においてもプラスになる配慮は、浜田氏らしいホスト。<br />
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そんな様々も含めた場作りやきかっけ作りが、今後、浜田氏がレストラン界に寄与する力点なのかもしれません。<br />
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「若い才能に触れてもらえる機会は非常に嬉しい。今回のように知っていただけるような企画を実施したり、女性がシェフとして続けていきたいという場を作ったり、キャリアパスのお手伝いもできればと考えています」。<br />
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女性シェフという点では、浜田氏が愛するひとりに、<span style="background-color:white">イタリアの北東・フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州「ラルジネ・ア・ヴェンコ」のシェフ、アントニア・クリュグマン氏という人物がいます。</span><br />
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「彼女にも深いバックグラウンドがある。そして、彼女と今回の3名の女性シェフの共通点は、強い意志」。<br />
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今後、女性シェフが活躍できる域を拡張するためには、当事者だけでは解決しない。周囲も含め、その意志を示すことによって、女性シェフだけでなく、TOKYOの未来が変わるのだと考えます。<br />
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女性のアワード、それに触れない星、そして、ランキング、トック。女性をフォーカスするのが良いのか、はたまた、そうでないものを平等と捉えるべきか。別の角度からは、体力、人生の節目、労働環境。飲食業に限った話ではありませんが、様々な要因が含まれるため、一筋縄にはいきません。<br />
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ただ、ひとつわかることがあるとするならば、TOKYOには、女性シェフの才能がまだまだあるということ。今回、浜田氏は、それを証明しました。<br />
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世界が度肝を抜くTOKYOのレストランシーンの本領発揮は、これからだ。</p>
<figure><p><img src="https://www.onestory-media.jp/images_public/4432_20250213143813_67ad854566c53" alt=""></p><figcaption><span style="background-color:white">今回の会場となった空間は、「Shibuya Sakura Stage SHIBUYAタワー 」38Fにあるグリルダイニング＆ミュージックバー「STEREO」。高層階から望むパノラミックな絶景は、まさに東京を象徴するような世界が広がる。</span></figcaption></figure>
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Photographs：AKIHIDE MISHIMA Styrism Inc.(FOOD)<br />
<span style="background-color:white">Text</span><span style="background-color:white">：</span>YUICHI KURAMOCHI</p>

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